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大塚裕史の刑法通信

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刑法コラム第91回

予備試験答案の特殊性!?

学習法

2023.11.13

予備試験刑法の場合、司法試験とは異なり、解答用紙が4枚しかないという特殊性がある。それにもかかわらず、予備試験では、司法試験の場合と同じ位、多くの論点が出題される。こうした予備試験の特殊性を考慮すると、すべてにわたって、問題提起、規範定立、当てはめの3つをきちんと書くことは事実上困難である。そこで、第1に、問題提起はできる限り短くすべきである。問題提起を長く書いても得点が増すことはない。したがって、問題文を引用する形での問題提起は説明が長くなるので避けるべきであろう。第2に、論点の部分は規範定立と当てはめの双方が不可欠である。規範定立は、その場で考えると冗長な文章になるおそれがあるので、あらかじめ過不足のないコンパクトな論証を準備しておくとよい。また、予備試験も実務家の採用試験の一種であることを考えると、事案をどのように解決するかを示す「当てはめ」の部分は重要である。第3に、論点以外の犯罪の成立要件の説明部分は基本的に当てはめだけでよい。ただし、当てはめの説明の中に規範が見えるように工夫するとよい。こうした特殊性に対応して合格答案が書けるようになるためには、予備試験の過去問を検討し、その内容が完全に理解できたら、4枚以内に収まる答案を書く練習をした方がよい。知識があればあるほど答案が長くなる傾向があるが、何を省略し、何を簡潔に書くかが実は法曹に求められる能力なのである。

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司法試験〈刑法〉全過去問から導く合格答案の道しるべ

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