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【実例つき】公務員試験の面接カードとは?
自己PRや志望動機の書き方について

更新日:2023年3月1日

【実例つき】公務員試験の面接カードとは?自己PRや志望動機の書き方について

 面接はここで試験の合否が決まるという意味で公務員試験の最終関門です。筆記試験の足切りさえクリアすれば、ここで大逆転するのも夢ではありません。そして、面接官は受験生と初対面ですから、面接カードはその面接官が受験生のことを知る有力な資料です。また、面接試験の所要時間は通常15分から30分と短く、その中で面接官は受験生の採用不採用を決定するわけですから、面接試験では第一印象が非常に重要です。面接官に良い第一印象を与えるためにも面接カードをどのように書くかは、公務員試験の合否にとって決定的に重要なのです。

目次
面接カードとは何か
面接カードの特徴は?
面接カードの提出期限は?
公務員試験における面接カードの重要性
面接カードの入手方法は?
好印象な面接カードの特徴
正確に従って記入されている
全体が一つのストーリーとなっている
丁寧な文字
面接カードの具体的な書き方
自己PRの書き方
志望動機の書き方
面接カード書く際の注意点
面接カードの実例
国家一般職
裁判所職員
東京都T類B(一般方式)
静岡県職員採用試験(大卒業程度)
まとめ

面接カードとは何か

 面接カードとは、公務員試験の面接試験時に使用する資料です。国家公務員試験の面接試験は2次試験で課されることが多いですが、その場合は面接試験の当日の持参や郵送することが求められます。地方公務員試験の場合は、最近1次試験として面接試験を課すところもありますし、出願時にエントリーシートとして面接カードを提出させるところもあります。エントリーシートは紙媒体で提出させるほか、オンラインで入力させるところもあります。

面接カードの特徴は?

 面接カードの記載事項はどこの官庁かどの自治体によって様々ですが、大体どこの面接カードにも共通してあるのが、①志望動機、②その職場でやりたい仕事、③学生時代に力を入れたこと(「学チカ」と略されることもあります。)、④自己PRの4つです。
ただし、国家公務員の場合は、ほぼやりたい仕事イコール志望動機といえるので、面接カードで①志望動機と②やりたい仕事が分かれていないことも多いです。それぞれの項目は概ね200字程度の記入を要求されます。その他の記載事項としては、最近関心を持った社会の出来事、趣味・特技、長所・短所、ボランティア経験、最近、A4用紙の枠内に自由に自己PRさせる自治体なども出てきています。

面接カードの提出期限は?

 面接カードの提出期限は、面接試験がその官庁や自治体のどの段階で実施されるのかによっても異なります。
国家公務員試験の面接試験は2次試験として実施されることが多く、その場合は予めPDFでダウンロードしプリントアウトした面接カードに必要事項を記入し、面接当日に持参することが多いですが、東京都特別区や一部の市役所では出願の時点で面接カードの提出を求められます。これを「エントリーシート」と呼びます。したがって、このエントリーシート制度を導入している自治体を受験する場合にはより早期の面接対策が必要となります。エントリーシートにはオンラインで入力する方式と面接カードを出願書類とともに庁舎に持参する方式とがあります。

公務員試験における面接カードの重要性

公務員試験における面接カードの重要性

 面接官は初対面の受験生のパーソナリティについて評価するわけですから、手がかりになる資料は面接カードしかありません。また、公務員試験の面接試験は国家公務員の場合は15分程度、地方公務員の場合でも30分程度と短時間の内になされるので、第一印象が重要ですが、面接カードは面接官が受験生の第一印象を形作る媒体という意味でも重要です。したがって、誤字や脱字、乱雑な文字による記載や修正液・修正テープによる修正のある面接カードなどは面接試験の合否において大きなマイナスになります。さらに、民間の面接と比較すると公務員の面接試験はほぼ面接カードの記載どおりに質問がなされるため、面接カードどのように記入するかは重要です。

面接カードの入手方法は?

書類として提出する面接カードの入手方法は、フォーマットが印刷された用紙を郵送する方法と採用サイトからPDFデータ等をダウンロードする方法があります。前者の場合、代えのない原本への記入は慎重にしなければなりません。提出した面接カードが訂正だらけでは印象が悪くなりますから、記入前にコピーを数部とっておいて、記入内容をあれこれ検討し最終的に記入内容が決まったら、書き損じの無いように慎重に記入しましょう。東京都特別区や横浜市のようにオンラインで出願する場合は、面接カードという形で提供されるのではなく、オンラインの申込み画面のフォームに入力し、面接官がそれを出力して面接カードとして使用することになります。

