LEC合格講座出身の司法書士実務家の方々にインタビューしました。
合格後の進路は法人事務所勤め、独立開業、海外出向と選択肢に幅があり、また登記・裁判・成年後見・相続業務、企業法務など業務内容も多岐に渡ります。
司法書士を目指す方にとって、合格後の就職やビジョンを考える上で参考になれば幸いです。
遊んでいた大学生時代から司法書士に!
柳 至朗 先生
合格年度 | 2018年度 |
---|---|
事務所 | 石原一成司法書士法人 |
司法書士になろうとしたきっかけ
地元大学の法学部に進学し、サークル活動で大学祭などのイベント運営に取り組んでいた私は、生まれ育ったこの岡山の街で地域に根差した法律家になりたい、若い力で地域を盛り上げたいという思いで、司法書士を選びました。
大学OBの司法書士の先生方が授業に来てくださっていたこともあり、司法書士という資格に自然と興味を持つようになりました。業務内容を知り、また、短期間の勉強で合格し、若くして現場で活躍している先生方の存在が刺激になり、自分も早く法律家として活躍したいと思い、短期合格を目指して受験勉強することを決心しました。
司法書士になってよかったこと
自分の知識がお客様の生活や、お悩み解決の手助けになることは、とても大きな喜びを感じます。また、自分の判断が取引の成立や、資金の実行の要件になるような業務では、資格の重さをやりがいとして感じます。司法書士の業務の範囲は、自分の想像していたものよりも幅広く、法律知識や法務の実務知識が社会から必要とされていることを感じます。社会生活や経済活動に広く携われる仕事に就けたことを嬉しく思います。
現在主に行っている業務について
私の所属する事務所は、現在司法書士6名、補助者14名が在籍しており、それぞれが日々様々な業務に当たっています。不動産取引に関する業務、相続に関する業務が多くを占めていますが、商業法人登記に関する業務や、裁判関連の業務も幅広く受任しています。取引の多い日は社内全体で連携し合い、難しい案件があれば知恵を出し合い、組織力を強みに業務に当たっています。
今の事務所に就職しようと思った決め手
LEC岡山校に掲載されていたスタッフ募集の張り紙を見たのが最初のきっかけです。LECのスタッフの方々や、知り合いの司法書士の先生方から当事務所の話を聞き、大きな事務所で、有名な先生方だと聞き、自分の目指す世界の最前線で活躍する先生方はどんな人たちなのだろうと興味を持ち、勉強を始めたばかりの受験生でしたが、会ってみたいという一心で面接希望の電話をしました。短期合格を目指して勉強していること、勉強と両立して、先生方の下で実務の修業をさせてほしいことを伝えると、快く受け入れて下さり、アルバイトで入社したのが始まりです。その後、受験時代は勉強を応援してもらいながら、様々な業務経験をさせていただき、無事1年で合格することができました。合格した後は、この事務所で先生方、スタッフの皆さんとこれからも仕事がしたい、成長して恩返しがしたい、ここのみんなともっと高みを目指して頑張りたいという思いで、そのまま就職し、今は法人の社員(特定社員)として働いています。
これからやってみたい業務や、今後のビジョン
今は日々の業務にしっかり向き合い、法律家として、実務家としてレベルアップしていくことだと思っています。まずは今必要として頂いている既存の業務分野でしっかりと精度を上げていきたいです。その中で将来に向けて意識を置いていることがあります。
私たちの職域は、基本的には有事に力を発揮するものです。例えば、相続手続きであれば、相続が発生して、様々な手続きが必要になることで業務が生まれます。不動産取引の分野であれば、売買に伴いお金が動き、権利関係が変動して業務になります。何らかの出来事が起こることで事後的に司法書士の役割が生まれます。しかしまた、近年は有事に備えるために先行して知識を活用する業務分野が増えています。例えば、家族の形や資産承継の考え方が多様化してきたことで、生前から相続に備える遺言の需要が高まったり、高齢化に伴う判断能力の低下に備えるために、民事信託の活用が注目されるようになったりと、有事に備える予防法務的な分野の重要性を感じます。時代の変化に伴い、その時代に合った法務の活用方法が注目されるのです。現在26歳の私がこの仕事をこれから先20年30年と続けていく中で、きっとまたその時代毎に新しい需要が生まれ、新しい考え方のもとで職務に当たっていくのだろうと思います。
法律知識や法務のノウハウを、時代の変化に合わせて活用し、人々の生活を豊かにできる法律家でありたいです。それには時代の流れの先を読むことであったり、目に見えない潜在的な需要を見逃さないことであったり、日常の業務に付帯関連する周辺分野にも視野を広げ、時代の変化に合わせて多様化するお客様のニーズを捉え、常に新しい発想を持って業務に当たっていくことが大切だと思っています。これからの未来の「法務」の新しい可能性を広げていける、そんな法律家を目指してがんばります。