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単独正犯から書くか共同正犯から書くか!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第60回

単独正犯から書くか共同正犯から書くか!?

刑法総論

2023.2.27

「XとYが窃盗を共謀しXがVのバッグから指輪を盗んだ」という事例の場合、実行行為を担当したのはXであるから、答案では、まず、Xに窃盗罪の単独正犯が成立することを述べ、次に、共謀共同正犯について規範定立した後、Yに窃盗罪の共同正犯が成立すことを述べる。さらに、その結果として、Xにも窃盗罪の共同正犯が成立することを説明することになる。
そこで、「XとYが窃盗を共謀しXとYの2人でVのバッグから指輪を盗んだ」という事例の場合も、同様に、「Xについて窃盗罪の単独正犯が成立し、Yとの間で共同正犯の関係になる」とする答案が続出する。しかし、この事例の場合、Xに窃盗罪の単独正犯は成立しない。また、Yにも窃盗罪の単独正犯は成立しない。なぜなら、単独正犯は実行行為の全てを単独で行わなければ成立しないところ、本問では、「XとYが二人で指輪を盗んだ」と書かれており、バッグの中から小さな指輪を直接手に取ったのがXなのかYなのかは不明であるからである。XとYはあくまでも共同して指輪を窃取したのである。このような場合は、最初から実行共同正犯が成立するか否かを検討しなければならない。すなわち、共同正犯の成立要件を述べ、それへの当てはめを説明することになる。
このように、共謀共同正犯の事例か実行共同正犯の事例かで答案の書き方が異なることに留意しなければならない。

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