更新日:2024年6月24日
- このページのまとめ
- 岐阜県庁では、岐阜県内の地域レベルの課題に取り組むと同時に、治水ダム等の大規模な開発をしたり、岐阜県内飛騨市が舞台となったアニメ映画「君の名は。」公開後に観光事業にも力を入れたりするなど、多様な業務を担っています。
- 岐阜県庁の行政職職員は、平均給与月額408,311円、平均賞与1,632,100円、平均年収5,958,5431円、平均退職金21,955,000円となっています。地方公務員の平均年齢42.6歳、平均給与月額360,949円と比較しても、平均より高めの給与です。
- 岐阜県庁の採用試験は、出題範囲が広く計画的な対策が必要です。公務員試験の情報収集とスケジュール管理が成功の鍵となります。また、他の自治体や国家公務員試験と併願することも考慮し、幅広い選択肢を検討しましょう。
- 監修者:熊井 遊 LEC専任講師
- 関西LEC各本校および大学の非常勤講師・学内講座を担当。科目対策にとどまらず、公務員試験情報、ES・面接対策など、マンツーマンで徹底的に受講生に寄り添う指導スタイル。
熊井 遊 LEC専任講師
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岐阜県庁で働くって?
岐阜県はこんな自治体
岐阜県は日本のほぼ中央に位置しており、全国第7位の面積の広さを誇る、7つの県に囲まれた数少ない内陸県の一つです。岐阜県の人口は、直近の岐阜県による人口・世帯数月報(令和5年4月現在)では193万3019人(男93万8282人、女99万4737人)で、直近の国勢調査(令和2年10月現在)では日本の総人口の1.6%を占め、全国第17位です。岐阜県は海抜0mの平野から3000メートルを超える飛騨山脈など標高の差が激しいため、岐阜市の平年気温が15.8℃、北部の高山市の平年気温は11.0℃というように、気候も地域によって大きく差があります。岐阜県南西部の平地では、暖かい気候を生かして、稲作が盛んに行われています。また、水産業では、鮎漁を中心にした河川での漁業や、にじます、あまごなどの養殖漁業が中心になっています。一方岐阜県では、古くからものづくりがさかんで、製造業は岐阜県の中心的な産業となっています。
岐阜県庁の仕事内容・魅力
岐阜県庁職員は、さまざまな仕事を総合して行う「一般行政職」、道路や河川を担当する「土木職」、建築物の申請や検査などを行う「建築職」、社会福祉に携わる「福祉職」、他には、警察職の事務的な業務を行う「警察行政職」、「機械・電気職」、「環境職」、「農学職」、「農業工学職」、「林学職」などがあります。
国家公務員に比べると、岐阜県内の地域レベルの課題に取り組み、地域住民に接する機会も多いのが特徴です。一方で、市区町村レベルでは対応が難しい総合的な都市開発計画や、義務教育・社会福祉の維持、条例の策定など、市区町村の枠を超えた大きな仕事に取り組むことができるのが、岐阜県庁職員の大きな魅力の一つです。
例えば、岐阜県内(飛騨市)がモデル地域となったアニメ映画「君の名は。」では、映画公開後の観光事業に県内各自治体や民間企業等とともに県庁も携わることで、観光業の振興に力を入れていました。岐阜県庁の業務は治水ダムなどの大規模開発から身近な観光事業まで業務が多岐にわたっており、事業規模の大きさに関わらず、長期的なプロジェクトに関わることも多く、結果を出すことに魅力を感じる職員も数多く在籍しています。
岐阜県庁のキャリア
岐阜県庁では、採用後の一定期間、質の異なった職務をいくつか経験しながら職員の能力・適性を発見するとともに、その後、専門的な能力を伸ばし活用することができる職務の経験を通じて、職員の育成と組織の効率的な運営を目指そうとする、「ジョブ(異動)ローテーション」を実施します。岐阜県庁では職種によっても異なりますが、3年サイクルで異動するのが一般的です。
