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国税専門官の面接カードの書き方や記入例、面接時によく聞かれる事とは?

更新日:2023年3月14日

試験の受験

国税専門官として採用されるためには、筆記試験に合格するほか、人事院面接に合格し採用面接で内定を取得する必要があります。人事院試験合格者が全員採用されるとは限りません。そして、総合成績順に上位から採用されるのではなく、面接評価順に採用されます。これは、国税専門官は内定を出しても、他の公務員試験に合格すると辞退する受験生が多く、採用されてからも仕事が合わないなどの理由で離職する者が後を絶たないため、辞退しない人、離職するおそれの少ない人を優先しているためであると思われます。面接の評価AからEまでのうち、早期に内定がもらえるのはA評価B評価までであるといわれます。それだけに面接対策が重要となります。

目次
国税専門官の面接カードとは何か
それぞれの項目の文字数の目安
国税専門官の面接カードを作る前に知るべきポイント5選
ポイント①
ポイント②
ポイント③
ポイント④
ポイント⑤
国税専門官の面接カードを作る際のポイント5選
ポイント①
ポイント②
ポイント③
ポイント④
ポイント⑤
国税専門官の面接カードの書き方のコツを記入例を交えてご紹介
「志望動機・受験動機」の書き方のコツと記入例
「専攻分野・得意分野」の書き方のコツと記入例
「最近関心や興味を持った事柄」の書き方のコツと記入例
「印象深かったこれまでの体験」の書き方のコツと記入例
「自己PR」の書き方のコツと記入例
国税専門官の面接でよく聞かれる事項について解説
国税専門官の面接時、面接カード以外の準備事項は
スーツやカバンの準備
面接の評価制度の把握
面接で低評価(DやE)の評価になる人の特徴
まとめ
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国税専門官の面接カードとは何か

国税専門官の面接カードは、人事院主催の国税専門官試験の2次試験の人事院面接で使われます。この面接カードには、プロフィール、志望・受験動機、専攻分野・得意分野、最近関心や興味を持った事柄、印象深かったこれまでの経験、自己PR、趣味特技などの7つの記入項目があります。

それぞれの項目の文字数の目安

面接カードのそれぞれの記入項目の文字数は、これを記入する受験生の文字の大きさなどにも依存するため、一概にはいえませんが、大体次のようにいえるでしょう。

  • 志望・受験動機と専攻分野・得意分野について 130字から140字程度
  • 最近関心や興味を持った事柄と印象深かったこれまでの経験について 100字前後
  • 自己PRについて 80字前後
  • 趣味特技については趣味と特技それぞれについて 10字前後

ただし、面接官の中には老眼の方も少なからずいらっしゃいますので、文字を大きめに書いて、もう少し少ない文字数で書くというのもひとつの戦略です。要は面接官が面接試験の場で面接カードをザッと見て内容をすぐに理解できるものが良いですし、面接カードは言いたいことを全部書くものではなく、あくまでここから面接の対話を始めるきっかけとする資料ですから、そういう意味でも書きすぎず、簡潔に記入するほうがよいといえます。

国税専門官の面接カードを作る前に知るべきポイント5選

約30分程度という地方公務員の面接試験と異なり、国税専門官の人事院面接は15分から長くても20分程度と短いのが特徴ですから、この短い中で効果的なアピールをするためには、面接カードが大きく物をいいます。

ポイント①

人事院面接とその後に国税庁で行われる採用面接は無関係ではありません。

建前上は、人事院面接は人事院主催で、採用面接は採用機関である国税庁主催ですが、人事院面接でも人事院の面接官のほかに国税専門官が入りますし、人事院面接の表定評は採用面談でも共有されるため、人事院面接の結果は採用面接に大きく影響します。

ポイント②

国税専門官の人事院面接では国税専門官としての適性がチェックされます。

採用担当者としては、せっかく採用しても離職するということが無いよう、受験生に適性があるか確認しておく必要があります。確定申告の分析のためには数字に強いことが必要ですし、税金の徴収のためにはいうべきことをビシッといえることが必要です。

ポイント③

国税専門官の人事院面接では、参考資料として面接カードが使用されます。

この面接カードの質問項目に沿ってなされる質問を通して、積極性(ないし意欲・行動力)、社会性(ないし人間関係構築力)、信頼感(ないし責任感)、経験学習力、自己統制力(ないし情緒安定)、対話力(ないし表現力・説得力)などが評価されます。

ポイント④

国税専門官の人事院面接はいわゆるコンピテンシー型の面接です。

コンピテンシーとは「経験学習力」などと訳されますが、学生時代や前の職場に力を入れた経験を素材に、そこでした苦労、それを克服するための工夫、その結果などに対する質問をすることにより、受験生が経験から何を学び成長できる人間であるかが評価します。

