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大塚裕史の刑法通信 - 合格答案に必要な条件とは?!

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第3回

合格答案に必要な条件とは?!

学習法

2021.12.19

合格答案か否かは、結論に至るプロセスの説明如何で決まる。何が問題なのかを簡潔に説明する「問題提起」、問題点を解決する判断基準を説明する「規範定立」、自分の立てた規範を事案に当てはめる「当てはめ」が3本柱となる。ところが、受験生の間では、司法試験では「当てはめ」が重要であり、規範定立は簡潔に示せば十分であるという俗説がまことしやかに語り継がれている。これは、(新)司法試験から問題文が長くなり、旧司法試験ではあまり問題にならなかった「当てはめ」の仕方について採点実感などで受験生の答案の問題点が数多く指摘されたため、「当てはめ」が重要であるというイメージが形成されたことによるものである。しかし、現在では、当てはめの部分の答案のレベルは以前よりは上がってきており、むしろ規範定立の部分の論述の貧弱さが目立つようになってきている。条文をどのように解釈するのか、どのような理論を採用するのかという規範定立の部分で一番重要なのは「理由づけ」である。論証例を暗記しているだけで十分な理解が伴っていないため、理由づけの弱い答案が少なくない。「規範定立」と「当てはめ」は車の両輪であることに留意すべきである。

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