更新日:2024年11月18日
- このページのまとめ
- 名古屋市役所での仕事は、住民サービスや福祉、税務、文化振興、産業支援など、幅広い領域にわたります。また、地域の課題に取り組む機会が多く、地域住民に貢献できるのが魅力です。仕事の多様性と地域への貢献が魅力です。
- 初任給は大学卒業の場合、196,300円です。月給に加えて期末・勤勉手当(ボーナス)が支給され、手当も充実しています。
- 名古屋市(行政)の採用試験は教養試験、専門試験、論文試験、人物試験などから構成されています。また、専門試験を課さない教養型や、プレゼンテーション型といった複数の試験区分から選択することが可能です。他の自治体や国家公務員試験も考慮し、幅広い選択肢を検討しましょう。
- 監修者:LEC実力派の講師陣
- LECは公務員試験の指導実績30年以上!
公務員試験を知りつくしたプロ!LEC講師陣が全国で公務員を目指す受験生のために丁寧に指導。
経験豊富な受験指導のプロが受験生の疑問や悩み・不安を解消し、最終合格・内定まで、完全サポートしていきます。
合格に導く実力の講師陣
- \まずはここからスタート!/
- 資料を請求する
名古屋市役所で働くって?
名古屋市はこんな自治体
名古屋市は、日本のほぼ中央に位置し、人口も230万人を超える中部地域の政治・経済・文化の中心となっている中核都市です。人口規模で言えば、横浜市、大阪市に次いで全国で3番目ですから、非常に大きな自治体ですね。愛知県全体の人口がおおよそ746万人ですから、県全体の3割の方々が名古屋市に居住していることになります。歴史的にも織田信長や豊臣秀吉、徳川家康といった三英傑ゆかりの地であり、一方、近年ではコスプレホストタウン宣言を行うなど、伝統・歴史とともに新しい文化の発信といった面も併せ持つ自治体です。そのような大都市でありながら、名古屋市にはラムサール条約に登録された藤前干潟があり、鳥類のほか、その餌となる貝やかになど、多くの生き物が生息しており、世界各地から渡り鳥が飛来しています。そうした魅力を背景に、名古屋市では「行きたい!住みたい!誇りたい!まち、ナゴヤ」を掲げ、01にぎわいナゴヤ、02あんしんナゴヤ、03やすらぎナゴヤ、04いきいきナゴヤの4つの柱を中心に行政が展開されていますが、今後はリニア中央新幹線によって東京と40分でつながることが予定されており、東京と大阪が1時間で結ばれ、活発な人の流れが想定されるなか、その中心として大きく発展することが期待されています。
名古屋市役所の仕事内容・魅力
名古屋市は政令指定都市なので、住民の生活に密着した戸籍や住民登録、税務や福祉といった仕事や、文化・観光振興や国際交流、産業振興などの市政運営に携わる仕事といった一般的な自治体の仕事はもちろん、都道府県に設置義務のある児童相談所での勤務や、都道府県が行うべきとされている産業廃棄物の適正処理のための業務なども仕事になっています。それぞれの部署では、事務を担う行政区分のほか、心理・福祉区分や技術区分などの方がそれぞれ専門性を発揮しながら働いています。なお、行政区分で採用された場合でも、生活保護のケースワーカーや社会福祉施設等における相談指導の仕事に従事することもあります。名古屋市ですでに働かれている先輩は、こうした仕事の多様性を魅力の一つに挙げています。また、名古屋市は政令指定都市なので、市内はいくつかの区に分かれていますが、区役所の区政部地域力推進室で働かれている先輩は、地域団体と行政が一丸となって開催する区民まつりなどのイベントを主に担当されているそうです。イベントが安全かつ確実にできるように予算編成をしたり、業者や出展団体と調整を行っているということですが、魅力的な仕事ですね。名古屋市の先輩方の声を拝見すると、どのような職場であっても、人と関わる仕事が多く、意見調整などは重要な役割になることがわかります。
名古屋市役所のキャリア
名古屋市では、「職員採用ナビ」で配属や昇進について、以下のように説明しています。
