国家総合職・外務専門職 FAQ
- 国家総合職って何ですか?
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国家総合職は将来の幹部コースで、いわゆる「キャリア」と呼ばれます。
公務員試験の最高峰であり、それだけに試験もハイレベルなものとなっています。エリート官僚として必要な「幅広い視野」「高度な判断力」「優れた指導力」を養うため、約2年の短期サイクルで、東京の本省と地方とで転勤・異動を繰り返し、様々なポストを経験します。
その後ハイスピードで昇進し、若くして責任あるポストにつき、第一線で国政のリード役を担います。 非常にハードですが、大変やりがいのある仕事だと言えます。
- 法律区分・経済区分・政治国際区分・教養区分の違いは?
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いずれも政策の企画立案・法律制定・改正などに携わるという点で、入省後の業務に大きな違いはありません。 しかし、試験科目と採用状況はそれぞれ異なります。
官庁によっては、採用されやすい区分・採用例の少ない職種という傾向があるので、勉強を始める前に調べておくと良いでしょう。法律区分
旧国家I種法律職に該当します。問題のレベルは非常に高いものの、3職種の中で最も採用数が多く、採用省庁も多岐にわたります。
試験対策では、必須解答の憲法・行政法・民法を中心とする法律科目について、過去問を中心として判例や学説などを深く学習する必要があります。なお、経済系科目(経済学・財政学)の選択は任意です。
経済区分
旧国家I種経済職に該当します。上位大学の経済系学部在学者・出身者の受験生がほとんどで、取りこぼしが許されない高レベルの戦いです。
財務省や経済産業省、国土交通省など、経済系官庁を中心に採用数が多くなっています。
試験では、経済理論・財政学・経済政策、統計・計量経済学を中心とする理論系科目と、経済事情や経済史、経営学といった知識系科目をバランスよく学習する必要があります。なお、法律系科目(憲法・民法)の選択は任意です。
政治国際区分
旧国家I種行政職に該当します。難易度はやや低くなりますが、採用者数が少ないため、最も厳しい職種です。
例年かなりの高倍率となりますが、これは地方上級・国家一般職を第一志望とする受験生による併願が多いためで、実際の倍率は見かけ程ではありません。
試験では必須問題の他に、選択A(政治学・行政学)・選択B(国際関係・国際法)のうち、どちらか1つを選択するようになっています。
教養区分
2012年秋より新設された試験区分です。この区分は近年の「人物重視」の傾向に従い、総合論文や政策課題討議、小論文などによって評価を行なうものです。教養区分試験において特徴的なのは「大学3年の秋」から受験できるという点です。3年次に最終合格を獲得すれば、大学4年次の官庁訪問まで受験の必要がありません。
- 他の試験と併願は可能?
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国家総合職試験は「それぞれの区分で専門的な科目が多く」「教養試験のレベルも高く」「他の試験と傾向も異なる」ことから、一般的に併願が難しいと言えます。
ただし、次のような対策をとれば地方上級・国家 一般職レベルの試験との併願も充分可能です。<法律区分の方>地方上級試験では法律科目の比重も高いですが、これは国家総合職の対策で大丈夫です。問題は経済科目と行政科目です。
法律職志望者の中には、選択の経済科目を始めから捨てる人もいますが、これは得策ではありません。経済をしっかり学習しておけば併願の際にも役立ちますし、国家総合職試験でも上位合格を狙えます。<経済区分の方>も同様に、法律科目を捨てないことで、かなり併願しやすくなります。
<政治国際の方>地上・国家一般職 レベルの行政区分の試験科目との重複が多いため、3区分種中で最も併願しやすいと言えます。ただし、総合職試験とは傾向が異なるところもあるので、必ず過去問に目を通すことが重要です。
また、各職種に共通の教養科目では、特に一般知能の数的処理の傾向が総合職と他の試験では若干異なるので、併願をする時には対策が必要となります。
- 既卒、年齢などは関係ありますか?
