更新日:2024年10月29日
- このページのまとめ
- 北海道庁職員にはさまざまな職種があり、地域の課題に取り組むことが特徴です。地域密着型の業務を行い、大規模なプロジェクトにも参加します。支庁を通じて地域の市町村を統括し、多岐にわたる業務を担当します。
- 初任給は一般行政職で大卒程度の場合、185,200円で、各種手当も支給されます。平均年齢は43.3歳で、平均給与は月額395,933円です。福利厚生も充実しています。
- 北海道庁職員としての採用試験は出題範囲が広いため、計画的な対策が必要です。公務員試験の情報収集とスケジュール管理が成功の鍵となります。また、他の自治体や国家公務員試験と併願することも考慮し、幅広い選択肢を検討しましょう。
- 監修者:熊井 遊 LEC専任講師
- 関西LEC各本校および大学の非常勤講師・学内講座を担当。科目対策にとどまらず、公務員試験情報、ES・面接対策など、マンツーマンで徹底的に受講生に寄り添う指導スタイル。
熊井 遊 LEC専任講師
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北海道庁で働くって?
北海道はこんな自治体
北海道は四方を太平洋、日本海、オホーツク海に囲まれ、雄大かつ変化に富む山岳、広大な湿原、美しい景観の天然湖沼などにより形成されています。北海道本島は面積77,983.90平方キロメートル、日本の島の中では本州に次ぐ第2位の面積です。気候は冷涼低湿で、梅雨や台風の影響をあまり受けませんが、日本海側、内陸部で冬の積雪があり、日本海側は特に豪雪地帯です。一部市町村は特別豪雪地帯になっています。道北、道東の内陸部は寒さが非常に厳しい気候です。
日本では北端に当たりますが、世界ではアメリカ、ヨーロッパの主要都市とほぼ同位置にあります。北海道内総生産の産業別構成比は、第1次産業が4.1%、第2次産業が16.9%、第3次産業が79.0%です。全国平均と比べて第1次、第3次産業の比率が高く、第2次産業、特に製造業の比率が小さく全国の2分の1以下となっています。
北海道庁の仕事内容・魅力
北海道は全体で一つの行政区域となっており、第2次世界大戦後の地方自治法で他の都府県とならぶ普通地方公共団体のため、北海道庁職員は、他の都府県庁職員と同様に、さまざまな仕事を総合して行う「一般行政職」、道路や河川を担当する「土木職」、建築物の申請や検査などを行う「建築職」、社会福祉に携わる「福祉職」、他には、警察職の事務的な業務を行う「警察行政職」、「機械・電気職」、「環境職」、「農学職」、「農業工学職」、「林学職」などがあります。
国家公務員に比べると、北海道内の地域レベルの課題に取り組み、地域住民に接する機会も多いのが特徴です。一方で、市区町村レベルでは対応が難しい総合的な都市開発計画や、義務教育・社会福祉の維持、条例の策定など、市区町村の枠を超えた大きな仕事に取り組むことができるのが、北海道庁職員の大きな魅力の一つです。
北海道は広大なため、道内を14か所のブロックに分け、それぞれのブロック内にある市町村を統括するために支庁として「総合振興局」及び「振興局」が置かれており、本庁だけではカバーしきれない地方密着型の業務をメインに行なっています。業務は多岐にわたっており、事業規模の大きさに関わらず、長期的なプロジェクトに関わることも多く、結果を出すことを魅力に感じる人も多くなっています。
北海道庁のキャリア
