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行為の一体性を説明すべき場合とは!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第44回

行為の一体性を説明すべき場合とは!?

総論

2022.10.24

「XはYを殺そうとしてその首を絞めたところ失神したが、Xは死亡したと思い犯跡隠蔽のためYを海中に投棄し溺死せせた」といういわゆる遅すぎた構成要件の実現の事例において、Xは、首を絞める行為と海中に投棄するという2つの行為を行っている。そこで、この2つの行為を別々に検討するのか、それとも一連の行為としてとして検討するのかが真っ先に問題となる。この点、行為は客観・主観の統合体であるから、2つの行為の一体性を肯定するためには、2つの行為の間に客観的にみても主観的に見ても関連性が認められることが必要である。Xの2つの行為は、ともにYの生命という法益を侵害する行為であり、時間的にも場所的にも近接して行われているので客観的な関連性は認められる。しかし、第1行為は殺人の故意で、第2行為は死体遺棄の故意で行われており、故意の内容が全く異なるので主観的な関連性が認められない。そこで、一体性は認められず、第1行為と第2行為は別々に検討しなければならない。ここ注意すべきは、以上の検討の内容を答案で説明する必要はないという点である。そもそも行為が2つあれば行為毎に犯罪の成否を検討するのが原則であり、2つの行為があるにもかかわらず1つの行為とみる例外的な場合に限ってその理由を積極的に説明する必要があるのである。

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