名古屋市役所の「事務」で採用された方の多くは、当初、市政の基本と地域の実情を広く知るため、区役所等の地域に密着した職場に配属されます。「技術」で採用された方は、それぞれの専門知識・技術に関連した職場に配属されます。その後、3年から7年をめどに本人の希望、適性などを考慮、異動が行われます。担当者として様々な仕事を経験した後、係長試験を経てより大きな仕事にチャレンジできます。「事務」・「技術」では、この試験は、原則として、第1類採用試験合格者(大学卒業程度)で採用後6年目に、第2類採用試験合格者(高校卒業程度)で採用後10年目に受験することができます。
人材育成のための研修も充実していますが、新規採用職員研修として1年目に実施される研修の中には、民間の福祉施設での実習を通じ、人権を尊重する感覚などを身に付けるものもあります。
名古屋市役所の給料・年収
2024年(令和6年)4月1日現在の一般行政職における状況は以下の通りです。
初任給(大学卒) | 196,300円 |
---|---|
平均年齢 | 41.5歳 |
平均給料月額 | 319,400円 |
平均給与月額 | 457,039円 |
【参考:愛知県】平均給料月額 | 320,829円 |
- \まずはここからスタート!/
- 資料を請求する
名古屋市役所の採用試験について
名古屋市役所採用試験の採用区分と受験資格・年齢制限
試験区分について
第1類(大卒程度)試験の場合、1次試験の択一試験が教養・専門試験が課される「行政」区分の他、教養試験のみの「行政(教養型)」、特別な公務員試験対策が不要な「行政(プレゼンテーション型)」があります。これらの試験区分は採用後の仕事内容に差はありません。
その他には「社会福祉」や「土木」「建築」「機械」「電気」「応用科学」「造園」といった技術系の区分や、学校事務、消防、さらに、獣医や保育士、管理栄養、衛生といった免許資格区分の採用があります。免許資格の場合、公衆衛生や子育て支援、住民の健康増進といった、地域全体にかかわる仕事ができることが魅力ですね。また、最近では「情報」と「心理」区分が創設されました。行政のデジタル化を推進し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が自治体の急務となっていますが、そのための「情報」区分の新設でしょう。また、近年、大きな問題となっている児童虐待への対応策として、福祉職以外に心理職としての専門的な知見が必要となっていることが、「心理区分」の新設の背景にあるように思います。
受験資格・年齢制限について
大卒程度試験(行政)の受験資格は以下の通りです。
- <2024年度の場合>
- 平成6(1994)年4月2日から平成15(2003)年4月1日までに生まれた人
- 平成15(2003)年4月2日以降に生まれた人で、大学を卒業した人(令和7(2025)年3月31日までに卒業する見込みの人を含む。)またはこれと同等の資格があると名古屋市人事委員会が認める人
名古屋市役所採用試験の倍率・難易度・合格者数推移
受験区分 | 申込者 | 受験者 | 第1次試験 合格者 |
第1次試験 倍率 |
個別面接2対象者数 | 最終合格者 | 最終合格率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
行政 | 1735人 | 1473人 | 562人 | 2.6倍 | 340人 | 146人 | 10.1倍 |
行政(教養型) | 1121人 | 899人 | 413人 | 2.2倍 | 242人 | 98人 | 9.2倍 |
行政(プレゼンテーション型) | 257人 | 203人 | 153人 | 1.3倍 | 94人 | 33人 | 6.2倍 |
2023年には行政(教養のみ、プレゼンテーション型含む)で約280名程度の採用となりましたが、2017年の採用予定人数は行政A区分で50名以下と半分以下でした。また、2022年の最終倍率は行政A(行政一般)では4.8倍でしたが、2017年には12.1倍と大きな差があります。採用予定人数はどこの自治体でも、年度によってかなり異なることがあるので、注意が必要です。