岐阜県外の配属先として東京事務所があります。また、海外の配属先として岐阜県上海事務所(中国)があります。行政職の異動ローテーションは、企業でいうと新たな企業に就職するようなものですが、「県民のため」という行政の一番大切な信念はどこの部局に移動しても変わりはありません。異動により職場環境に変化が起こり、新たな気づきや発見を通してさらに県庁の仕事にやりがいを感じることができます。職員のチャレンジ精神を尊重し、意欲、能力を直接職務に反映させることにより、職員の士気の高揚と自立的なキャリア形成の支援を図っています。働きやすい環境から、個人のスキルアップのみならず部局が一緒になって向上していき、「岐阜県民のため」に何ができるのかを考え、職務に従事できる環境が岐阜県庁には用意されています。
岐阜県庁の給料・年収
一般行政職区分で大学卒程度: 192,300円となっていますが、条例などの改正により変更されることがあります。なお職務の経歴(資格免許職は、資格免許取得後の職務の経歴)などにより加算される場合があります。状況により扶養手当、通勤手当、住居手当等が支給されます。岐阜県庁職員の行政職職員の平均年齢42.1歳、平均給与月額408,311円、平均賞与1,632,100円、平均年収5,958,5431円、平均退職金(60歳定年)21,955,000円となっています。地方公務員の平均年齢42.6歳、平均給与月額360,949円ということを考えると平均より高めの給与です。
休暇制度の一つに年次有給休暇があり、年度で最大20日付与され、使用しなかった日数は翌年度に20日を限度として繰り越すことができます。また、岐阜県庁は休暇制度を利用しやすい職場環境づくりや男性の育児休業取得促進を推進しています。あわせて、定年の段階的引上げに伴い、定年が65歳になるまでの間、引き続き再任用制度が設置されています。このように、岐阜県庁職員の福利厚生は職員に手厚く支援されています。
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岐阜県庁の採用試験について
岐阜県庁採用試験の採用区分と受験資格・年齢制限
試験区分について
大学卒業程度を想定した上級試験では一般行政Tの他に、農学T、畜産T、森林科学T、土木T、農業土木T、水産T、福祉T、心理T、建築T、電気T、機械T、化学T、警察行政の区分があります。
その他に資格免許職試験、初級試験、経験者試験の採用試験があります。
受験資格・年齢制限について
上級試験、一般行政の受験資格は以下の通りです。
- <2024年度の場合>
- ・日本国籍を有する人
- ・平成7年4月2日から平成15年4月1日までに生まれた人
- ・平成15年4月2日以降に生まれた人で、大学を卒業または令和7年3月31日までに卒業見込みの人、または人事委員会がこれらと同等の資格があると認める人
岐阜県庁採用試験の倍率・難易度・合格者数推移
試験職種 | 採用予定者数 | 申込者数 | 1次試験 受験者数 |
1次試験 合格者数 |
最終合格者数 | 最終合格倍率 | 一般行政 | 45人 | 441人 | 226人 | 143人 | 71人 | 3.2倍 |
---|
岐阜県庁採用試験の試験内容
試験科目 | 試験時間 | 内容 | 配点 | 第1次試験 | 教養試験 | 150分 |
|
100点 |
---|---|---|---|---|
専門試験 | 120分 |
|
200点 | |
論文試験 | 60分 | 識見、論理性、思考力等についての筆記試験(※論文試験は、第2次試験として評価します) | 100点 | |
第2次試験 | 人物試験 | − | 口述試験(人物及び専門的知識についての個別面接) | 500点 |
− | 集団討論試験(社会性、協調性、指導力、説得力等をみる集団討論) | 100点 | ||
− | 適性検査 | − |
第1次試験は教養試験(択一式:題数50題 時間150分)、専門試験(択一式:時間120分)、論文試験(第2次試験として評価)があります。第2次試験は口述試験、集団討論試験、適性試験となっています。最新の情報は岐阜県庁HPなどで確認しておきましょう。
岐阜県庁の採用試験の日程について
第1次試験 | 6月16日(日) |
---|---|
第1次試験合格発表 | 6月25日(水) |
第2次試験(連続する2日間を指定) | 7月上旬から7月下旬(予定)の間の指定する日 |
最終合格発表 | 8月上旬 |
岐阜県庁採用試験の試験対策
試験勉強のコツは?
