更新日:2024年11月18日
- このページのまとめ
- 長野県庁では、気候変動に対して全国に先駆けて「気候非常事態宣言」を発出するなど、20年後、30年後を見据えた取り組みに力を入れており、先進的な取り組みにも力を入れつつ、様々な面から県民を支えています。
- 長野県庁の一般行政職職員の平均給料月額は328,465円で、これに各種手当を含めた平均給与月額は395,342円になっています。
- 長野県庁の採用試験は、出題範囲が広く計画的な対策が必要です。公務員試験の情報収集とスケジュール管理が成功の鍵となります。また、他の自治体や国家公務員試験と併願することも考慮し、幅広い選択肢を検討しましょう。
- 監修者:吉田 幸司 LEC専任講師
- 大学卒業後、民間企業の勤務経験を経て講師業一本に絞る。多くの受験生が苦手意識を持ちやすい、数的処理や経済原論をはじめとした複数の科目を担当。「苦手を得意に、得意をさらに得意にする」
吉田 幸司 LEC専任講師
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長野県庁で働くって?
長野県はこんな自治体
「信州」「信濃国」とも呼ばれる長野県は、美しい山々に囲まれた自然豊かな場所です。本州の中央部に位置し、各主要都市からアクセスしやすい立地にあります。県土の約80%が林野であり、全国最多の29の百名山があり日本の屋根と呼ばれています。そんな自然豊かで立地に恵まれた長野県は、幸福度ランキング、移住したいランキングでは常に上位を獲得しています。美しく豊かな自然の恵みの下で、長い歴史と文化を築きあげてきた長野県には、松本城や大法寺三重塔、善光寺本堂といった国宝建造物や、御柱で有名な諏訪大社など歴史的建造物が多数あります。また、そば、りんご、味噌、野沢菜など数多くの特産品、郷土料理があり、湯田中渋温泉郷、野沢温泉、白骨温泉、別所温泉、浅間温泉など良質な温泉が豊富なのも魅力です。
長野県庁の仕事内容・魅力
長野県庁での業務は多岐に渡ります。道路や河川、空港などの大規模な公共工事や高校、大学や児童相談所の設置、雇用、産業振興など、市町村の枠組みを超えて取り組む必要がある広域的、大規模な業務に携わることができます。政策の企画や立案、条例の制定や改定など、都道府県の中心として、国や市町村と連絡・調整をとりながら、県民の安心安全、豊かな暮らしに貢献していく素晴らしい仕事です。
中でも長野県では災害の激甚化や頻発化の主たる要因である気候変動に対して、全国に先駆けて「気候非常事態宣言」を発出し、2050ゼロカーボンを目指して取り組んでいます。これは、20年後、30年後、さらにその先を見据えて「新しい社会を創っていこう」という壮大な取組です。このように長野県庁は時代の流れを理解した先進的な取り組みにも力を入れつつ、様々な面から県民を支えることのできる魅力的な職場であるといえるでしょう。
長野県庁のキャリア
長野県庁では新型コロナウイルスや度重なる災害から県民の皆様の命と暮らしを守ることと同時に、地方回帰の流れやDX化の動きを好機と捉え、将来に向けた取組をさらに加速させるため、「豊かな創造性」や「人とのコミュニケーション能力」を持ちながら、幅広い分野に対応できる人材の育成に力をいれています。時代の変化や県政の課題に、的確に対応できる知識や能力を習得出来るよう、自主性を重んじた各種研修が充実しています。
最初の配属の後は、多様な職務を経験するため、概ね3〜4年のサイクルで人事異動があります。業務の適性や希望を基に、総合的な判断の下、職員の能力が最大限に活かせるような配属がなされます。また、私生活も充実させつつキャリアも積んでいけるよう、ワークライフバランスを重要視されています。男性の育児参加や産休・育休の取得を推進しており、それに向けた職員同士の協力体制も整っています。職員一人一人の理想のキャリア実現に向けて、万全のバックアップ体制が長野県庁にはあるといえるでしょう。
