更新日:2022年4月14日
「県庁職員として働く!」ことをご検討している方へ。県庁の試験はここ数年で大きく変わってきました。採用試験自体が、人物重視となって、民間企業との併願がしやすいような、筆記試験の負担が軽い区分が増えてきました。また、時々、報道もされていますが、異動が県全域にわたる県庁職員の仕事が敬遠されているところも見受けられます。つまり、かつてよりも倍率が低下しているところが多いのです。異動といっても、県内でしょ?という人は、今、チャンスです。
- 目次
- 県庁職員はどんな仕事?
- 県庁職員の待遇は?
- 給料・年収について
- キャリアアップについて
- 福利厚生について
- 配属希望について
- 転勤・異動について
- 県庁職員の仕事や待遇は、自治体によって異なるの?
- 県庁職員になるメリット、こんな人には向いている
- 県庁職員になるには?
- 試験概要・日程
- 試験勉強のポイント
- 試験勉強はいつからはじめる?
- LECが選ばれる理由
- \まずはここからスタート!/
- 資料を請求する
県庁職員はどんな仕事?
県庁職員の仕事は多岐にわたりますが、大きく3つの区分に分けることができます。
一つめは、市町村の区域を越えて実施する必要がある広域事務です。二つめが、市町村に関する連絡調整事務です。三つめは、その規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当ではないと認められる事務の補完事務を処理します。例えば、小中学校や福祉事務所は市町(村)が設置・運営しますが、県立高校や特別支援学校、児童相談所などは、県が設置して運営します。また、当たり前ですが、市町村をまたいで通っている県道や一部の河川の整備なども県の仕事です。国が進めている施策について、県全体で、各々の市町村で差がでないように調整するのも県の仕事です。住民の方々と直接窓口で接する市町村の職場と異なり、事業者に対する許認可や、国や市町村、他の自治体などの職員と仕事をすることも多いです。
県庁職員の待遇は?
給料・年収について
総務省が令和3年に発表した全地方公共団体の一般行政職の職員(平均年齢42.1歳)の平均給与月額は402,948円です。これには給料月額に諸手当月額が加算されたものになります。下記の表をみていただくと、都道府県は市や町村よりも高いことがわかります。平均だけではわからないですが、公務員の給与体系は若いうちの給料は高いとはいえませんが、年齢とともに給料が上がっていくのが大きな特徴です。60歳で定年退職した場合、退職金の支給額は、17,087,341円です。最近では、退職金を支給しない企業が増えていますから、退職金があるということは、生涯賃金ということを考えると非常に大きいです。
団体区分 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 諸手当月額 | 平均給与月額 | 平均給与月額 (国比較ベース) |
---|---|---|---|---|---|
全地方公共団体 平均 |
42.1 | 316,040 | 86,908 | 402,948 | 359,895 |
都道府県 | 42.8 | 322,084 | 92,170 | 414,254 | 364,117 |
指定都市 | 41.8 | 319,200 | 116,065 | 435,265 | 379,190 |
市 | 42.0 | 315,956 | 79,659 | 395,615 | 356,877 |
町村 | 41.3 | 301,630 | 51,862 | 353,492 | 329,535 |
特別区 | 40.3 | 297,864 | 122,503 | 420,367 | 374,453 |
国 | 43.0 | 325,827 | − | − | 407,153 |
- ※「平均給料月額」とは、給料の調整額を含む。
- ※「諸手当月額」とは、月ごとに支払われることとされている扶養手当、地域手当、住居手当、特殊勤務手当、時間外勤務手当等の諸手当の額を合計したものである。
- ※「平均給与月額」とは、平均給料月額と諸手当月額を合計したものであり、「平均給与月額(国比較ベース)」とは、比較のため国の公表資料と同じベース(=時間外勤務手当等を抜いたもの)で算出している。
キャリアアップについて
3年から4年ごとに部署を異動します。異動になると、それまでとは違う仕事を一から勉強ということもありますが、将来の県を背負って立つ人材として、大卒程度の行政職は、県の将来を担う幹部候補生として、さまざまな経験を積んで、出世していきます。最終的な到達点は副知事です。ただ、近年は、最終目標は部長、という人も増えているようです。
福利厚生について
女性の活躍推進がうたわれて、民間企業でも雇用環境が整備されてきましたが、まだまだ公務員には及びません。例えば、育児休業についても、民間企業ですと、法律で定められた1歳までの期間について労働者の希望に応じて取得が可能なように、また、育児休業を取得したことで、できる限り不利益を被らないように、という段階ですが、公務員の場合、子どもが3歳に達するまで育児休業がとれるところがほとんどですし、公務員が率先して民間の範になるべき、との考え方から女性はもちろん、男性の育児休業の取得も積極的に推進されています。もちろん、育児休業を取得したからといって不利益をこうむることもありません。共済組合も充実していますから、賃金以上のメリットもあります。
配属希望について
配属の希望については、面接時にどのような仕事がしたいのか、希望部署はどこか、など、いろいろ聞かれますが、実際に採用された後に、面接時に希望した仕事につけるケースは非常にまれです。県民のためにできることは何でもがんばる、という気持ちで仕事に臨むことが大事です。
転勤・異動について
異動の範囲は原則、県内です。県をまたぐ異動はありません。ただし、筆者の知人は、とある県の湖の水質汚濁に取り組む技術職員でしたが、何年か、東京の環境省に出向しておりました。一部で、中央省庁への、また、基礎自治体への出向もあります。ただ、この場合も、子育てや介護などの事情は考慮されますので、本人の希望しない出向はほとんどないでしょう。
県全域の異動が敬遠される傾向にありますが、その土地、土地で新たな出会いがあり、また、新しい仕事ができるのは、県庁の仕事の魅力でしょう。
県庁職員の仕事や待遇は、自治体によって異なるの?
