更新日:2024年6月3日
人気の特別区の仕事内容・お給料から試験内容・対策を解説します。
特別区とは?
東京都下にある東京23区を「特別区」と呼びます。東京都の人口の7割が集中する特別区は、多様な文化、生活等が展開されている大都市の中核を担っています。
特別区職員の主な仕事内容
特別区職員の仕事内容は、職種や部署によって異なり、内容は多岐にわたります。
例えば事務職の場合は、区の基本構想や各分野の事業計画の策定と実施。施設の管理・運営、窓口業務など区の業務に広く精通し、どの部署でも活躍するゼネラリストとして働きます。
- 一般事務の主な仕事
- 基本構想・基本計画・実施計画の策定
- 福祉事業の実施
- 財政計画の策定
- 区民まつりなどの企画・運営
- 条例などの立案
- 商工業などの産業振興、消費者の権利擁護
- 選挙の管理、区議会の運営
- 地球温暖化防止対策事業の推進
- 防災計画の策定
- 放置自転車対策
- 戸籍、住民基本台帳、印鑑登録に関する事務
- 小・中学校・幼稚園・保育園などの管理・運営
- 税金、国民健康保険、介護保険に関する事務
- 生涯学習の企画・運営 etc.
特別区と東京都で働く公務員の仕事内容の違い
東京都は、市区町村や国、企業等の連携や調整業務を担当します。例えば、市区町村を超えたインフラ整備、都市計画、教育、治安維持、危機管理といった広域の仕事を担当します。
一方特別区は、区民の生活に直結する業務を担当します。例えば、生活保護、児童福祉、保育園の整備、証明書の発行、ごみ処理、リサイクル関連業務などがあります。
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特別区で働くメリットとは
特別区は、その他自治体に比べ圧倒的な規模の都市で仕事に従事することができます。また、東京都よりも現場に近い取り組みができることで、ダイレクトに区民の反応を受けることができます。さらに、23区それぞれに個性があり、その個性に合わせた創意工夫に飛んだ街づくりなどに取り組むことも可能です。
なんといっても、採用された区内での業務が原則となりますので転居を伴うような異動はほぼありません。
特別区が求める人材像とは?
特別区では「自ら考え行動する人材」が求められています。
【聴く】人の思いを理解し、誠実に[聴く]そうして、自分のことのようにまっすぐ向き合う人。
【学ぶ】向上心を持って、自ら[学ぶ]そうして、自分をみがき、人として成長していく人。
【考える】想像力、そして創造力豊かに、人々が笑顔になるための方法を[考える]そうして、「私は、こう考えます」とポジティブに表現できる人。
【行動する】チャレンジする気持ちを忘れず、周りに働きかけて[行動する]そうして、チームの中で自分の役割を果たしていく人。
特別区職員の平均年収はいくら?
特別区の職員の平均年収は「約6,777,800円」です。平均年収は給与月額に加えて年2回支給される期末・勤勉手当が含まれています。
平均給料月額 | 296,900円 |
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平均給与月額 | 420,900円 |
平均年収 | 6,777,800円 |
令和6年度の初任給は以下の通りです。
初任給 | 約235,400円(保健師243,000円) |
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※令和6年4月1日現在の給料月額に地域手当を加えたものです。
特別区職員採用試験の概要《2024年度》
特別区は東京都の職員採用試験と1次試験が同一日程であるため、どちらかを選択する必要があります。
以下はⅠ類採用試験(春試験) 事務(一般事務)について記載しています。
1:受験資格
受験資格のうち年齢要件については、次のア又はイの要件に該当する人も含みます。
- ア 平成15年(2003年)4月2日以降に生まれた人で、学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)を卒業した人(令和7年3月までに卒業見込みの人を含む。)
- イ アと同等の資格があると当人事委員会が認める人
- ※その他詳細は、採用案内を必ずご確認ください。
2:試験日程・試験会場
以下の日程で試験が実施されます。試験会場は都内の大学で実施されることが多いです。
最終合格発表後は、区面接が実施され最終的に内定を獲得する必要があります。
申込受付期間 | 3/8(金)午前10時〜3/25(月)午後5時(受信有効) |
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第1次試験 | 4/21(日) |