長野県庁の給料・年収
令和5年(2023年)4月1日現在の一般行政職における状況は以下の通りです。
初任給(大学卒) | 195,800円 |
---|---|
平均年齢 | 45.0歳 |
平均給料月額 | 328,465円 |
平均給与月額 | 395,342円 |
【参考:国】 平均給料月額 | 322,487円 |
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長野県庁の採用試験について
長野県庁採用試験の採用区分と受験資格・年齢制限
試験区分について
大学卒業程度を想定した上級試験では行政Aの他に、デジタル、社会福祉、心理、産業技術(旧:電気・機械)、化学、農業、水産、電機総合(旧:電気・機械)、建築、林業、薬剤師、保健師、管理栄養士の区分があります。
その他に免許資格職試験、初級試験、経験者試験の採用試験があります。
受験資格・年齢制限について
上級試験、一般行政の受験資格は以下の通りです。
- <2024年度の場合>
- 日本国籍を有する人
- 1995年4月2日から2003年4月1日までに生まれた人
- 2003年4月2日以降に生まれた人で、大学を卒業した人(2025年3月までに卒業見込みの人を含む。)またはこれらと同等の資格があると人事委員会が認める人
- 1989年4月2日から1995年4月1日までに生まれた人で、民間企業等における職務経験が5年に満たない人。ただし現在長野県職員(長野県職員採用試験(初級又は高校卒業程度)で採用された人に限る。)である人は職務経験は問わない。
※学歴による受験資格はありません
長野県庁採用試験の倍率・難易度・合格者数推移
試験職種 | 採用予定者数 | 申込者数 | 1次試験 受験者数 |
1次試験 合格者数 |
最終合格者数 | 最終合格倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|
一般A | 50名程度 | 245人 | 178人 | 124人 | 59人 | 3.0倍 |
行政B | 40名程度 | 522人 | 376人 | 177人 | 65人 | 5.8倍 |
行政B 【秋季チャンス】 |
20名程度 | 243人 | 118人 | 23人 | 4人 | 29.5倍 |
長野県庁採用試験の試験内容
試験科目 | 試験時間 | 内容 | 配点 | 第1次試験 | 教養試験 | 120分 |
|
400点 |
---|---|---|---|---|
専門試験 | 120分 |
|
800点 | |
論文試験 | 90分 | 1,200字以内の記述式による筆記試験 (※論文試験は第1次試験日に実施しますが、採点は第2次試験で行います。) |
300点 | |
第2次試験 | 人物試験 | − | グループワーク、個別面接(2回) 適性検査(2種類実施。うち1種類は自宅等でWebサイトより受験) |
900点 |
行政A区分では教養知識分野が30問中20問選択解答、専門試験が50問中40問選択解答になっていることが特徴です。また2次人物試験ではグループワーク及び個別面接2回が行われます。
長野県庁の採用試験の日程について
第1次試験 | 6月16日(日) |
---|---|
第1次試験合格発表 | 6月25日(火) |
適性検査(オンライン版) | 6月26日(水)〜7月1日(月) |
第2次試験【口述試験等第1回】 | 7月8日(月)〜19日(金)のいずれか1日 |
第2次試験【口述試験等第2回】 | 7月25日(木)〜8月5日(月)のいずれか1日 |
最終合格発表 | 8月中旬 |
日程的には、いわゆる地方上級の日程に含まれるため、県庁や政令都市の試験、および同一日程で実施されるA日程の市役所試験は併願することができません。
長野県庁採用試験の試験対策
試験勉強のコツは?