ポイント⑤

国税専門官の人事院面接は面接担当官の主観ではなく、客観的評価基準に基づいて構成に採用不採用が決定されます。

人事院面接の際に作成された評定表は、その後主任試験官によってチェックされますし、その後の採用面接でもチェックされます。つまり主観的な判断で決められないよう、二重三重にチェックがなされるわけです。

国税専門官の面接カードを作る際のポイント5選

ポイント①

国税専門官の人事院面接は、15分から最大でも20分と短時間でなされるため、面接カードはよい第一印象を与えられるものである必要があります。そのためには指示された内容を漏れなく記入しなければならないのはもちろんです。公務員にとって第一に大切なことは指示に従えることだからです。また、達筆でなくてもよいですが丁寧で読みやすい文字で記入しましょう。誤字脱字はもってのほかです。修正液などによる修正もNGです。

ポイント②

面接カードは記述式試験の答案とは異なり、何でもかんでも具体的に詳しく書けばよいというものではありません。受験生が面接試験の場でアピールしたいポイントをすべて書いてしまうと、面接で聞く必要がなり、「これは分かったから他のことを聞きたい」ということになって、準備したことが役に立たなくなってしまいます。アピールしたいポイントについては、それについて聞いてもらえるようにある程度ボカした表現も要求されます。

ポイント③

面接カードにはあまり具体的に書きすぎてはいけない、とはいっても、面接カードの小さなスペースの中で伝えたい内容が、きちんと伝わるようにしなければなりません。そのためには、書く順序なども重要です。人間は通常の会話のときは一番大事なことを最後に話しがちですが、面接カードでは、逆に、「要するにどういうことか」という一番言いたい結論部分を最初に明確に書くのが効果的です。つまり、結論先行で簡潔に書くべきです。

ポイント④

面接カードに各文字はある程度大きい字で書くことをお勧めします。面接官の中には40代50代の方もいらっしゃいますから、若干老眼が入っているかもしれません。細かな字でぎっしり書かれたのでは、読みずらくイライラしてしまいます。面接試験では、受験生が話す内容以上に、こうした気配りが重要です。国税専門館の面接カードでは各項目多くとも4行以内に収め、1行あたり35字前後を目安に文字の大きさを調整しましょう。

ポイント⑤

面接カードの各項目は、過去の経験に基づいたものであることが必要です。国税専門官の人事院面接はコンピテンシー型の面接ですから、面接カードの各項目は、自分の過去の経験に基づかせ、そこで直面した困難、その困難を克服するためにした工夫、その工夫を思いついたきっかけ、その工夫をした結果がどうなったか、というようにコンピテンシーのポイントごとに、質問されたらどう答えるかということを考えながら記入しましょう。

国税専門官の面接カードの書き方のコツを記入例を交えてご紹介

「志望動機・受験動機」の書き方のコツと記入例

志望動機の記入方法には様々ありますが、自分が国税専門官になりたいと思った理由が端的にわかりやすく書かれていること大切です。
たとえば、①最初に国税専門官という仕事を知ったきっかけ、②それを自分の仕事として意識したエピソード、③併願先との関係で国税専門官を第一志望とした、いわば、国税専門官への思いが確信に変わったときのことなど、客観的事実を時系列に沿って説明するという方法もありますし、①国税専門官という仕事を知ったきっかけ、②国税専門官の仕事の中で特にどういう仕事に興味をもったのか、③その仕事に自分の強みをどう活かして貢献できるのかなど、自分の国税専門官への思いを論理的に整理するという方法もあります。
以上のどちらの整理の仕方でいくとしても、共通しているのは①の国税専門官という仕事を知ったきっかけです。「動機」という言葉は狭い意味では「きっかけ」ですから、この部分は必ず書いておきたいところです。

志望動機の記入例

学内の公務員の説明会に参加したことをきっかけに、国税専門官という仕事を知り、その仕事の専門性の高さから興味を持つようになりました。その後も、説明会に参加したり、WebTaxTVでドラマ仕立ての動画を視聴するうちに、国税専門官という国税のスペシャリストとしての国の財源を守り人々の暮らしを支える姿により強い憧れを抱くようになりました。

