I・H さん
受験回数 | 3回 ※別途お試し受験1回 |
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主な受講講座 |
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司法書士を本格的に目指したきっかけ
税理士業を開業してほぼ20年になりますが、私が司法書士になりたいと思った動機はかれこれ18年ぐらい前に遡ります。約18年前、相続事件をきっかけにある弁護士の先生に大変お世話になりました。税法以外の法律に疎かった私にとって、弁護士という存在は未知であり恐れ多い存在でもありましたが、その先生を通じて、税法と民事法との関わりの基礎を教えていただき、法律を勉強したいという気持が強くなっていきました。
ただ、司法試験は論文試験がありハードルが高いこと、司法書士試験は広範囲の法律知識が要求され、登記申請を通じて税理士業との関わりあいが強いことから、いつかは必ず司法書士試験を受験すると心のなかで決めていました。本業や業界関連団体等の活動が続く中、なかなか受験勉強のきっかけがつかめませんでしたが、受験関連の基本書を購入し、読書代わりに時々読んでいました。
今から3年前の春、体調不良のため本業以外の一切の活動を休止したことが、本格的に受験勉強をはじめるきっかけとなりました。今思えば、その体調不良は、なかなか受験勉強を開始することができなかったストレスから来たものだったのでしょう。
お試し受験について
とりあえず司法書士試験を受けてみようと思い、過去問の肢集などを買い、試験日までの3か月間時間の許す限り解きまくりました。
記述は、通勤時間に読むような書式本をひたすらながめながら「国家試験の厳しさは税理士受験で体験済みであり、ひょっとしたら合格するかも」なんて、今から思えばとんでもない甘い期待を抱いていたものです。
しかし、会社法、商業登記法、不動産登記法については、本試験では全く太刀打ちできませんでした。この3科目については、記述式科目も含めて独学は大変難しいし、非合理的です。民法は奥が深く、たまたま点が取れたにすぎません。民事訴訟法などマイナ−科目は、このときは過去問の復習で間に合うレベルだったと記憶しています。
LECを選んだ理由
駅から近く、受講生が多く、受講生の実力に応じた講座が豊富であること、規模が大きさから、受験勉強の王道をいくにはLECがよいと漠然と思っていました。
初年度は、実践力Power Up講座
お試し受験で、午前の択一でたまたま基準点に届いたことから、初学者向け講座からではなく学習経験者向け講座である実践力PowerUp講座に十分着いていけるだろうと思い、受講したのですが、内容的にもスケジュ−ル的にも大変きつかったです。
民法はともかく、会社法、特に組織再編の理解に苦しみました。当時海野先生が担当講師だったのですが、遠回りかもしれないが、条文を読破することにより会社法制覇への道がつかめるみたいなことをおっしゃっていました。会社法の条文は大変複雑ですが、完全整理択一六法は関連条文へのアクセスが容易にでき、慣れてくると関連条文をアクセスせずに通読するだけで内容がわかるようになってくるのでとても役立ちました。それでも、最初は読破するのに苦労し、初年度の11月は会社法の条文の読込みただそれだけに費やしました。受験勉強上は、条文を読まず、テキストの読み込みだけで合格レベルに達する方々もおられることは事実です。しかし、合格後のことも考えて勉強に集中できる今のうちに会社法の条文に慣れておきたいという気持ちがありました。社会人であり、専業の受験生に比較して気持の余裕があったからできたのかもしれません。
12月から5月にかけては、繁忙期であり、本業と受験勉強の両立が大変でした。精撰答練[実力養成編]のスケジュ−ルに合わせて勉強内容を調整し、同時にマイナ−科目の講義の受講も続き、何度も挫折しそうになりました。偏差値50をとることがこれほど大変だとは思いませんでした。ただ、公開模擬試験で1回だけA判定(合格点まで1.5点)をもらえたことが、今後の受験勉強を維持していくための自信につながりました。初年度は午前午後の択一ともに基準点は達したものの、時間切れで商業登記の記述問題を解く時間がほとんどありませんでした。不動産登記記述は、25.5点と健闘したと思います。
2年目は精撰答練[ファイナル編]と公開模試
LECには申し訳ないのですが、2年目は他校の講座を基軸に、精撰答練[ファイナル編]と公開模試、直前講座などを申し込みました。初年度の苦労もあって、合格レベルにかなり近づいたと思います。公開模試で2回S判定をもらいましたが、スーパ−公開模試ではD判定でした。本試験では、択一は基準点に達しましたが出来は昨年並み、記述は商業登記で特例有限会社関連の問題について全く準備ができておらず、お手上げでした。