一般的に専門科目が課される公務員試験において、筆記試験で問題数が多い重要科目は教養科目で文章理解と数的処理、専門科目で憲法、民法、行政法、経済原論と言われています。重要科目を中心に学習を進め、自分の得意分野に合わせて科目の学習にメリハリをつける戦略を取ることにより、得点力の向上が見込めます。
また、近年の公務員試験において、教養科目の知識分野(人文科学、自然科学、社会科学)や専門科目の準主要科目と言われる学系科目(政治学、行政学、財政学、経営学等)の得点力の重要性が高まっています。長野県庁もこの例に漏れません。主要な科目の早めのマスターを心掛けて、準じて重要な科目にいかに時間を割けるかがカギです。
しかし、筆記択一試験対策にだけ特化する形ではいけません。長野県庁(行政A)は最終合格者の決定は1次試験と2次試験の結果を総合して決定されますが、最終合格ラインに同点者がいる場合は面接試験の得点の上位者が合格となります。そして、面接試験は全配点2400点の内の900点を占めています。筆記択一試験対策に偏るのではなく、論文対策や面接対策をバランスよく行っていく必要があります。
試験勉強時間の目安
一般的な公務員試験で教養試験のみを対策する場合には300〜500時間が必要と言われています。一方、国家公務員一般職試験などのいわゆる専門試験も課される試験を併願する場合には、概ね1000〜1200時間が必要とされています。
つまり、長野県庁の試験にあたっては、長期的な計画を立てつつ、効率的な学習が求められると言えるでしょう。学業や仕事をやりながら、筆記対策、論文対策、面接対策とやらなければいけない事が多岐に渡る中で、優先順位を見誤らない事が重要です。焦らずに、周りに頼りつつ、自分の事を客観的に分析しながら合格に向けて取り組んでいきましょう。
併願について
日程的には、いわゆる地方上級の日程に含まれるため、専門試験が課される長野県庁の対策をすることによって、国家公務員総合職試験、国家公務員一般職試験、国税専門官、財務専門官、労働基準監督官などの国家専門職試験、裁判所職員試験とも併願が可能になります。また、例年5月に行われる東京都庁や特別区、7月や9月の市役所とも日程が重複していないため受験が可能です(筆記択一試験が教養試験のみ出題の自治体も含む)。さらに、国立大学法人等も可能になるため、考えられる併願先の数も充実しているといえます。
よくある質問 ※2024年度の長野県行政A(一般方式)
- Q.長野県の試験科目は?
- A.第1次試験は教養試験、論文試験、専門試験が課されます。第2次試験は適性検査が2種類、口述試験で人物についての個別面接が2回、グループワークが課されます。
- Q.長野県の試験日程は?
- A.第1次試験日は6月中旬、第2次試験日は適性検査(オンライン)が6月下旬から7月上旬までの間、グループワークと適性検査(対面)、個別面接の1回目が7月上旬から中旬までの間で指定する1日、個別面接の2回目が7月下旬から8月上旬までの間で指定する1日です。最終合格者発表日は8月中旬です。
- Q.長野県の受験資格(年齢)は?
- A.日本国籍を有する人で、1995年4月2日から2003年4月1日までに生まれた人、2003年4月2日以降に生まれた人で大学を卒業した人(2025年3月までに卒業見込みの人を含む。)、またはこれらと同等の資格があると人事委員会が認める人、1989年4月2日から1995年4月1日までに生まれた人で民間企業等における職務経験が5年に満たない人(ただし現在長野県職員{長野県職員採用試験(初級又は高校卒業程度)で採用された人に限る。}である人は職務経験は問わない。)が受験できます。
まとめ
長野県庁は、長野県に定住しつつ、県民のために働くことができる、非常にやりがいのある仕事です。そして、育休や産休などの制度も充実しており、継続して働くことのできる職場であるといえます。長野県庁では 福祉、医療、介護、子育て、教育など、県民一人ひとりの生活に直結する課題につき変化を的確に捉え、きめ細かなサービスを提供していくための人材育成に力を入れています。県民の「しあわせ」と長野県の持続的な発展を実現するために、全職員が熱意をもって業務に取り組んでいます。このようにやりがいを感じながら、幅広い業務に対応できるスキルを身に付けることが出来る長野県庁は、将来の皆さんの進路の一つとしてオススメ出来るものとなっています。