LEC合格講座出身の司法書士実務家の方々にインタビューしました。
合格後の進路は法人事務所勤め、独立開業、海外出向と選択肢に幅があり、また登記・裁判・成年後見・相続業務、企業法務など業務内容も多岐に渡ります。
司法書士を目指す方にとって、合格後の就職やビジョンを考える上で参考になれば幸いです。
学生時代から司法書士に憧れ!
山口 元気 先生
合格年度 | 2015年度 |
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事務所 | 鈴木得央司法書士事務所 |
司法書士になろうとしたきっかけ
司法書士になろうと思ったのは、大学3年生の頃将来の進路を考え始めた時期に、とあるNHKのドキュメンタリー番組を見たことがきっかけでした。
その番組では、闇金に手を出して困っている2つの家族に密着していました。1つの家族は、闇金からの激しい取り立てに精神的に追い込まれて一家心中してしまいました。もう1つの家族は、「法律家である司法書士にダメ元で相談しよう、それでもダメなら一家心中しよう。」と、大阪の司法書士まで相談しに行きました。
そして司法書士が、つい先ほどまで家族と通話していた闇金業者へ電話を掛け直すと、闇金業者は「なんやねん!さっさと金払えや!」と家族と勘違いしながら罵声を浴びせていました。しかし、司法書士が「司法書士の近藤です。すいませんが、これ払えませんわ。」と一言言うと、「はい、わかりました。」と言って、それ以降、取り立てが一切なくなったのです。
これを見た当時の私は、出資法についての知識がなく、いったい何故司法書士の一言で取り立てがなくなったのか不思議に思いました。またそれと同時に、法律の不知が人生を左右すること、そして私もこんな困っている人を救える仕事をしたいと強く思いました。これが司法書士を志したきっかけです。
司法書士になってよかったこと
司法書士になってよかったことは、依頼者や社会の役に立っていることを実感できることです。
毎日のように依頼者から「ありがとうございました。」と言っていただけますし、会社員のように所属している会社に対してではなく、自分個人に対して感謝の言葉をかけていただけるので、直にやりがいを感じることができます。
また、若いうちに合格すれば、通常会社員として勤めていればなかなかお会いできない企業の代表者とお話させていただく機会が多いので、様々な刺激を受けることができます。
現在主に行っている業務について
不動産登記、商業登記、裁判関連業務等、幅広く取り扱っています。
不動産登記は、相続や決済の他に、地上権、地役権、事業用定期借地権等の用益権の登記も受任しています。
商業登記は、役員変更、株式会社・合同会社の設立が比較的多いですが、合併や組織変更、解散・清算等、会社・法人に関する手続き全般の相談を受けています。
裁判関連業務は、過払金返還請求訴訟や破産申立、家裁申立案件等の案件を受任しております。
印象に残っている仕事のエピソード
初出廷した日の朝、当時の所長に「傍聴したことあるなら、裁判も大丈夫!」との一声で突然裁判に行くことになりました。裁判はドラマや傍聴でよく見たことはありましたが、実際に自分が代理人の席に座ると感慨深いものがありました。実際の裁判では、互いの主張は準備書面で済んでおり次回期日を決めるくらいだと聞いていましたが、初日から相手方弁護士と口頭で主張や反論を数十分もやり取りしたので、いい経験を積めたと思っています。
今の事務所に就職しようと思った決め手
半独立(開業届を提出し個人名義で事件を受任しつつも、事務所の仕事を行い毎月固定の業務委託報酬をもらう形態)が認められていた点です。
以前は司法書士法人に勤務していたのですが、将来独立することを考えると、実務だけでなく、営業や経営等も学べるため、完全な独立に向けて新しい一歩が踏み出せたかと思います。
事務所選びの際に重視したこと
幅広い業務内容と代表の人柄です。様々な案件をこなせるため、実務経験を済むこともできますし、今の事務所に3年以上いますが、人間関係でストレスを感じたことは一度もありません。