好印象な面接カードの特徴

正確に従って記入されている

 好印象な面接カードの特徴その1として、要求された指示に正確に従って記入されていることが挙げられます。
公務員に要求される最も基本的な資質のひとつとして、「きちんと指示に従うことができる」ということがありますが、公務員試験の面接カードの記載についても同様のことが求められるわけです。面接カードの質問事項の中で求められている事項については取りこぼしのないよう漏れなく記載しなければなりません。
たとえば「やりたい仕事を、具体的に志望動機を含めて」と書かれていたら、やりたい仕事内容の具体化とそれと関連した志望動機の記載が必要です。また、記入の順序などについても面接カードの指示通りの順序で記載するほうが無難です。たとえば東京都特別区のエントリーフォーム中の3分間プレゼンテーションでは「挑戦したい仕事、生かせる強み、志望動機」の順序で記載することが要求されていますから、フォームの中にもこの順序で記載するほうが無難です。

全体が一つのストーリーとなっている

 好印象な面接カードの特徴その2として、全体が一つのストーリーになっていることが挙げられます。
面接カードの各質問項目はその受験生のこれまでの人生であったり、その結果形成された性格であったりを面接官が知るための資料です。一見何の脈絡もないそれぞれバラバラな質問項目のように見えても、実は適性のある受験生を探し出すというひとつの目的に向けられています。面接で採用が決定されるのはその官公庁が求めている人材像と受験生の持っている強みなどが一致したときですが、このマッチングを面接カードの各質問項目を通じてアピールしなければなりません。なぜその質問項目があるのかという意味をしっかりと考えて、それに真正面から答えられるように記載内容を決めましょう。そのためには志望先官公庁がどんな人材を求めているのかを採用サイトなどを調べて把握する一方で、それに合った自分の強みをそれが活かされた過去の経験から探さなければなりません。

丁寧な文字

 好印象な面接カードの特徴その3として、内容面のほかに文字の大きさや丁寧さなど形式面にも気を配らなければなりません
面接官にとって初対面の受験を知る最大の資料が面接カードです。そして、面接試験は15分から30分という短い時間の中で受験生を採用するかどうかを決める試験ですから、第一印象が大切です。その第一印象を決定付ける最も大きな要素が面接カードの記載です。ですから、誤字や脱字がNGなのはもちろん、やたらと訂正が多かったりするとマイナスに働きます。書きなぐったような乱雑な文字も論外です。達筆である必要はありませんが、できる限り丁寧に読みやすい文字で書きましょう。 また、面接官の中には老眼の方もいらっしゃるはずですから、小さな字でゴテゴテ書くのも気配りが感じられませんから、避けるべきです。さらに、面接カードに印刷されている回等の枠の大きさに比べて、極端に少ない量の記載も熱意が感じられず、印象がよくありません。

面接カードの具体的な書き方

自己PRの書き方

 自己PRは「自己紹介」とは異なります。「自己紹介」は自分の生い立ちや家族構成などいわば「自分史」を簡潔に紹介するものですが、自己PRはこれとは異なり、他の受験生と比べて自分を採用するメリットを積極的にPRしていかなければなりません。面接官に「この受験生を採用したい」と思わせるためには、自分の強みを明瞭に印象付ける必要があります。
そのためには、「要するに何が強みなのか」という結論先行で簡潔にアピールすることが必要です。まず、他の受験生にはない自分の強みを明確に打ち出し、次いでそれを根拠付ける経験をわかりやすく簡潔に述べてください。そして、それが採用後の職務のどこに生かせるのかをアピールします。それから自己PRでアピールする強みは単に「自分がアピールしたいこと」ではなくて「相手が求めているもの」でなければなりません。したがって、自己PRを組み立てる前提として受験先の求める人材像を調査し、自分の強みの中でそれに合うものを選びます。また、沢山の強みを盛り込むとそれぞれの強みと裏づけ経験や職務への活かし方との繋がりが不明確になり、説得力に乏しいものになってしまいますから、一つの強みに絞りましょう。

志望動機の書き方

 国家公務員と地方公務員では志望動機の作り方が若干異なります。
国家公務員は自分の選んだ仕事に従事するので、その仕事を選んだ理由が表現できれば良いわけです。だから面接カードも志望動機とやりたい仕事の欄が分かれていないのが通常です。
①その仕事を選んだ理由→②その仕事に自分の強みでどのように貢献できるかというようなアピールや、 ①その仕事を最初に知ったきっかけ→②それを自分の仕事として意識した理由→③併願先との関係でそこを第一志望にしようと確信した理由というようなアピールが考えられます。
これに対して地方公務員の場合は、さまざまな仕事に従事しなければなりませんから、志望動機で「こういう仕事をしたいから」といってもそれができるとは限りません。したがって、厳密にいうと志望動機はやりたい仕事とは区別された、職場の魅力ということになります。だから面接カードも志望動機とやりたい仕事は別々になっているのが通常です。職場の魅力を分析する場合、受験先と正反対の官公庁やよく似た官公庁と比べてその差異を指摘するとよいでしょう。窓口業務のある市区町村はそれのない都道府県と比べて住民への貢献の仕方も違ってきます。