「専攻分野・得意分野」の書き方のコツと記入例

専攻分野・得意分野の項目は、サークル活動やアルバイトなどの経験ではなく、通常大学のゼミや卒業論文のテーマなどを書きますが、ゼミにも属していないし卒論もないという人であれば、大学の講義などでも大丈夫です。要はそれらの経験を国税専門官の仕事に役立てることができればOKです。国税専門官の面接カードの場合、都庁などの場合と異なり「志望する仕事に関連したもの」という要求が明記されていませんが、面接カードに記載を要求する以上は、国税専門官としての適性を判定するための資料として使うわけですから、直接ではなくても何らかの形で国税専門官の仕事にプラスになるものが好ましいのは当然です。たとえば、大学のゼミで日本の労働環境の調査研究に取り組んでいたとして、これは直接には労働基準監督官の仕事の方に近いですが、様々な媒体を駆使して試行錯誤しながら調査したという手段部分は国税調査の仕事に役立てることができるわけです。

専攻分野・得意分野の記入例

私は日本経済論を言う講義に力を入れて取り組みました。この講義は、現代の日本が抱える雇用問題や女性の社会進出について様々な文献や調査資料をもとに分析するものです。この講義知識が身についたにはもちろん、論理的に考えることの大切さを学ぶことができました。

「最近関心や興味を持った事柄」の書き方のコツと記入例

国税専門官の試験だからといって、必ずしも税金がらみの話題を選ぶ必要はありません。最近の関心事項について質問する目的は、受験生が関心をもっているニュースに関して対話することを通じて、①受験生が広く社会に関心を持っているか、社会の事象に問題意識を持てる人間かなどを確認する、②それが国税専門官としての適性と矛盾するものではないか、特に思想的ないし政治的な偏向がないか確認する、③他の項目で人柄に今一歩踏み込めなかった場合に雑談して人柄を知るなどです。
したがって、ニュースの内容は必ずしも税金に関するものでなくて構いません。しかし、受験生の特異な趣味嗜好や、政治的思想的な偏りを反映するようなものは避けたほうが無難です。また、「受け」を狙って分野を選択すると、話が盛り上がらずマイナス評価に繋がります。したがって、偏りのない無難な分野やテーマの中で、ある程度会話が盛り上がりそうなものを選べば良いでしょう。

最近関心や興味を持った事柄の記入例

最近、石川県や熊本県を始め、日本各地で震度の大きい地震が頻発していることが気がかりです。南海トラフ地震や首都直下型地震も近い将来発生することが予想されているので、今のうちにいつ地震が起きても自分の身を守ることができるよう準備をしなくてはいけないと改めて思いました。

「印象深かったこれまでの体験」の書き方のコツと記入例

この項目は一般的に「学チカ」といわれるもの、つまり、学生時代に力を入れたことの一種だと考えてよいでしょう。社会人からの転職の場合は、現職または前職での経験で力を入れたことということになります。そうすると、分析の仕方は、一般的に「学チカ」分析に用いられる「コンピテンシー」を使って分析することになります。コンピテンシーは過去の経験について、その活動に取り組んだ理由、そこで直面した困難ないし課題、その課題解決のためにした工夫、その工夫を思いついたきっかけ、その工夫をした結果、その結果とは別にその経験で自分が発揮した強み、それを国税専門官の仕事にどう活かせるか、というポイントで分析します。これを通じて日々直面する困難の中でどのように成長できる人間かが評価されます。したがって、ここで選ぶ経験はトントン拍子に上手くいった経験ではありません。ただし、常識を疑われるような致命的な失敗談は避けるべきです。

印象深かったこれまでの体験の記入例

新聞部の部長として、新型コロナウイルスの影響でオンラインのみでの活動という状況下でも、毎月予定通りに新聞発行ができるようにマネジメントしたことです。部長になった初めの頃は、予定日通りに新聞を発行することができていませんでしたが、3つの策を講じた結果、以降は予定日通りの発行ができるようになりました。

「自己PR」の書き方のコツと記入例

「自己PR」は単なる「自己紹介」とは異なります。自己PRは他の受験生にはない自分にだけある強みを積極的にアピールし、国税庁が自分を採用するとどれだけお得なのかを売り込むものです。たとえば、スマートフォンでいうと、アンドロイドにはないアイフォンの強みは利用者数が圧倒的に多いため、使い方が分からなかったらすぐに周りに聞くことができるという点です。こういうアピールをすればスマートフォン初心者のお客はアイフォンを選ぶのではないでしょうか。つまり、自己PRは単に自分が思っている自分の強みをアピールするのではなく、自分にあるいくつかの強みの中で国税庁が求めている資質と符合するものをアピールしなければなりません。国税専門官に要求される資質としては、①言うべきことをビシッと言える、②計算や数字に強い、③仲間と協力ができる、④ルールや指示にきちん従える、⑤向上心がある、⑥心身ともに強靭、などが挙げられます。

