更新日:2024年7月11日
- このページのまとめ
- 広島県庁では、地域レベルの課題に取り組み、地域住民に接する機会も多いと同時に、「ひろしま未来チャレンジビジョン」をはじめとする長期的かつ大規模なプロジェクトに携わることもでき、様々な面から県民を支える業務を担います。
- 広島県庁の行政職職員は、平均給与月額379,436円、平均賞与1,700,000円、平均年収6,117,000円、平均退職金21,650,000円となっています。地方公務員の平均給与月額360,949円と比較しても、平均よりやや高めの給与です。
- 広島県庁の採用試験は、出題範囲が広く計画的な対策が必要です。公務員試験の情報収集とスケジュール管理が成功の鍵となります。また、他の自治体や国家公務員試験と併願することも考慮し、幅広い選択肢を検討しましょう。
- 監修者:熊井 遊 LEC専任講師
- 関西LEC各本校および大学の非常勤講師・学内講座を担当。科目対策にとどまらず、公務員試験情報、ES・面接対策など、マンツーマンで徹底的に受講生に寄り添う指導スタイル。
熊井 遊 LEC専任講師
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広島県庁で働くって?
広島県はこんな自治体
広島県は、瀬戸内海の臨海部を中心に自動車産業、製鉄、造船などの工業が発展しています(瀬戸内海工業地域)。県庁所在地の広島市は政令指定都市であり、中国・四国地方の人口や経済分野において最大の都市です。一方で海・山の豊富な自然にも恵まれ、農業・漁業も盛んです。このことから産業分布が日本平均に近く、県民所得も中位にあり「日本国の縮図」とも呼ばれています。
『広島』の名の由来は天正17年(1589),毛利輝元が広島城築城の鍬入れの時に命名したといわれています。 毛利氏の祖先である大江広元の「広」と,この地の戦国時代の武士福島元長の「島」を合わせたものという説や,あるいは,広くデルタの島々が合わされたという自然の地の形に由来する説など、諸説あります。そのため、広島県は瀬戸内海には大小併せて約140の島を有しています。
広島県庁の仕事内容・魅力
広島県庁職員は、さまざまな仕事を総合して行う「一般行政職」、道路や河川を担当する「土木職」、建築物の申請や検査などを行う「建築職」、社会福祉に携わる「福祉職」、他には、警察職の事務的な業務を行う「警察行政職」、「機械・電気職」、「環境職」、「農学職」、「農業工学職」、「林学職」などがあります。
国家公務員に比べると、広島県内の地域レベルの課題に取り組み、地域住民に接する機会も多いのが特徴です。一方で、市区町村レベルでは対応が難しい総合的な都市開発計画や、義務教育・社会福祉の維持、条例の策定など、市区町村の枠を超えた大きな仕事に取り組むことができるのが、広島県庁職員の大きな魅力の一つです。
広島県庁は、「ひろしま未来チャレンジビジョン」として@経済成長と人口減少社会の課題解消を目指す「DXの推進」A「ひろしまブランドの強化」と国内外からの共感の獲得B生涯にわたって自己の能力と可能性を最大限高める「人材育成」を掲げ、様々な施策を実行に移しています。広島県庁は、このように県民生活に直接関わる事業も多いため、長期的なプロジェクトに携わることができ、結果を出すことを魅力に感じる人も多く在籍しています。
広島県庁のキャリア
広島県庁では、異なる職場で業務経験をすることで幅広い視野や能力を身につけるため、異動のサイクルは概ね3年から5年です。
業務に専門的な知識・技術が必要な場合は,それぞれの職場で研修が設けられる場合があります。また、業務の引き継ぎは,前任者が後任者のために引継書を作るなどして行われます。場合によっては,その後,前任者と後任者が直接会って,引継書をもとに業務を説明します。また、子育て中の異動に関しては、勤務地や配属先部署等の希望の聞き取りが行われます。可能な限り本人の希望が叶うように、仕事と子育てが両立できる環境づくりなど様々な点で配慮されます。行政職の異動ローテーションは、企業でいうと新たな企業に就職するようなものですが、「県民のため」という行政の一番大切な信念はどこの部局に移動しても変わりはありません。
