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司法試験直前期の学習について!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第67回

中止犯における必要的減免の根拠!?

刑法総論

2023.05.08

中止犯の成立要件を論ずる際には刑の必要的減免の根拠に立ち返って検討する必要がある。この点、減免の主たる根拠を実行行為の違法性や責任が減少することに求める答案が多い。しかし、実行行為の後に、中止行為を行ったとしても、実行行為終了後の事情によって、既に行ってしまった実行行為の違法性や責任が減少することはありえない。必要的減免の根拠は、既に発生させた危険を自ら消滅させることを動機づけ、これによって犯罪を予防し法益保護を図ろうという刑事政策に求めざるを得ない(政策説)。判例も減免の主たる根拠を褒賞・特典を与えることによって犯罪を予防する点に求めている。もっとも、予防というのは政策であるから、その背後に政策を支える法律的根拠が必要である。この点は、実行行為と中止行為を一体のものとみることにより、中止行為のない障害未遂の場合と比べて、違法性が減少し、また、中止による褒賞・特典を与えるにふさわしい心理状態にあったことにより責任が減少すると評価できる点に求められる。このように必要的減免の主たる根拠は刑事政策にあるが、それを支える法律的根拠は実行行為と中止行為を一体のものとみることによる違法・責任減少にある。このような理解を前提にして、中止犯の成立要件に関する判例の考え方が初めて理解できるようになるのである。

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