北海道庁では、採用後の一定期間、質の異なった職務をいくつか経験することで職員の能力・適性を発見するとともに、その後、専門的な能力を伸ばし活用することができる職務の経験を通じて、職員の育成と組織の効率的な運営を目指そうとする、「ジョブ(異動)ローテーション」を実施します。行政職の異動ローテーションは、企業でいうと新たな企業に就職するようなものですが、「道民のため」という行政の一番大切な信念はどこの部局に移動しても変わりはありません。
また、北海道庁では、急速に進行する人口減少や少子高齢化など、社会経済情勢が大きく変化する中、多様化・高度化する道民ニーズへの的確な対応や地域主権の実現を図るため、自ら考え、自ら解決する職場の確立と、それを支える職員の意識改革、資質・能力の向上を目的として、様々な研修を実施し、人材育成を計画的に推進しています。職員のチャレンジ精神を尊重し、意欲、能力を直接職務に反映させることにより、職員の士気の高揚と自立的なキャリア形成の支援を図っています。働きやすい環境から、個人のスキルアップのみならず、部局が一緒になって向上していき、「北海道民のため」に何ができるのかを考え職務に従事できる環境が北海道庁には用意されています。
北海道庁の給料・年収
初任給(大学卒) | 185,200円 |
---|---|
平均年齢 | 42.8歳 |
平均給料月額 | 317,306円 |
平均給与月額 | 395,933円 |
【参考:国】 平均給料月額 | 322,487円 |
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北海道庁の採用試験について
北海道庁採用試験の採用区分と受験資格・年齢制限
試験区分について
大学卒業程度を想定した上級試験では一般行政の他に、教育行政、警察行政の区分があります。
その他に免許資格職試験、初級試験、経験者試験の採用試験があります。
受験資格・年齢制限について
上級試験、一般行政の受験資格は以下の通りです。
- <2024年度の場合>
- 日本国籍を有する人
- 平成6年(1994年)4月2日から平成15年(2003年)月4月1日までに生まれた人
- 平成15年(2003年)4月2日以降に生まれた方で、大学を卒業した人もしくは令和7年(2025年)3月31日までに卒業見込みの人、または人事委員会がこれらの人と同等の資格があると認める人
北海道庁採用試験の倍率・難易度・合格者数推移
試験職種 | 採用予定者数 | 申込者数 | 1次試験 受験者数 |
1次試験 合格者数 |
最終合格者数 | 最終合格倍率 | 一般行政 | 195人 | 920人 | 802人 | 611人 | 312人 | 2.6倍 |
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北海道庁採用試験の試験内容
試験科目 | 試験時間 | 内容 | |
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第1次試験 | 職務基礎力試験 | 40分 |
|
70分 |
|
||
第2次試験 | 専門試験 | 120分 |
|
人物試験 | ― | 個別面接 |
試験科目 | 試験時間 | 内容 | |
---|---|---|---|
第1次試験 | 職務基礎力試験 | 40分 |
|
70分 |
|
||
第2次試験 | 小論文試験 | 90分 |
|
人物試験 | - | 個別面接 |
北海道庁の採用試験の日程について
第1次試験 | 5月12日(日) |
---|---|
第1次試験合格発表 | 5月31日(金) |
第2次試験【1日目】 | 6月16日(日) |
第2次試験【2日目】 | 7月中旬〜下旬 |
最終合格発表 | 8月上旬 |
北海道庁採用試験の試験対策
試験勉強のコツは?
