更新日:2024年8月9日
- このページのまとめ
- 立川市役所では、他の市役所と同様に住民の方々と近いところで行政サービスが提供できます。また、若手が意見を出しやすい環境があることや、東京西部全体への影響力がある点も立川市で働くことの魅力だといえます。
- 立川市役所の一般行政職職員の平均給料月額は319,681円で、これに各種手当を含めた平均給与月額は426,556円になっています。また、一般行政職の大卒の初任給は187,900円となっています。
- 立川市役所の採用試験では、8月のテストセンターでの筆記試験から11月の第4次試験と発表まで、何度も面接を繰り返すのが特徴です。また、一次試験では「公務員試験対策は不要」とされていますが、約2倍の倍率があり、相応の準備が必要です。
- 監修者:森葉子LEC専任講師
- LEC講師歴15年以上。
世界史を主に担当し論文・面接など公務員試験対策全般を指導している。
森葉子LEC専任講師
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立川市役所で働くって?
立川市はこんな自治体
年配の方々にとっては、旧い立川市が基地の町であったという記憶が残っていると思います。かつては、現在のJR立川駅の北側には立川飛行場という米軍基地があり、公務員試験対策で学習する砂川事件などが起こっています。その後、基地の返還が進むと、昭和記念公園などが整備され、現在ではバスケットボールで有名になった「立飛駅」もこの飛行場跡から駅名をとっています。錦町や富士見町は古くから住宅街が広がっています。平成に入ってから駅周辺の再開発が行われ、モノレールが開通したこともあり、現在の華やかな立川市が誕生します。モノレールの沿線には柴崎体育館や泉体育館など、大きな市民体育館があり、近隣市を含めたスポーツ大会の会場になっています。また、知る人ぞ知るスポットとして湧水が見みられる(かつては武蔵野の各地で見られました)貴重な矢川緑地があります。東京の西部の交通・経済の要衝であり、また、スポーツをするにも、自然と触れ合うにも環境が整っているバランスのよいまちです。
立川市役所の仕事内容・魅力
市役所職員として働くことの一番の魅力は、住民の方々と近いところで行政サービスが提供できるという点でしょう。それは立川市も同様です。立川市では公務員志望の方に仕事の魅力を伝えるために動画を配信していますが、そこでは若手職員の方が、先輩から自主勉強会に誘われたことや、若手が意見を出しやすい空気があること、また、入庁前には、決まった仕事をコツコツとやっていくイメージがあったが、実際には自ら企画をしたり、新しいものをつくっていくこともあるとおっしゃっていました。若手が意見を出しやすい空気っていいですよね?また職員の方々の関係も非常に温かい感じを受けました。働いていく上で、職場の雰囲気や人間関係ってとても大事ですよね?みなさんもぜひ動画を見て感じてください。
また、立川市はこれからのまちづくりを考えた際に、ハード面で様々な資源を有しており、大きな可能性を秘めていると思います。住民の方々のために、どのような立川をつくっていくのか、ということはもちろん一番大事ですが、立川市は立川市だけにとどまらない、東京西部全体への影響力がある点も立川市で働くことの魅力だと思います。
立川市役所のキャリア
立川市の職員階級は一般的な自治体と同様に1級(主事)から2級(主任)、3級(係長)、4級(課長)、5級(部長)となっています。公表されている令和4年4月1日の状況ですと、一般行政職で部長クラスまで昇進している方は、全体の2.2%、課長以上の管理職全体ですと10.8%となっています。