広島県では職員が働きやすい職場づくりに取り組んでいます。完全週休2日制であり、年間20日間の年次有給休暇があります。職員のチャレンジ精神を尊重し、意欲、能力を直接職務に反映させることにより、職員の士気の高揚と自立的なキャリア形成の支援を図っています。働きやすい環境から、個人のスキルアップのみならず、部局が一緒になって向上していき、「広島県民のため」に何ができるのかを考え職務に従事できる環境が広島県庁には用意されています。
広島県庁の給料・年収
広島県庁職員の初任給(令和5年1月1日現在)については、以下の通りです。
一般行政職区分で大学卒程度: 186,800円となっていますが、条例などの改正により変更されることがあります。なお職務の経歴(資格免許職は、資格免許取得後の職務の経歴)などにより加算される場合があります。状況により扶養手当、通勤手当、住居手当等が支給されます。広島県庁職員の行政職職員の平均年齢43.6歳、平均給与月額379,436円、平均賞与1,700,000円、平均年収6,117,000円、平均退職金(60歳定年)21,650,000円となっています。地方公務員の平均年齢42.1歳、平均給与月額360,949円ということを考えると平均よりやや高めの給与です。
休暇制度のひとつに年次有給休暇があり、年度で最大20日付与され、使用しなかった日数は翌年度に20日を限度として繰り越すことができます。休暇制度を利用しやすい職場環境づくりや、男性の育児休業取得促進を推進しています。定年の段階的引上げに伴い、定年が65歳になるまでの間、引き続き再任用制度が設置されています。このように、広島県庁職員の福利厚生は職員に手厚く支援されています。
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広島県庁の採用試験について
広島県庁採用試験の採用区分と受験資格・年齢制限
試験区分について
大学卒業程度を想定した上級試験では行政(一般方式)の他に、行政(SPI・アピール方式)、小中学校事務、警察行政)、防災、情報、心理、衛生(衛生一般)、衛生(薬学)、農業、林業、畜産一般、水産、工業(化学・物理・ 食品・機械・電気材料工学・鑑識法医)、総合土木、建築の区分があります。
その他に免許資格職試験、初級試験、経験者試験の採用試験があります。
受験資格・年齢制限について
上級試験、行政(一般方式)の受験資格は以下の通りです。
- <2024年度の場合>
- 日本国籍を有する人
- 平成7年4月2日から平成15年4月1日までに生まれた人(学歴不問)
- 平成15年4月2日以降に生まれた人で大学を卒業した人、又は令和7年3月末日までに卒業見込みの人、あるいは人事委員会がこれと同等の資格があると認める
広島県庁採用試験の倍率・難易度・合格者数推移
試験職種 | 採用予定者数 | 申込者数 | 1次試験 受験者数 |
1次試験 合格者数 |
最終合格者数 | 最終合格倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|
行政 (一般事務A) |
79人 | 459人 | 362人 | 253人 | 117人 | 3.1倍 |
行政 (一般事務B) |
21人 | 108人 | 74人 | 50人 | 22人 | 3.4倍 |
広島県庁採用試験の試験内容
試験科目 | 試験時間 | 内容 | 配点 | 第1次試験 | 教養試験 | 110分 |
|
45点 |
---|---|---|---|---|
専門試験 | 120分 |
|
55点 | |
論文試験 | 90分 | 800字程度の記述式による筆記試験 | 20点 | |
第2次試験 | 人物試験 | − | 2段階の個別面接 | 60点 |
広島県庁の採用試験の日程について
第1次試験 | 6月16日(日) |
---|---|
第1次試験合格発表 | 6月28日(金) |
第2次試験【1日目】 | 7月9日(火)〜8月2日(金)のうち指定する日 |
最終合格発表日 | 8月9日(金) |
※1次試験は東京会場でも受験できます。
広島県庁採用試験の試験対策
試験勉強のコツは?