特例有限会社について見直そうと思った矢先、テキストを事務所に置き忘れたまま、本試験に突入してしまいました。
敗因は、民法の条文の詰めが甘く基本の肢の判断に迷ったこと、あせりから商業登記法の択一問題でミスを連発したこと、商業登記記述の準備が甘かったことにあります。
3年目はパーフェクトロ−ラ−講座
2年目の受験直前の総まとめ講座で、根本講師の講義をはじめて聞いたときはあまりに面白くて動画の前で大笑いをしていました。それで、最後の3年目は、根本講師のパーフェクトロ−ラ−講座を受講しました。根本講師の講義は、大変歯切れがよく無駄がありません。発する言葉の数は少ないだけに、印象に残りやすかったです。ともすれば、倦怠期に陥りやすい学習経験者にとってうってつけの講座といえます。大げさなジェスチャ−と人間離れした表情に目が離せませんでした。受験勉強を継続できたのは、根本講師のおかげです。テキストは表形式で見やすいだけでなく、内容も広範囲に渡り、学習経験者のニーズに合ったものだと思います。特に、商法・不動産登記法・商業登記法・記述式は3〜4回繰り返し、通読しました。
勉強方法について
特別な勉強計画というものはなく、テキストを読んだ後に該当部分について問題を解くという単純なものです。合格のための基礎力は、初年度の実践力Power Up講座で身についたはずなので、勉強時間の7割を問題演習に充てました。講座テキスト以外で、完全整理択一六法(民法、会社法、民事訴訟法)もたとえば3ヶ月以内で一巡するというように、大いに活用しました。会社法の条文については、1年目に通読しておいたおかげで、苦労がありませんでした。テキストと択一六法の組み合わせの勉強は、大きな自信につながります。
完全整理択一六法の民法は、すみずみまで通読しました。サブノ−トは、時間がなく作成していません。間違えた問題は、問題冊子を切り離して何度か復習しました。
3年目の勉強時間
12月から5月にかけては本業の繁忙期であり、受験勉強においても正念場の時期といえます。繁忙期の負担を削減するために、3年目は、とにかく12月までの目標として一通りの勉強を終えること、民法に自信をつけるために司法試験の過去問を解くことを主眼としました。
12月から5月にかけては、朝5時30分から3時間ほど勉強時間にあて、事務所では午後8時までの間で2時間ほど勉強時間に充てました。
初心に帰るきっかけとなったソクラテス演習館と直前期の過ごし方
本試験直前の1か月間は、時間に余裕があり、1日10時間超を勉強時間に充てることができました。また、この時期は精神的プレッシャ−に悩まされる時期ですが、とにかく毎朝、頭の中身を白紙にして、初心に帰って問題を解くように心がけました。
実は、本試験合格のきっかけは、この「初心に帰って」楽しく勉強できた「ソクラテス演習館」のおかげだと思っております。このような機会を設けてくださった吉澤厚先生に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。 受験勉強を始めた当初は新しい知識を吸収することが楽しかったはずです。そのときの気持にかえって問題を解くと、直前期においてすらも新しい発見がでてくることがあります。そのようなわくわく感が「ソクラテス演習館」にありました。そのような気持ちをもって問題に対処すれば、直前期でさえも楽しく落ち着いて勉強に向かうことができます。
※「ソクラテス演習館」とは2013年に実施されたゼミスタイルの講義シリーズです。
通信講座について
社会人にとって欠かせないツールです。動画配信のおかげで、臨場感あふれる講義がいつでも聞くことができます。講師の方々には直接お目にかかったことがありませんが、身近に感じることができます。今では、通学講座より主流といっていいのではないでしょうか。根本先生の動画配信のときは、1.5〜2倍速で聞きましたが、時間の節約にもなりました。
記述の克服
記述問題に答案構成用紙はつきものですが、3年目になって自分なりの利用方法を見つけました。きっかけは、根本先生の記述式問題の解法に関する動画でした。「答案構成用紙は使いません。時間の無駄だから」述べただけで、その動画は終了しました。私は、商業登記記述に時間がかかってしまうのですが、LECの答練等にでてくるような役員の選解任等の流れ図のみを書くにとどめ、役員変更のほかは、直接答案用紙に書くようにしました。いかに答案構成用紙を使わないようにするか、問題用紙をどのように利用するかを主眼に記述問題を解くように努めました。
本試験を迎えて
本試験では、直前期の精神状態をそのままもっていくことができました。午後の択一は、通常であれば1時間10分から20分かかるのですが、今回は50分で解き終わり、2時間超を記述式問題に充てることができました。午後の択一については迷う肢もなく、解いた後満点を確信しましたが、こんなことは初めてです。
最後に
根本先生、吉澤先生、海野先生、この3年間本当にありがとうございました。