名古屋市役所採用試験の試験内容
試験科目 | 試験時間 | 内容 | 配点 | |
---|---|---|---|---|
第1次試験 | 教養試験 | 120分 | 公務員として必要な一般的な知識及び知能を見る試験(択一式) 知識分野【20問必須回答】(人文科学、自然科学、社会科学《時事問題を含む》) 知能分野【20問必須回答】(文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈) |
400点 |
専門試験 | 120分 | 専門的な知識を見る試験(択一式) 【40問必須回答】 憲法、行政法、民法、経済学、財政学、社会政策、政治学、行政学、国際関係 |
800点 | |
第2次試験 | 個別面接① | - | 個別面接 | 360点 |
個別面接② | - | 個別面接 ※個別面接②対象者は、第1次試験及び個別面接①の得点を合計して決定します。 |
840点 | |
論文試験 | 60分 | 与えられた課題についての記述式試験《4月21日(日)実施》 ※個別面接②対象者のみ採点の対象とします。 |
600点 |
試験科目 | 試験時間 | 内容 | 配点 | |
---|---|---|---|---|
第1次試験 | 教養試験 | 120分 | 公務員として必要な一般的な知識及び知能を見る試験(択一式) 知識分野【20問必須回答】(人文科学、自然科学、社会科学《時事問題を含む》) 知能分野【20問必須回答】(文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈) |
600点 |
第2次試験 | 個別面接① | - | 個別面接 | 600点 |
個別面接② | - | 個別面接 ※個別面接②対象者は、第1次試験及び個別面接①の得点を合計して決定します。 |
1,200点 | |
論文試験 | 60分 | 与えられた課題についての記述式試験《4月21日(日)実施》 ※個別面接②対象者のみ採点の対象とします。 |
600点 |
試験科目 | 試験時間 | 内容 | 配点 | |
---|---|---|---|---|
第1次試験 | 職務能力試験 | 60分 | 公務員として必要な基礎的な能力をみる試験(択一式) 【60問必須回答】 (論理的に思考する力、文章を正確に理解する力、統計等の資料を分析する力、国内外の社会情勢への理解) |
(注1) |
第2次試験 | 個別面接① | - | プレゼンテーション資料(注2)に基づいた発表及びその内容をふまえた個別面接 | 1,200点 |
個別面接② | - | プレゼンテーション資料(注2)に基づいた発表及びその内容をふまえた個別面接 ※個別面接②対象者は、個別面接①の得点のみで決定します。 |
1,800点 |
- (注1) 職務能力試験は、職務遂行に必要な基礎的な能力を判定するものです。
- (注2) プレゼンテーション資料の作成は、《 4月21日(日)に実施 》します。
全体の流れとして、第1次試験は筆記試験が、第2次試験で面接と論文が評価対象となっていますが、論文については、第1次試験の際に課せられます。また個別面接が2回あります。
名古屋市役所の採用試験の日程について
第1次試験 | 4月21日(日) |
---|---|
第1次試験合格発表 | 5月9日(木) |
第2次試験 | 個別面接①:5月25日(土)〜6月5日(水)のうち1日 個別面接②の対象者発表:6月12日(水) 個別面接②:6月22日(土)〜7月4日(木)のうち1日 |
最終合格発表 | 7月19日(金) |
第1次試験 | 4月21日(日) |
---|---|
第1次試験合格発表 | 5月9日(木) |
第2次試験 | 個別面接①:5月25日(土)〜5月29日(水)のうち1日 個別面接②の対象者発表:6月5日(水) 個別面接②:6月13日(木)〜6月15日(土)のうち1日 |
最終合格発表 | 6月26日(水) |
名古屋市役所採用試験の試験対策
試験勉強のコツは?
