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学説対立問題の攻略法!?

大塚裕史の刑法通信

刑法コラム第21回

学説対立問題の攻略法!?

学習法

2022.05.02

平成30年より司法試験刑法では新傾向問題として「学説対立問題」が出題されている。これは丸暗記した論証例をただそのまま答案に書き写すスタイルの受験生が未だ少なくないため、論点を正しく深く理解すべきことを受験生に訴えるために採用された出題形式であるといえる。
学説対立問題に特別な対策は不要である。基本書を使い、ある論点をめぐり、見解がどのように対立しているのか、それぞれの見解の主張内容、論拠、問題点は何かを学び、見解対立の本質論がどこにあるのかを考えることに尽きる。
学説対立問題として出題されるのは、判例と通説・有力説が対立している論点で、かつ、いずれの立場をとるかで結論が分かれる論点に限られる。司法試験では少数説の理解は問われないので、判例・通説と少数説が対立しているに過ぎない論点は出題されない。また、どの見解をとっても結論が全く変わらない論点は出題されないであろう。このように考えれば、どの論点が学説対立問題として出題されるかはある程度予想がつく。受験生は、ともすると自説以外は勉強しない傾向があるが、このような論点については、自説と対立する立場からどのように解決されるかをしっかりフォローしておくことが重要である。他説を学ぶことは、実は、自説に対する理解を深める最善の方法なのである。

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