岐阜県庁の採用試験は、他の公務員試験と併願がしやすい自治体です。
第1次試験の筆記試験では、苦手意識が強い数的推理を中心に早い時期から対策を立てる必要があります。また、文章理解(現代文・英文)は平均得点率が高くなるため、安定して得点を得られるようになった時期から、いかに短時間で正解を得られるかを追求する学習に移行する事をおすすめします。また、専門試験の法律及び経済分野は、理解するのに時間がかかりますが、問題演習を通して理解を定着させる勉強法も大切となってきます。
第1次試験合格者を対象に実施される第2次試験ですが、面接試験は事前に自分の考えやエピソードをまとめ、実践練習ができる環境を準備しておくことが大切です。自分自身がどのように見られているのか、第三者に客観的な評価をしてもらえる環境も必要となりますので、しっかりと対策を立てておきましょう。
試験勉強時間の目安
公務員試験合格に必要とされる試験勉強時間は、今までの学習量に大きく左右されますが、一般的には1,000〜1,200時間必要だとされています。
大学3年生の春ごろから勉強をスタートさせる方が多いです。大学生活において、ゼミや部活動、社会活動、アルバイトなど学生ならではの様々な経験を積むことは、面接試験対策やエントリーシート作成時のエピソードに不可欠となります。そのため、大学3年生の秋ごろまでは、学習ペースは週20〜30時間ほどの受験生が一般的です。概ね年明けから、面接試験対策も加わり、学習時間が週40時間を超えるように推移していきます。
ただ、これらの学習スケジュールはあくまでも一般的なものです。公務員試験勉強を開始するまでの今までの学習状況や置かれている学習環境などを踏まえ、勉強スケジュールを個別に調整する必要があります。また、近年、大学3年生の間に留学する学生も増え、十分な学習時間を確保できない事もありえます。そのため、一人ひとりに合った勉強カリキュラム及びスケジュールを作成し、必要であれば大学2年生から勉強を前倒しする必要があります。なにか不明点があれば、一人で悩まずに気軽に相談してきてください。
併願について
岐阜県庁職員の採用試験は、他の公務員試験や民間企業と併願がしやすい試験となっています。地方公務員のA日程で実施されるため、4月実施、及び、岐阜県内の他の市町村の試験に多い、B日程の試験を受験できます。
また、国家公務員総合職試験、国家公務員一般職試験、及び、裁判所職員や国税専門官、労働基準監督官をはじめとする国家専門職試験も併願が可能になります。C日程、D日程とは日程が重複しないため、受験が可能です。
地方公務員の中には、A〜D日程以外に独自に日程を設ける自治体もありますので、スケジュールをしっかり調整して、数多くの併願先を検討することが公務員試験合格において大切です。また、民間企業と併願を考えている受験生は、仕事内容や採用試験において公務員と概ね同じ内容の準(みなし)公務員として、国立大学法人などを併願先として検討するのも良いでしょう。公務員試験合格は、学習面はもちろん、それ以外にも情報戦となりますので、是非一度、気軽に相談しに来てください。
よくある質問 ※2024年度の岐阜県職員行政T(大学卒程度)
- Q.岐阜県の試験科目は?
- A.第1次試験は教養試験、専門試験が課されます。第2次試験は筆記試験で論文試験(1次試験時に実施し、第2次試験として評価します)と適性検査、口述試験で人物についての個別面接と集団討論が課されます。
- Q.岐阜県の試験日程は?
- A.第1次試験と第2次試験の論文試験は6月中旬、適性検査と口述試験は7月上旬から7月下旬の間で指定する連続2日間、最終合格日は8月上旬です。
- Q.岐阜県の受験資格(年齢)は?
- A.日本国籍を有する人で、平成7年4月2日から平成15年4月1日までに生まれた人、平成15年4月2日以降に生まれた人で大学を卒業または令和7年3月31日までに卒業見込みの人、または人事委員会がこれらと同等の資格があると認める人が受験できます。
まとめ
公務員試験は情報戦です。採用スケジュールは年度によって変化しますし、受験案内も丁寧に告示してくれません。受験案内の情報収集が公務員試験の第0次試験と言っても過言ではありません。また、岐阜県庁職員が第一志望であっても、他の自治体や国家公務員などを併願するのが就職活動においては大切です。岐阜県内の他の自治体などの試験科目や日程等を検討し上手にスケジュールを立てましょう。採用試験は既に働いている自治体の職員が一緒に働きたいと思う人を採用します。したがって、筆記試験勉強のみに注力するのではなく、受験生の人柄を存分に発揮できるよう、面接試験対策も早い段階から対策を立てていく必要があります。目指す自治体などや、受験生の置かれた環境がそれぞれに異なる事から、合格に効率的な戦略や日々の学習管理など相談してもらえる環境を確保することが大切になります。また、一緒に切磋琢磨できる仲間の存在が学習のモチベーション維持を大きく左右します。