北海道庁の採用試験は、他の公務員試験と併願がしやすい自治体です。
第1次試験の筆記試験の職務基礎力試験では、苦手意識が強い数的推理を中心に早い時期から対策を立てる必要があります。また、文章理解(現代文・英文)は平均得点率が高くなるため、安定して得点を得られるようになった時期から、いかに短時間で正解を得られるかを追求する学習に移行する事をおすすめします。
また、第2次試験の論文試験ですが、普段から社会問題や北海道内の問題等に興味関心をもっておきましょう。新聞の社説記事は書く量など参考になります。問題点や解決策及び意見について記者がどのような角度で分析しているか調べておきましょう。自分が書いた答案を第三者に客観的な評価をしてもらえる環境も必要となりますので、しっかりと対策を立てておきましょう。面接試験は、事前に自分の考えやエピソードをまとめ、面接試験を実践的に練習できる環境を準備しておくことが大切です。
試験勉強時間の目安
公務員試験合格に必要とされる試験勉強時間は、今までの学習量に大きく左右されますが、一般的には1,000〜1,200時間必要だとされています。大学3年生の春ごろから勉強をスタートさせる方が多いです。大学生活において、ゼミや部活動、社会活動、アルバイトなど学生ならではの様々な経験を積むことは、面接試験対策やエントリーシート作成時のエピソードのもとになるので非常に重要です。そのため、大学3年生の秋ごろまでは、学習ペースは週20〜30時間ほどの受験生が一般的です。概ね年明けから、面接試験対策も加わり、学習時間が週40時間を超えるようになっていきます。
ただ、これらの学習スケジュールはあくまでも一般的なものです。公務員試験勉強を開始する段階で、今までの学習状況や置かれている学習環境などを踏まえ、勉強スケジュールを個別に調整する必要があります。また、近年、大学3年生の間に留学する学生も増え、十分な学習時間を確保できない事もありえます。そのため、ひとりひとりに合わせた学習カリキュラム及びスケジュールを作成し、必要であれば、大学2年生から学習を前倒しする必要があります。なにか不明点があれば、一人で悩まずどんなことでも相談してください。
併願について
北海道庁職員の採用試験は、他の公務員試験や民間企業と併願がしやすい試験となっています。試験科目と日程を調整して戦略を練りましょう。
北海道庁の試験日は地方公務員のA日程で実施されるため、4月実施、及びB日程の試験を受験できます。また、国家公務員総合職試験、国家公務員一般職試験、及び、裁判所職員試験や国税専門官、労働基準監督官をはじめとする国家専門職試験も併願が可能になります。C日程、D日程とは日程が重複しないため、受験が可能です。
地方公務員の中には、A〜D日程以外に独自に日程を設ける自治体もありますので、スケジュールをしっかり調整して、数多くの併願先を検討することが公務員試験合格に向けた対策として重要です。また、民間企業と併願を考えている受験生は、準(みなし)公務員として、国立大学法人など、仕事内容や採用試験において、公務員と概ね同じ内容の職種を併願先として検討するのも良いでしょう。公務員試験合格は、学習面はもちろん、それ以外にも情報戦となりますので、是非一度、気軽に相談しに来てください。
よくある質問 ※2024年度の北海道一般行政A
- Q.北海道の試験科目は?
- A.第1次試験は教養試験、第2次試験は論文試験と個別面接が行われます。
- Q.北海道の試験日程は?
- A.第1次試験日は5月中旬、第2次試験の筆記は6月中旬、第2次試験の面接は7月中旬から下旬に、合格発表は8月上旬です。
- Q.北海道の受験資格(年齢)は?
- A.日本国籍を有する人で、平成6年(1994年)4月2日から平成15年(2003年)月4月1日までに生まれた人、平成15年( 2003年)4月2日以降に生まれた方で、大学を卒業した人もしくは令和7年(2025年)3月31日までに卒業見込みの人、または人事委員会がこれらの人と同等の資格があると認める人が受験できます。
まとめ
公務員試験は情報戦です。採用スケジュールは年度によって変化しますし、受験案内も丁寧に告示してくれません。受験案内の情報収集が公務員試験の第0次試験と言っても過言ではありません。また、北海道庁職員が第一志望であっても、他の自治体や国家公務員などを併願することは就職活動において大切です。あわせて、採用試験は既に働いている自治体の職員などが一緒に働きたいと思う人を採用します。したがって、筆記試験勉強のみに注力するのではなく、受験生の人柄を存分に発揮できるよう面接試験対策も早い段階から対策を立てていく必要があります。目指す自治体や、受験生の置かれた環境がそれぞれに異なる事から、合格に効率的な戦略や日々の学習管理など相談できる環境を確保することが大切になります。また、一緒に切磋琢磨できる仲間の存在が学習のモチベーション維持を大きく左右します。