公務員試験は筆記試験の科目がとても多いです。このことが、みなさんにとって公務員試験は難しいと感じる理由ではないでしょうか?しかし、公務員試験に出題される科目をすべてマスターする必要はありません。
名古屋市(行政、行政(教養型))の筆記試験は全問必須回答になっていますが、1次突破に必要な点数は一般的に6割と言われています。したがって、試験科目の中では、出題数が多く、他の試験とも併願がしやすい、メイン科目を中心に勉強をしていきましょう。今までの先輩方も、メイン科目を中心とする勉強で合格されています。行政の場合は、教養試験では数的処理と社会科学(時事等)、専門試験では憲法、民法、行政法、経済学(ミクロ・マクロ)と政治学、財政学、経済事情になります。
行政(教養型)の方は、数的処理と社会科学のほかにも、暗記系の科目を広くやっていくとよいでしょう。ただ、メイン科目以外は、出題数がそれほど多くはありませんから、日本史や世界史でしたら戦後、地理でしたら地形や気候など、頻出部分を中心に、広く浅く、バームクーヘンのように、層を積み上げるイメージでやっていくとよいです。
試験勉強時間の目安
「公務員試験の勉強はいつから始めたらよいですか?」「今から勉強しても間に合いますか?」
よくいただく質問です。
その答えは、今までみなさんが、どのくらい何を勉強してきたのかによって変わってきますが、一般的には、教養試験と専門試験が両方課せられる行政職の場合(教養科目と専門科目を両方勉強する場合)、1000時間は最低でも必要であると言われています。受験したところにすべて合格しました!という方の場合、1500時間から1800時間くらい勉強されている方もいます。教養試験だけの場合には、数的処理の得手不得手にもよりますが、400時間くらいでしょうか。なお、社会福祉や心理、技術系の方は、専門科目を大学でほぼ勉強されているので、400時間+αでしょう。したがって、いつから勉強を始めるにしても、合格に必要な時間は決まっているので、遅く始めれば、それだけ1日の勉強時間が増えますし、早くから始めれば、1日の勉強時間はそれほどではないということになります。
併願について
公務員試験の場合、第1次試験の日程が異なれば併願が可能です。近年は国家公務員などよりも、自治体志望者が多くなっていますが、みなさんはどうでしょうか?専門科目を勉強して行政の受験を考えている方は、国家総合職や裁判所事務官、国税専門官か財務専門官、国家一般職などと併願することが一般的です。また、愛知県の第1次試験は5月中旬に実施されるため、併願も可能です。その他愛知県内の市役所等も受験することが可能です。
近年はSPIなどを導入している市役所が増えているため、第1次試験の日程が分散しています。分散していることで併願先をたくさん増やすことができますが、注意しなければならないのは、自治体によっては2次や3次の試験を、名古屋市の1次試験や2次試験の日程と同じような日に設定しているところがあります。
例年、運がよければ、試験日程が重複することなく、すべてを受験できた、という方もいますが、場合によっては併願先の日程が重複して、どちらかを選択せざるを得なかった方もいます。併願先を決める際には、1次試験の日程はもちろんですが、その後の日程なども確認しましょう。
よくある質問 ※2024年度の名古屋市行政
- Q.名古屋市(行政)の試験科目は?
- A.第1次試験は教養試験と専門試験が、第2次試験は2回の個別面接と論文試験が行われます。(※論文試験は第1次試験日に実施します。)
- Q.名古屋市の試験日程は?
- A.第1次試験と第2次試験の論文は4月下旬、1回目の個別面接は5月下旬から6月上旬、2回目の個別面接は6月下旬から7月上旬に、合格発表は7月中旬です。
- Q.名古屋市の受験資格(年齢)は?
- A.平成6(1994)年4月2日から平成15(2003)年4月1日までに生まれた人、平成15(2003)年4月2日以降に生まれた人で大学を卒業した人(令和7(2025)年3月31日までに卒業する見込みの人を含む。)またはこれと同等の資格があると人事委員会が認める人が受験できます。
まとめ
就職活動において、みなさんが重視することは何ですか?仕事のやりがいはもちろんでしょう。また、仕事に見合った待遇やワークライフバランスの実現も大切ですよね。私自身は、上記に加えて、就職活動において、努力が実になるということも大事なのではないかと考えています。それは筆記試験でしっかりと結果を出せば、誰でも面接に進むことができるということです。筆記試験があることが大きな壁のように思う方もいるかもしれませんが、公務員試験の勉強は、かけた時間に比例してできるようになります。そうすると、コツコツとしっかり努力をすることができれば、結果がついてくるということです。名古屋市の場合は、行政、行政(教養型)、行政(プレゼンテーション型)という違いがありますが、特に行政の場合は、専門科目をしっかりやっていくことで、他の公務員とも併願が可能になりますし、政令指定都市ゆえに仕事内容も充実している上、採用人数も多く、おすすめです。