更新日:2024年7月5日
公務員は大きくわけて国家公務員・地方公務員に分けられます。
それぞれに、どのような仕事内容・なり方の違いがあるのかをみていきましょう。
- 目次
- 公務員は、国家公務員と地方公務員に分類できる
- 国家公務員と地方公務員の仕事内容の違いは?
- 国家公務員の仕事
- 地方公務員の仕事
- 公務員に向いている人
- 国家公務員に向いている人
- 地方公務員に向いている人
- 国家公務員・地方公務員へのなり方の違い
- 採用試験概要について
- 国家公務員の試験概要
- 地方公務員の試験概要
- 先輩の声
- まとめ
公務員は、国家公務員と地方公務員に分類できる
公務員は、大きく分けて「国家公務員」と「地方公務員」の2つがあり、採用先・仕事内容もそれぞれ異なります。
国家公務員の採用先は、立法府、司法府、行政府といった政府の根幹を支える国の機関です。これに対し、地方公務員の採用先は、採用された地域に密着した行政サービスを行う地方自治体です。
それぞれに、どのような仕事の違いがあるのかをみていきましょう。
国家公務員とは?
国家公務員は、国全体を視野に入れ国全体に関わる業務を行う公務員のことをいいます。主に中央省庁とその出先機関において業務を行ないます。企画立案と業務執行が必要となるためスケールの大きい仕事が多くあります。中央省庁や外局、国会、裁判所などの国家機関で国家の運営に関連した業務を行うスペシャリストが国家公務員です。代表的な業務としては、政策立案、法律や条令の整備、予算編成、国家・議会への対応、統計調査などがあげられます。
地方公務員とは?
地方公務員は、都道府県庁・市役所・区役所などで地域に密着した業務を行なう公務員のことをいいます。
職員の給与や予算、経理、庶務から用地交渉などの対外的な業務。その他にも防災対策、環境保全、福祉の充実、文化・スポーツ活動の推進など多岐にわたる多彩な業務を行ないます。
国家公務員と地方公務員の仕事内容の違いは?
国家公務員
仕事内容
- 国家総合職
- 一般にキャリアとよばれる中央省庁の幹部候補です。政策の企画・立案・調査、法律の制定や改廃など極めて高度な内容であり、まさに国家を背負ってたつ国家公務員として仕事をします。
- 国家一般職
- 総合職が主に中央省庁で政策の企画立案を担当するのに対し、一般職は合格した地方ブロックにある各省庁の地方支部局で政策の実施を担当します。
勤務先
霞ヶ関の中央省庁の本部と全国津々浦々に存在するこれら省庁の出先機関
地方公務員
仕事内容
- 都道府県職員
- 市役所よりも予算規模が大きいため、大規模な公共事業を実施します。都道府県庁は国・その他自治体・企業など団体を相手に仕事をすることが多くあります。
- 市町村・区職員
- 住民生活に密着した仕事が多くなります。
例えば、戸籍・住民票に関する業務、市町村道路・公園・緑地の保護や管理、一般廃棄物処理やリサイクル、火災予防、救急・救助活動などがあたります。
地方公務員は大きく分けて初級・中級・上級の3つにわけることができます。これは採用試験の難易度を表すもので一般的に呼ばれています。自治体によっては呼び方が異なりますので志望の自治体を確認しましょう。
- 初級…高卒程度レベルで1番難易度が低い試験です。仕事内容は一般事務や窓口が多いようです。
- 中級…短大卒程度レベルです。初級とまとめて実施されていることもあり、仕事も初級と同じ業務に携わることがあります。
- 上級…採用数も多く大卒程度レベルで自治体の幹部候補として採用され、幅広い業務に携わりながら昇進することが可能です。
勤務先
原則採用された自治体の本庁や出先機関
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公務員に向いている人
国家公務員に向いている人
国家公務員のうち総合職に向いている人は、世の中をこのように変えていきたい、といったことを考えている人です。そして、自分の能力を発揮するというよりは、民間の個人や企業、地方公務員、国家一般職の皆さんの能力を最大限発揮させることができる人です。
国家公務員を目指した理由
- 国家総合職合格者
- 国家公務員の業務について、先輩から話を伺う機会があり、それ以降、自身の手で国の根幹である政策の立案に携わり、多くの人を巻き込んで仕事が出来る国家公務員の職業に魅力を感じました。加えて民間企業で携わることが難しい、プロジェクトの大きさや、国を良くする公共性などの部分に惹かれました。
- 国家総合職合格者
- 社会の広範囲にわたる諸問題に、既に顕在化していると否とを問わず、幅広くアプローチすることができるのは、国家公務員ならではと考え目指しました。そして、どのようなバックグラウンドを持った人であっても「当たり前」が今日から明日へと自然に続いていける社会でありたいと考えたからです。
- 国家一般職合格者
- 首都圏と地方都市を取り巻く現状に大きな違いがあることを認識したことから、地方創生に携わりたいという思いがありました。公務員は、異動によって全く別のフィールドで活躍することができる点と日本各地において今後さらに過疎化と少子高齢化が進展するなかでも持続可能な行政サービスの提供をしていきたいという思いから公務員を志すようになりました。
地方公務員に向いている人
地方公務員のうち都道府県の仕事に向いている人は、国と基礎自治体、企業、民間団体など調整をしたり、基礎自治体の職員の皆さんが円滑に遂行できるよう気配りができる人です。これに対して、市区町村の仕事に向いている人は、直接住民の皆さんにサービスを提供しその反応に喜びを見出すことができる人です。
