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大塚裕史の刑法通信

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刑法コラム第82回

過失犯の共同正犯が成立するのは!?

刑法総論

2023.09.04

過失犯にも共同正犯が成立しうるかについては見解の対立があるが、判例はこれを肯定している。そして、どのような場合に過失犯の共同正犯が成立するかについて、判例は「共同の業務上の注意義務に共同して違反したことが必要である」と判示している(最決平28・7・12)。問題は、共同義務がどのような場合に認められるかである。この点、共同の注意義務というのは、単独正犯における注意義務とは異なり、自己の行為から結果が発生しないように注意するだけでなく、他者の行為から結果が発生しないように注意する義務も含まれる。だからこそ、他者の行為から発生した結果についても共同して責任を負うのである(一部行為の全部責任の法理)。共同義務の内容がこのようなものであるとすると、共同義務は共同行為者が相互に他者の行為から結果が発生しないように注意しなければならないような場合、すなわち、相互に監視しなければならないような立場にあるときに認められる。したがって、対等な作業員が共同して作業を行うような場合には共同義務が認められる。これに対し、チーム医療において医師と看護師の間には共同義務は認められない。なぜなら、医師は看護師の行動を監視しそのミスを防止する立場にあるが、看護師は医師の行動を監視する立場にはないからである。相互に監視しあう関係がなければ共同義務は認められないことに注意する必要がある。

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