県庁職員の仕事の大枠は、自治体が変われどそれほど大きく違いませんが、例えば北海道と東京都では、道内と都内の産業構造や人口構成が異なりますから、当然、異なる仕事もあります。しかし、大きな視野でみれば、公のために働く、という基本は一緒です。
待遇は、自治体の財政の制約をうけますから、税収が減れば、職員給与も下がります。総務省が発表している自治体ごとの職員の平均給与も、年度ごとに順位が変わります。地域の産業を振興し、たくさんの人に選ばれる自治体となるように仕事をしていけば、その分、他の自治体よりも多くの給与をもらう可能性もあるということですね。
県庁職員となるメリット、こんな人には向いている
県庁職員となるメリットは、何よりも大好きな県の発展のため、県民のため、20年、30年後の将来を見据えて働くことができる点ではないでしょうか?県職員としての仕事の一つ一つの積み重ねが、後で振り返ったときに、県の状況を大きく変えている可能性があるのです。
そんな県庁職員に向いているのはどんな人でしょうか?異動が頻繁にあり、そのたびに仕事内容も大きく変わりますから、異なる環境に身をおくことが楽しい、と感じられる人は向いています。また、公務員の仕事は、法律や条令に従って行われますから、仕事によっては自分の裁量がまったくないものもあります。そうした決まりの中で、ストレスなく仕事ができる人も向いていますね。
県庁職員になるには?
試験概要・日程
一部で早期枠や秋季チャレンジなど、独自の日程での区分を設けているところもありますが、原則は、6月第3週の日曜日に統一試験が実施されています(A日程)。
試験内容は、筆記試験と面接試験、場合によっては適性検査などが実施されています。統一日程の場合、使用している大本の問題は一緒ですが、その科目を試験科目として採用するのか、また、どの科目を何問使用するのかは自治体ごとで、出題数や選択科目があるかないかなどにより、予備校ではいくつかの型に分けています。
筆記試験は、教養試験と専門試験、論文試験を課すところが一般的です。具体的な試験内容を、埼玉県を例に紹介しています。
試験勉強のポイント
県庁の場合、教養試験と専門試験の双方を課すところが多いですし、地方の場合はかつてほどではないとしても、まだまだ倍率が高いです。したがって、多くの科目を効率よく勉強することがポイントです。ただし、出題されるすべての科目を勉強するというよりは、合格ライン(6割)を突破できるように、今までの自分の特性や勉強をしてきたことを踏まえて、戦略を立てるとよいですね。
県庁試験の場合、一般的には経済学の出題が多いので、数的処理や経済学といった科目は、苦手でも時間をかけて勉強をする必要がありますが、それ以外の科目については、得意な科目、勉強しやすい科目から、積み重ねていくことが大事です。苦手な科目を克服しようと、そればかりやっていて勉強がいやになってしまう、というのが一番よくないパターンです。
試験勉強はいつからはじめる?
大学3年生になる前後から勉強を開始して、1年間かけて勉強する人が一般的です。最近では、2年生の秋くらいから勉強を始める人も増えてきました。教養試験に加えて専門試験がある場合、1,000時間は最低でも勉強時間が必要となっているので、いつはじめるのか?というよりも、どのくらいの時間が必要なのかを理解して、逆算していただくとよいですね。つまり、これから勉強を始めて大丈夫なのか?という質問ですが、本番まで1,000時間以上をとることができれば、可能性が出てくるということです。
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