「論点」の本質的理解の重要性！？
刑法コラム第26回
「論点」の本質的理解の重要性！？
学習法
2022.06.13
受験生の中には、論証本の「論証例」をひたすら暗記しているだけの者が少なくない。そのため、ある論点についての受験生の答案が皆同じ文章になってしまうという「金太郎飴」現象が生じる。そこで、「採点実感」では、論証例を理解することなく暗記してそれを吐き出しただけの答案が多いと毎年のように指摘されている。これは「論点」を本質的に理解することなく、「論証例」だけを暗記するという学習法に問題があることを指摘したものである。
採点者が求める合格答案とは、論点を正確かつ深く理解していることが読み取れるような答案である。そのためには、いきなり論証本に飛びつくのではなく、論点についての解説本をじっくり読み、論点の内容を正しく深く理解することが先決である。その論点をめぐり見解はどのように対立しているのか、また、そのように見解が対立するのはなぜか、対立の原因は刑法の基本原理・原則とどのように関係しているのかなどをじっくり考えてみる必要がある。このようにして論点の本質を理解してから論証例をみれば、なぜこのような論証になっているのか、このような論証の仕方で必要十分であるといえるのかが自ずとわかるはずである。論証例の学習に当たっては、論点の本質的理解が不可欠の前提であることを忘れてはならない。
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