自己PRの記入例

<長所や人柄について>
私は、コミュニケーション力に自信があります。これは、学生時代のリーダー経験やアルバイト先で幅広い世代の方と一緒に働いたことで身につけることができました。この力は、国税専門官として、納税者の方々と接するときや、職員の方や税理士の先生などとともに働く家でとても役に立つと考えています。
<趣味・特技>
料理・ピアノの演奏

国税専門官の面接でよく聞かれる事項について解説

国税専門官の人事院面接でよく聞かれる質問は以下の通りです。

  • 志望動機、公務員を目指したのはいつからか。きっかけは何か?
  • やりたい仕事は?
  • 転勤が多いが大丈夫か?
  • 併願状況について。
  • 部活での役職は?リーダーシップを発揮したことはあるか?
  • 最近関心を持ったニュースを挙げて。
  • 国税専門官の説明会で受けた印象について?
  • お酒を飲みますか?国税は飲み会が多いけど来られるか?
  • 会話をする際、説得力はあるほうか?
  • アルバイトで理不尽なクレームはあったか?どう対応したか?
  • 国税専門官に一番必要なことは何だと思うか?
  • 国税専門官の仕事で感謝されることは少ないけど大丈夫か?
  • 長所・短所を1つずつ挙げて。自己PR の具体的なエピソードは?
  • 理不尽な納税者にどのように対応するか?
  • 年上の方と話すことに抵抗はないか?
  • 最近読んだ本や最近観た映画のあらすじを教えて。
  • 個人課税・法人課税どの部署で働きたいか?特にやりたい仕事は何か?

国税専門官の面接時、面接カード以外の準備事項は

面接の評価上で大事なのが「メラビアンの法則」です。アルバート・メラビアンという学者が唱えた考え方で、言語情報はコミュニケーション全体に占める比率の7%それ以外の視覚的要素などが大きいという考え方です。

スーツやカバンの準備

服装など身だしなみを整えましょう。クールビズ対応は受験先の注意事項の指示に従ってください。
髪形はさっぱりと「眉にかからない。耳にかからない。襟にかからない。」ことが基本です。男性は、ポケットに物を入れたり、スーツやシャツがシワにならないように。靴も磨いておきましょう。女性は、民間の就活用の明るい薄めのメイクを。ネックレス、ピアスなど、アクセサリーは厳禁。ピアスの穴などはファンデーションで塞いでおくと良いでしょう。バッグは就活バッグがいいでしょう。リュックサックは厳禁、トートバックも好ましくありません。

面接の評価制度の把握

国税専門官の人事院面接では、①積極性(ないし意欲・行動力)、②社会性(ないし人間関係構築力)、③信頼感(ないし責任感)、④経験学習力、⑤自己統制力(ないし情緒安定)、⑥対話力(ないし表現力・説得力)の6項目についてA・B・C・D・Eの5段階評価がなされまる。国家公務員一般職の人事院面接では、D評価のみ不合格となるのに対して、国税専門官の人事院面接では、D・E評価がされると不合格となります。また、人事院面接を突破したとしても、すんなり内定がもらえるのはA・B評価までです。国税専門官は、内定者の辞退や就職した後の離職率が高いため、面接試験の際に、国税専門官の仕事への適性が厳しく審査されるわけです。

面接で低評価(DやE)の評価になる人の特徴

国税専門官の人事院面接でC・D評価を受けるのは、内定を出しても辞退しそうな人、すぐに辞めそうな人、国税庁の組織への貢献が期待できない人です。具体的には、①聞かれたことに的確に答えられない、ないし、聞かれてないことを話し出す人、②コミュニケーションが円滑にできない、ないし、人の話をきちんと聞けない人、③声が小さかったり、元気がなく、内向的な印象の人、④ストレスに弱い、ないし、ストレスを溜め込みそうな人、⑤準備したことは何とか話せるが、準備していないことについては話せない、柔軟性のない人、⑥極端に緊張し萎縮して話せなくなってしまう人、⑦国税専門官の仕事をあまり知らないなど熱意を感じられない人です。

まとめ

国税専門官は合格者・内定者の辞退が多く、採用後の離職率も高いということを、採用担当者も当然重大な問題として認識しています。そのため、勢い筆記試験以上に面接試験が重視されるわけです。LECの公務員コースでは、公務員として面接を担当した経験がある者による回数無制限の模擬面接や膨大な量の国税専門官の面接再現など面接試験に対して万全の対策を準備しています。これらを利用してぜひ国税専門官試験の突破を果たしてください。

松浦明義LEC専任講師
監修者:松浦明義LEC専任講師
人事院面接・官庁訪問対策に精力を注ぎ、蓄積したデータと経験、そして霞ヶ関との人脈とともに多くの行政官を霞ヶ関に送り出している。
松浦明義LEC専任講師

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