広島県庁の採用試験は、他の公務員試験と併願がしやすい自治体です。
第1次試験の筆記試験では、教養試験(択一式:出題数55題のうち25題(主として知能分野:文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈等)は 必須解答、残りの30題(主として知識分野:社会科学、人文科学、自然科学等)のうち20題を 選択解答、苦手意識が強い数的処理を中心に早い時期から対策を立てる必要があります。また、文章理解(現代文・英文)は平均得点率が高くなるため、安定して得点を得られるようになった時期から、いかに短時間で正解を得られるかを追求する学習に移行する事をおすすめします。
また、専門試験では、法律及び経済分野において、法律や経済分野は理解するのに時間がかかりますが、問題演習を通して理解を定着させる勉強法も大切になります。
第1次試験合格者を対象に実施される第2次試験ですが、面接試験は事前に自分の考えやエピソードをまとめ、実践練習ができる環境を準備しておくことが大切です。友人同士やビデオ撮影等を通して、自分自身がどのように見られているのか、第三者に客観的な評価をしてもらえる環境も必要となりますので、しっかりと対策を立てておきましょう。
試験勉強時間の目安
公務員試験合格に必要とされる試験勉強時間は、今までの学習量に大きく左右されますが、一般的には1,000〜1,200時間必要だとされています。大学3年生の春ごろから勉強をスタートさせる方が多いです。大学生活において、ゼミや部活動、社会活動、アルバイトなど学生ならではの様々な経験を積むことは、面接試験対策やエントリーシート作成時のエピソードに不可欠となります。そのため、大学3年生の秋ごろまでは、学習ペースは週20〜30時間ほどの受験生が一般的です。概ね年明けから、面接試験対策も加わり、学習時間が週40時間を超えるように変化していきます。
ただ、これらの学習スケジュールはあくまでも一般的なものです。公務員試験勉強を開始するまでの今までの学習状況や置かれている学習環境などを踏まえ、勉強スケジュールを個別に調整する必要があります。また、近年、大学3年生の間に留学する学生も増え、十分な学習時間を確保できない事もありえます。そのため、個別に合った勉強カリキュラム及びスケジュールを作成し、必要であれば、大学2年生から勉強を前倒しする必要があります。なにか不明点があれば、一人で悩まずに気軽に相談してきてください。
併願について
広島県庁職員の採用試験は、他の公務員試験や民間企業と併願がしやすい試験となっています。
地方公務員のA日程(6月第3週)で実施されるため、4月実施、及びB日程(7月第2週)の試験を受験できます。また、国家公務員総合職試験、国家公務員一般職試験、及び、裁判所職員や国税専門官、労働基準監督官をはじめとする国家専門職試験も併願が可能になります。C日程(9月第3週)、D日程(10月第3週)とは日程が重複しないため、受験が可能です。地方公務員の中には、A〜D日程以外に独自に日程を設ける自治体もありますので、スケジュールをしっかり調整して、数多くの併願先を検討することが公務員試験合格において大切です。また、民間企業と併願を考えている受験生は、準(みなし)公務員として、国立大学法人など、仕事内容や採用試験において、公務員と概ね同じ内容ですので、併願先として検討するのも良いでしょう。公務員試験合格は、学習面はもちろん、それ以外にも情報戦となりますので、一人で悩まずに、是非一度、気軽に相談しに来てください。
よくある質問 ※2024年度の広島県大卒行政(一般方式)
- Q.広島県の試験科目は?
- A.第1次試験は教養試験、論文試験、専門試験が課されます。第2次試験は口述試験で、人物についての個別面接です。
- Q.広島県の試験日程は?
- A.第1次試験日は6月中旬、第2次試験日は7月上旬から8月上旬までの間で指定する1日、最終合格発表日は8月上旬です。
- Q.広島県の受験資格(年齢)は?
- A.日本国籍を有する人で、平成7年4月2日から平成15年4月1日までに生まれた人、平成15年4月2日以降に生まれた人で大学を卒業した人又は令和7年3月末日までに卒業見込みの人、あるいは人事委員会がこれと同等の資格があると認める人が受験できます。
まとめ
公務員試験は情報戦です。採用スケジュールは年度によって変化しますし、受験案内も丁寧に告示してくれません。受験案内の情報収集が公務員試験の第0次試験と言っても過言ではありません。また、広島県庁職員を第一志望であっても、他の自治体や国家公務員などを併願するのが就職活動においては大切です。採用試験は既に働いている自治体の職員などが一緒に働きたいと思う人を採用します。したがって、筆記試験勉強のみに注力するのではなく、受験生の人柄を存分に発揮できるよう面接試験対策も早い段階から対策を立てていく必要があります。目指す自治体などや、受験生の置かれた環境がそれぞれに異なる事から、合格に効率的な戦略や日々の学習管理など相談してもらえる環境を確保することが大切になります。また、一緒に切磋琢磨できる仲間の存在が学習のモチベーション維持を大きく左右します。