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大塚裕史の刑法通信 - 『基本刑法Ⅱ各論』の使い方?!

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第4回

『基本刑法Ⅱ各論』の使い方?!

学習法

2021.12.27

今日は、近時受験生に愛読されている『基本刑法Ⅱ各論』の使い方についてアドバイスをしよう。まず、刑法各論は、科目の性質上、1頁から通読する必要がない。どの犯罪から読んでも構わない。
そこで、第1段階として、財産犯(7講〜16講)の部分から勉強するのが効率的である。なぜなら、司法試験の論文試験ではほぼ毎年のように財産犯から出題されるからである。本書は「基本構造」と「重要問題」に分かれているところに特徴がある。まず、「基本構造」をしっかり読んで、個々の犯罪の保護法益と成立要件を押さえる。これらは絶対的暗記事項なので単語カードを等を作成して正確に暗記すること。次に「重要問題」はいわゆる論点解説部分なので、日本評論社のHPから「簡易問題集」をダウンロードして問題集を作成し、その解答を『基本刑法』で読むというイメージで進めるとよい。【設問】に自分自身で答えることができるようになるまで繰り返して読んで欲しい。
第2段階は、逮捕・監禁罪、略取・誘拐罪、住居侵入罪、名誉毀損罪、業務妨害罪、放火罪、文書偽造罪、犯人蔵匿・証拠運滅罪、賄賂罪について学習する。第3段階は、それ以外の罪である。基本刑法で小さな活字になっている箇所は試験に出る可能性が極めて低いので読み飛ばしてよい。 このようにメリハリをつけて読むことが効率的な試験対策になる。

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