立川市では人材育成実施計画を令和2年に作成していますが、他の自治体と違うな、と感じるのは、職員力の向上とともに職場力の強化を挙げていて、「職員が関わり合い創意工夫を尊重する組織づくり」を掲げ、職場におけるコミュニケーションをたいへん重視していることがうかがえる点です。こうしたことが、先の先輩の動画からも伝わってきます。職員アンケートでも、職場で信頼されていることがモチベーションややる気につながっているという結果もでているようです。個々の能力に依存することなく、組織で育てる、組織力を高める、ということが明確で、とても良い職場ではないでしょうか。また、専門性を考慮した人材配置の推進と、多様な経験機会の創出を挙げており、ぞれぞれの適正に合わせてキャリアプランを構築できそうです。
立川市役所の給料・年収
2022年(令和4年)4月1日現在の一般行政職における状況は以下の通りです。
初任給(大学卒) | 187,900円 |
---|---|
平均年齢 | 43.3歳 |
平均給料月額 | 319,681円 |
平均給与月額 | 426,556円 |
【参考:東京都】平均給料月額 | 316,417円 |
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立川市役所の採用試験について
立川市役所採用試験の採用区分と受験資格・年齢制限
試験区分について
立川市では一般事務の他に一般事務(社会福祉)、一般事務(経験者)、一般事務(障害者)や技術職(建築技術、土木技術、電気技術)、保健師、保育士などの募集もしています。
受験資格・年齢制限について
一般事務の受験資格は以下の通りです。
- <2024年度の場合>
- 平成10年4月2日から平成15年4月1日までに生まれた人(学歴は問いません)
(学歴は問いません)
立川市役所採用試験の倍率・難易度・合格者数推移
職種 | 申込者数 | 1次試験 受験者数 |
1次試験 合格者数 |
2次試験 合格者数 |
3次試験 合格者数 |
最終 合格者数 |
---|---|---|---|---|---|---|
一般事務 | 463人 | 311人 | 162人 | 35人 | 18人 | 16人 |
東京都下の自治体の中で人気が高い自治体ですので、倍率が約20倍弱(一次受験者数÷最終合格者)と、たいへん高いです。
立川市役所の採用試験の試験内容
試験科目 | 試験時間 | 試験内容 | |
---|---|---|---|
第1次試験 (全国にあるテストセンターから受験) |
基礎能力試験 | 45分 | 文章読解能力、数的能力、推理判断能力 ※公務員試験対策不要 |
事務能力試験 | 50分程度 | ||
第2次試験 | 集団面接 | ― | |
集団ワーク | ― | ||
第3次試験 | 個別面接 | ― | |
第4次試験 | 集団面接 | ― |
筆記試験は公務員対策不要とうたわれていますが、相応の準備は当然、必要になります。
立川市役所の採用試験の日程について
第1次試験 | 8月10日(日)から25日(日)までのうちで 受験者が希望する1日 |
---|---|
第1次試験合格発表 | 9月3日(火) |
第2次試験 | 9月17日(火)から20日(金)までのうちで 市が指定する1日 |
第2次試験合格発表 | 10月上旬 |
第3次試験 | 10月16日(水)から23日(水)までで 市が指定する1日(土日を除く) |
第2次試験合格発表 | 10月下旬 |
第4次試験 | 11月10日(日) |
最終合格発表 | 11月下旬 |
8月にテストセンターで筆記試験を受けてから、11月に第4次試験と発表まで、長期間にわたり、何度も面接を繰り返すのが特徴です。
立川市役所採用試験の試験対策
試験勉強のコツは?