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国家総合職(大卒程度試験)の受験資格は、平成24年度試験で「昭和57年4月2日〜平成3年4月1日生まれの者」となっており、公務員試験の中では比較的広い年齢層の方に受験資格があります。
国家総合職になるために、いわゆる「就職浪人(留年)」をして再び受験する方も増えています。また、一度社会人になってから公務員を目指す方もいます。
その際に気をつけたいのは、官庁訪問や面接で「なぜ今から公務員なのか」を、必ず聞かれるということです。
ただ漫然と「公務員になりたい」だけでいいのかが新卒者以上に問われます。志望動機はきちんと考えておきましょう。
ただし、年齢が高くなればなる程、省庁の内定が出にくくなるのは事実です。これは「試験の点数が同じなら年齢の若い方を採用したい」という意向のようです。20代後半以上の方は、より高得点をとる必要があります。リスクも多いことをよく考えましょう。
- いつから、何から勉強を始めればいい?
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国家総合職を目指す方の多くが(個人差はあれど)だいたい1年〜2年かけて勉強しています。 国家総合職は試験科目も多く、出題範囲も多岐にわたるので、しっかりした準備が必要となるのです。
特に他学部(法学部・経済学部以外)からの受験生は、なるべく早く勉強を始めることをおすすめします。まずは過去問を手にとってみましょう。
国家総合職の本試験の傾向で顕著なことに、時事問題の多さが挙げられます。
教養試験では「時事」の出題があり、それ以外の分野(政治経済や地理・物理など)でも、時事的要素の高い問題が数多く出題されています。年々変化を続ける国家総合職試験をクリアするには、最新の情報を収集することが不可欠です。また、総合職試験は科目も多いので、いかに効率よく学習するかが重要になってきます。
LECでは、効率よい学習方法やスケジュールの立て方、選択科目の選び方など、公務員試験を突破するために役立つさまざまな情報を発信する無料説明会を全国で行っています。
またKフォーラム[現役公務員が語る生の声]なども随事実施していますので、ぜひご参加下さい。
外務専門職 よくある質問
- 外務専門職って何ですか?
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国家総合職試験で採用される外交官とは別に、特定の語学専門家として、 また特定の国や地域・経済・経済協力・軍縮などの分野別の専門家として活躍する外交官、それが外務専門職員です。
2〜3年間の在外研修終了後、3〜5年ごとに本省勤務と在外公館勤務を繰り返すことになります。
- 試験は語学が重視されますか?
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専門職は「語学のスペシャリスト」になることを期待されているため、語学が出来ることは大きなポイントとなり得ます。ただし、それはあくまでも一次試験を通過した上でのことです。
外務省は入省後の研修がしっかりしており、語学はその研修でたたき込まれます。
ですので、試験合格のためには、むしろ専門試験に力を入れることが重要です。外務専門職の試験科目(専門試験)は憲法・経済学・国際法と、他の公務員試験より負担は少なく感じられますが、一次試験から記述式となっているため、生半可な知識では太刀打ちできません。
また、教養試験(択一式)は足切りに使われるため、ある程度の点を取らないと、専門試験の答案は読んでももらえない、ということもありえます。
外務専門職志望者に語学の得意な方が多いのは事実ですが、反面、経済学等が苦手な人も見受けられます。とりあえず過去問等を入手し、早めに専門試験対策にとりかかりましょう。
- 研修語はどのように決まりますか?検定などを取っておくと有利ですか?
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一次試験の合格後、外務省に提出する身上書に、志望語を第5志望まで記入します。
そこで気をつけねばならないことは、 本当に自分がやりたい言語を選ぶということです。
「マイナーな言語を書くと受かりやすい」ということはありません。合格した場合、本当にその言語になってしまう場合もあります。(第5志望までありますが、全て書かねばならない、ということではないようです)この身上書などを参考に、外務省の状況などもあわせて、研修語が決定します。
検定は持っていると有利になることはあるようです(もちろん一次試験で高得点をとり、合格することが大前提ですが)。特に専門職の場合は語学の専門家として語学力を期待されているため、検定試験は大きなセールスポイントになり、研修語決定のポイントの一つになり得るようです。