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大塚裕史の刑法通信

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刑法コラム第106回

論証例スピードチェック講座開講に当たって!?

学習法

2024.03.22

多くの受験生は「論証本」を参考に自己の論証例を事前に準備し、試験の直前にそれを暗記すべく努力している。ところが、「採点実感」では、「論証パターンの書き写しに終始しているのではないかと思われるもの」「論点の基本的な理解自体が不十分ではないかと不安を覚える答案」が少なくないと指摘されている。これは、論証例丸暗記型の学習の弊害を指摘したものである。論点学習で重要なことは、既存の論証例を無批判に暗記することではなく、論点において見解がなぜ対立するのか、見解対立の原因を刑法の基本原則・原理に遡って考えることである。そのような理解を前提に、何をどのように論ずべきかを自らの頭で考えて欲しい。論点の本質が理解できれば、実は、論証例を暗記する必要はないのである。LECにおいて「論証例スピードチェック講座」が開講される。そこでは出題が予想される刑法の全論点について、論証例を最終チェックすることを狙いとしている。具体的には、論点毎に受験生の「不適切な解答例」をあげ、なぜその論証が不適切なのかを良くわかるように解説をする。次に、具体的な事例を念頭に置き、論点毎に規範定立で述べるべきことは何か、当てはめの際に考慮すべきことは何かを見解対立の本質論に遡って具体的に解説する。論証例を丸暗記するのではなく、なぜそのような論証になっているかをきちんと理解することが決定的に重要である。

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