面接カード書く際の注意点

面接カード書く際の注意点

 教養論文と異なり、面接カードでは言いたいことを全部書いてしまうと、面接官はそれを聞く必要がなくなってしまうため、「これはこれで分かったから、他の質問を」ということになり、準備したことが役に立たなくなってしまいます。ですから、それぞれの質問項目について、自分が面接試験の場でどういうことを話したいのかを考え、そういう話をするにはどういう質問がされる必要があるかを考え、そういう質問をしたくなるためには面接カードにどのように書く必要があるか、というように時系列を逆にたどって戦略を練る必要があります。そうすると、詳しく話したい部分いついてはそれについて聴いてもらえるようにぼかした書き方をする必要もあります。

面接カードの実例

国家一般職

  • 基本情報(試験の区分、第1次試験地、受験番号、氏名)
  • 最終学歴
  • 職歴の有無
  • 専攻分野
  • 志望動機・受験動機
  • 志望官庁等
  • これまでに取り組んだ活動や体験(達成感があったと感じたり、力を入れてきたりした経験について)
  •   学業や職務において

      社会的活動や学生生活において(ボランティア活動、サークル活動、アルバイトなど)

  • 関心事項
  • 趣味、特技など
  • 自己PR

裁判所職員

  • 基本情報(受験番号、氏名、生年月日・年齢)
  • 裁判所職員を志望した動機
  • 趣味・特技(好きなスポーツなど)
  • これまで加入したクラブ活動・サークル活動等の集団討論
  • 長所
  • 短所
  • あなたがこれまで個人として力を入れて取り組んできた活動や経験
  • あなたがこれまでに目標達成に向けて周囲を協力して(チームで)取り組んだ活動や経験
  • 自己PR

東京都T類B(一般方式)

  • 基本情報(受験番号、2次試験日程、氏名)
  • あなたがこれまでに学習したこと又は研究した内容などを書いてください。受験する試験区分に関係するものがある場合は、そのことを中心に書いてください。
  • あなたがこれまでに力を入れて取り組んだことについて、取組期間も含めて書いてください。
  •  

     

     

  • これまでに取り組んだことの内、成果や達成感を得た経験(1つ)について、あなた自身の行動を中心に具体的に書いてください。
  • 東京都を志望した理由について書いてください。
  • 東京都に採用されたらやってみたいことについて、具体的に書いてください。
  • 職歴の有無
  • 希望する行政区分

静岡県職員採用試験(大卒業程度)

  • 基本情報(面接試験日、職種、受験番号、氏名、顔写真等)
  • 学歴
  • 選考学部・学科を選んだ動機・理由
  • 卒業研究又はゼミナールのテーマ
  • これまで参加した部活、クラブ、サークル、ボランティア活動等
  • インサーンシップ
  • 職歴
  • 就職活動等の状況
  • 採用された場合の勤務地の希望
  • 特技、趣味、好きなスポーツ等
  • 資格、免許等
  • 志望理由等
  •   静岡県職員を志望した動機・理由

      静岡県職員として取り組んでみたいこと

  • 学生の場合は学生死活、職務経験のある者は職歴を通じての経験も併せて記入してください。
  •   努力したこと、達成感を得たこと

      失敗したこと、挫折感を味わったこと

  • あなた自身について
  •   得意なこと、自分の長所と考える点

      苦手なこと、自分の短所と考える点

まとめ

 公務員試験の面接試験では第一印象が大切であり、その第一印象をかたちづくるうえで、面接カードは大変重要です。また、公務員試験の面接試験では面接官の質問はほぼ面接カードに沿ってなされるため、そういう意味でも面接カードは重要です。そのため公務員の試験種ごとのの面接カード対策は面接対策で大きなウェイトを占めますが、民間企業のエントリーシートと異なり、面接カードだけで審査されそれで合否が決定されるということはほとんどなく、面接カードは面接試験の入り口であったり、質問するための資料としてきっかけとなるに過ぎないものです。こうした面接カードの特徴を自分の中で正確に位置づけ、採用側が求めるものに真正面から答え、採用に結びつくPRができるように、しっかりとした戦略をもって面接カードの記入を行うことが大切です。

松浦明義LEC専任講師
監修者:松浦明義LEC専任講師
人事院面接・官庁訪問対策に精力を注ぎ、蓄積したデータと経験、そして霞ヶ関との人脈とともに多くの行政官を霞ヶ関に送り出している。
松浦明義LEC専任講師

LECが選ばれる理由

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