地方公務員を目指した理由
- 地方公務員合格者
- 公務員は一般企業と違い、その地域の住民または国民全体の利益を追求して働くので、そこにスケールの大きさと全体の利害調整の困難さを予想しやりがいのある仕事だろうと思いました。次に、地方公務員は全く経験のないような部署へと数年ごとに異動となるため様々な経験を積むことができます。この働き方は好奇心旺盛な自身の性格とマッチしていると感じました。
- 地方公務員合格者
- 私は、社会問題の解決に貢献できる仕事として思い浮かんだのが公務員でした。民間企業と異なり、多様な主体に向けて多角的な方面からアプローチすることができるという点に魅力を感じたのがきっかけです。また、人と接することが好きなため、地域の人々の身近な存在として直接声を聴くことのできる地方公務員を目指しました。
国家公務員・地方公務員へのなり方の違い
国家公務員になるためには、人事院が実施する国家公務員採用試験を受験し合格する必要があります。
大卒程度・院卒は国家総合職、国家一般職、国家専門職(国税専門官・財務専門官・労働基準監督官等)。高卒程度は国家一般職、国家専門職の試験を行われており、区分を選択して受験します。
国家一般職(大卒程度)の場合、行政区分(地域採用)・土木区分・化学区分・農学区分などといった区分から自身の専門にあった区分を選択します。
地方公務員になるためには、各地方自治体が実施する採用試験を受験し合格する必要があります。
地方公務員も同様に自身の専門にあった区分を選択し受験します。また、各自治体が独自に試験を行っているため試験内容や受験資格等が自治体によって異なります。
採用試験概要について
国家公務員
国家総合職は、例年3月中旬に第1次試験が実施され6月上旬に最終合格発表がされます。その後6月中旬より官庁訪問が行われ内々定を獲得します。
主な試験内容は、第1次試験は筆記試験で基礎能力試験と専門試験(択一式)が実施され、第2次試験で専門試験(記述式)と面接試験が行われ判定されます。国家総合職は英語試験の点数によって加点されるため、TOEICなどの語学系の対策もされることをおすすめします。
次に国家一般職は例年6月上旬に第1次試験が実施され8月中旬に最終合格発表がされます。1次試験合格発表から最終合格までの期間で官庁訪問が行われるため、志望官庁研究など早めの準備が必要です。
主な試験内容は、第1次試験は筆記試験で基礎能力試験と専門試験(択一式)が実施され、第2次試験で面接試験が行われ判定されます。
地方公務員
ここでは、上級試験(大卒程度公務員)について説明します。
主に、第1次試験は6月中旬に第1次試験が実施され8月〜9月上旬にかけて最終合格発表がされます。
1次試験内容は、教養科目試験、専門科目試験が実施されることがほとんどです。最近では、民間就職試験で活用されている、基礎能力検査(SPIやSCOA)などを導入する自治体も出てきており、多様化が進んでいます。
一般的な公務員試験の場合、教養試験の難易度は科目ごとによって異なるものの、学習範囲が広いため、しっかりと対策することが必要です。専門試験についても、各科目が全部出題されるところもあれば、選択式の自治体、一部の科目だけ指定されている自治体など様々です。
2次試験は主に面接試験が実施され、個別面接や集団面接、集団討論といった様々な形態の面接試験を行われ複数回実施する自治体もあります。
先輩の声
- 八木 千里さん
【大学名】大阪公立大学(大阪市立大学)在学中合格
【最終合格先】国家一般職、国税専門官A、裁判所事務官一般職、神戸市 - 充実した面接対策と手厚いサポート
私が学内講座や他の予備校ではなくLECを選んだ理由として主に2つあります。1つ目は充実した面接対策です。公務員試験は面接対策がとても大事だと聞いていたため、LECの膨大な情報量と手厚いサポートに惹かれました。結果的にリアル面接シミュレーションの先生方には面接対策で様々なことを教えていただき、自分自身に大きな自信を持つことができました。2つ目は手厚いサポートです。講師の方々と月に2〜3回担任制度を利用させていただき、勉強の相談から悩みの相談まで幅広く聞いていただいたおかげで不安なく受験をすることができました。
- 稲垣 真澄さん
【大学名】立教大学 在学中合格
【最終合格先】国家一般職、国税専門官A、特別区T類 - 得意科目と苦手科目の向き合い方
私の場合、かなり暗記科目に苦手意識があり、数学系の科目、法律系の科目が好きでした。そのため、選択できる範囲で得意科目を選択することはもちろん、得意科目(特に数的処理やミクロ・マクロ)は8〜9割の正答率にできるように何度も繰り返し間違えた問題を解き直しました。法律科目に関しては講義を何度も聞いて法律から読み取れる正義を理解しようとしました。反対に苦手な暗記科目に関しては、正答率6割を目指し多くは望まず、問題を解くことに時間を費やすことより、テキストを毎日見返して人と名前をとりあえず頭に叩き込むことを行いました。
まとめ
国家公務員、地方公務員としてできる仕事は異なります。ご自身が公務員になった時にどういった仕事に携わっていきたいのか考えてみましょう。ぱっと浮かばない場合は興味のある省庁や自治体のホームページをみてみたり、開催されているイベントに参加してみることもオススメします。
また、志望先が決まっていないけれど、公務員試験対策を始めてよいのだろうか?と質問されることが多くありますが、明確になっていなくても始める事をオススメします。予備校では併願対策ができるカリキュラムを用意していることがほとんどですし、合格者の大多数も試験対策を始めている間に志望先を決めています。