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大塚裕史の刑法通信 - 不作為犯の実行行為とは!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第8回

不作為犯の実行行為とは!?

総論

2022.01.31

不作為犯の問題を出題すると、「実行行為は犯罪の結果発生の現実的危険を有する行為であり、このような結果発生の危険を不作為によって実現することは可能である。したがって、不作為による行為にも実行行為性を認めることはできる。そして、作為義務に違反したときに結果発生の現実的危険性が認められる。」といった答案によくお目にかかる。これは、実行行為とは結果発生の現実的危険性をもった行為であるという定義を不作為犯の場合にも適用しようとしたものである。しかし、不作為犯の場合、何らかの原因で法益侵害の危険が発生しており、その危険の実現を阻止しない行為を問題にしているのであるから、そのような不作為には結果発生の現実的危険性があることは明らかである。死にそうな人を助けない行為は危険な行為であることは当たり前であり、作為義務に違反して助けない行為が問題なのである。不作為犯の実行行為は「作為義務に違反した行為」である。したがって、不作為犯の問題提起では、危険性ではなく、作為義務違反が認められるかを問題にすべきである。不作為犯の場合、危険性がなければ実行行為とはいえないが、危険性だけで実行行為性を基礎づけることはできないことに注意すべきである。

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