第1次試験合格発表 | 6/14(金) |
第2次試験 | 7/8(月)〜7/18(木)※指定する1日 |
最終合格発表 | 7/30(火) |
区面接 | 最終合格発表後から |
3:試験科目・試験内容
第1次試験 | 〇教養試験(2時間) 一般教養についての五肢択一式(48 題中 40 題解答) ②知能分野(28題必須解答) ②知識分野(20 題中 12題選択解答) 〇専門試験(1時間30分) 一般行政事務に必要な基礎知識についての五肢択一式(55 題中 40 題選択解答) 憲法、行政法、民法#9312;[総則・物権]、民法②[債権・親族・相続]、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、経営学、政治学、行政学、社会学 〇論文試験(1時間20分) 課題式(2題中 1題選択解答)字数は 1,000字以上 1,500字程度 |
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第2次試験 | 個別面接 |
区面接 | 個別面接、集団討論、グループワークなど |
4:倍率・難易度
年度 | 採用予定数 | 受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
2023年 | 1,181名 | 7,668名 | 3,013名 | 2.5倍 |
2022年 | 983名 | 8,417名 | 2,308名 | 3.6倍 |
2021年 | 874名 | 9,019名 | 1,881名 | 4.8倍 |
特別区はここ数年、採用数を増やしていますが受験者数の減少により倍率が低い傾向がありますが、今後の採用状況によって変動する可能性があります。
特別区Ⅰ類事務の難易度は、公務員試験全体と比べて一般的です。また教養試験6割、専門試験7割が合格のためのボーダーともいわれています。また、特別区は1次試験に実施される論文試験や面接試験の比重が他の公務員試験と比べ高い傾向があり論文試験・面接試験対策をおろそかにすることができません。
参照:公務員試験の難易度は?難しい?試験別の倍率や合格のポイントを解説!
5:特別区職員採用試験合格〜採用までの流れ
特別区は、一般的な公務員試験と同じく1次試験で筆記試験・論文試験を受験します。2次試験では、特別区人事委員会の個別面接を受験し最終合否が決まります。
特徴的なところは出願時に、志望3区を提出します。原則としてこの志望区が考慮され、特別区等へ高点順に提示されます。最終的に提示された区の採用面接(区面接)で内定を獲得する必要があります。
特別区職員採用試験の対策方法
特別区の採用試験対策について試験ごとに解説します。
公務員試験全体の勉強方法などについてはこちらを参考にしてください。
参照:公務員試験で合格する勉強法!独学でも可能?スケジュールや1日の勉強時間は?
教養試験
特別区では、知能分野28題必須解答であり全体の7割を占めます。数的処理、文章理解(英文含む)を優先的に対策することをおすすめします。特に数的処理を苦手する受験生は多くいますが、本試験までに受験生の多くが解ける問題は必ず解けるよう、毎日問題に触れることで苦手意識を払しょくしていきましょう。
専門試験
専門試験は出題数が多いものの、国家一般職のように科目選択ではなく1問1問自由に選択することができるため、自身が得意とする科目や難易度が低い問題から回答することもポイントです。そのため、満遍なく出題科目の勉強することをお勧めします。また、併願先と被る科目を優先的に対策するなど計画的に対策すると効率よく進めることができます。
論文試験
特別区の論文試験は提示された複数の資料をもとに、区政が抱える課題についてどのような取り組みを進めるべきかを1,000以上1,500字程度で書いていく課題式の試験です。過去の出題例を参考にテーマを予測し複数テーマ書く準備をしておきましょう。論文は客観的に見てもらう環境も大切です。添削してもらいより良い論文を作りましょう。
面接試験
特別区は、出願時にエントリーシートの提出が求められます。このエントリーシートをもとに2次試験が実施されるため、1次試験対策と並行して準備を行う必要があります。過去の内容を確認し少しずつ準備することをおすすめします。また、3分間プレゼンが面接試験の冒頭で実施されます。自己分析をしたうえで、短い時間で自己PRを行う練習が必要です。
まとめ
特別区は、区の様々な部署でゼネラリストとして業務に携わることができ充実した職員生活があります。
関東地域では人気の自治体でもあるため、多くの方が受験されます。
筆記試験、面接対策など準備は必要ですが、他の公務員試験と重複する部分が多いため公務員試験対策がしやすい自治体です。志望先の1つとして検討することもよいでしょう。