職員採用試験案内では、「基礎的な能力を測る試験のため、公務員試験対策は不要です」とうたっていますが、約2倍の倍率がありますから、相応の準備が必要です。職員採用試験案内で公表されている「基礎能力試験」と「事務能力試験」の名称と時間から、SCOAの一種ではないかという推測ができますので、文章読解能力と数的能力、推理判断能力についてトレーニングが必要です。こうした力は一朝一夕には身に付きませんから、一般的な公務員試験よりも長期的な視点で基礎能力をアップさせることを意識しましょう。文章読解能力は背景知識があればスピードと正確性が上がりますから、大学での専門にとらわれずに、哲学や心理、自然環境、日本文化に関する評論、現在の日本社会、グローバリズムの進展にともなう弊害など、多くの分野の書籍を読むとよいです。もちろん、一般的な公務員試験の過去問に取り組むのも有効です。数的能力や推理判断能力は、一般的な公務員試験の数的処理よりは簡単なものが多いですが、しかし!かなりのスピードが要求されるので、コツコツと練習を積み重ねて、慣れていくことが大切になります。
試験勉強時間の目安
一般的な公務員試験の場合、教養と専門試験の双方で合格点をとるには少なくとも1000時間以上が必要であると言われています。では、昨今の公務員試験対策は不要です、とうたっている自治体の試験を突破するためには、勉強時間が0でも大丈夫なのでしょうか?答えは否です。
基礎的な能力を測るということは、これまでの学習によって積み上げられてきた能力が問われているわけですから、自信のない分野があるならば、しっかりそこを克服して合格ラインまでもっていくことが必要です。
ただ、一般的な公務員試験とは違って、何時間ということが明確には申し上げにくいですが、少なくとも、立川市の受験を決めてから、筆記対策として300時間くらいは確保したいですね。特に数的能力、推理判断能力が苦手な方は、かなり勉強時間が必要になるので場合によっては500時間くらい必要になるかもしれません。一方、文章読解や数的能力がある方にとっては、文字通り、改めて勉強時間をとる必要がない方もいるでしょう。そうした方にとっては本当にチャンスですね。
併願について
パターン1
一般的な公務員試験対策をしなくても立川市は受験できるので、併願ということを考えると、立川市と同じように公務員試験対策が不要であるような自治体や民間企業を併願するという選択肢が一つあります。近年、東京都下の自治体はほとんどのところで専門試験がなく、かつ、立川市と同じように従来型の公務員試験とは異なる筆記試験をするところが増えているので試験日程の異なる市役所を併願することができます。また、民間企業と同じような基礎能力試験が導入されていることから、立川市の試験の前に民間企業を併願していくのもよいと思います。昨年度までの実績がLECの「市役所採用情報」にまとめてありますので、どの自治体でどのような試験をしているのかを確認してみてください。
パターン2
もう一つの併願としては、一般的な公務員試験の勉強をしつつ、立川市を受験するという方法です。立川市が人材育成計画の中で、「適性試験や多角的な視点による面接の導入により、公務適性とストレス耐性、能力、意欲ある人材を確保してきた」とあります。ここでいう公務員としての適性はもって生まれたものというよりも、仕事研究などを通じて得られる部分も多いので、他の公務員を併願していくことはメリットも大きいです。
よくある質問 ※2024年度の立川市 一般事務
- Q.立川市の試験科目は?
- A.第1次試験は基礎能力試験と事務能力試験(テストセンター)が課されます。第2次試験は集団面接・集団ワーク、第3次試験は個別面接、第4次試験は集団面接です。
- Q.立川市の試験日程は?
- A.第1次試験日は8月中旬から8月下旬の間で受験者が希望する1日、第2次試験日は9月中旬で市が指定する1日、第3次試験日は10月中旬から下旬で市が指定する1日、第4次試験日は11月上旬、最終合格発表日は11月下旬です。
- Q.立川市の受験資格(年齢)は?
- A.平成10年4月2日から平成15年4月1日までに生まれた人が受験できます。
まとめ
東京都下の自治体の中では人気の高い立川市の職員となるには、多くの関門を通過しなくてはなりません。筆記試験については、公務員試験対策は不要であるとうたわれていますが、その分、みなさんがこれまで積み上げてきた知識・技能・経験が、素のまんま問われているということです。一般企業さんの面接は、今までみなさんが積み上げてきたものと、企業さんが求めているもののマッチングであり、みなさんの経験がどこかの企業で活かせるという側面があるかと思います。これに対して、公務員の面接は公務員として働いていく上で必要な能力があるかないかを見極めるというゴールが明確にあり、それに即した経験を積むことが大切になります。立川市職員になりたい!と思ったら、公務員試験の情報を集めることが大事です。特に公務員の面接で大切なことをよく理解して、学生生活や社会人生活の中で経験を積み重ねるとともに、公務員とはどのような仕事をしているのかをしっかり理解していきましょう。