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司法書士実務家インタビュー 小宮山 訓章 先生

全国司法書士実務家インタビュー

LEC合格講座出身の司法書士実務家の方々にインタビューしました。
合格後の進路は法人事務所勤め、独立開業、海外出向と選択肢に幅があり、また登記・裁判・成年後見・相続業務、企業法務など業務内容も多岐に渡ります。
司法書士を目指す方にとって、合格後の就職やビジョンを考える上で参考になれば幸いです。

60代で司法書士に!

小宮山 訓章 先生

小宮山 訓章 先生

合格年度 2014年度
事務所 小宮山司法書士事務所

司法書士になろうとしたきっかけ

大学の法学部を卒業し、定年まで事務職として働いてきたので、検討する対象になったのは、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士といったところでした。弁護士は、60歳になってから勉強するのは困難であること、税理士や社会保険労務士は個人というより企業(小さいとはいえ)にかかわることが多いのではないかと考え、迷うことなく司法書士を目指しました。

司法書士になってよかったこと

小宮山 訓章先生写真1

児童養護施設や高校での講義をすること、空家等対策協議会委員に就任することなどを含め、司法書士という資格がなければ経験できないようないろいろなことをさせていただき、40年間のサラリーマン生活とは異なる世界で、楽しく、やりがいをもって仕事ができ、本当に良かったと感じています。

また、地域の中で個人のお客様を得て、仕事をさせていただき、仕事が終了すると報酬をいただきながら、とても感謝されることは、組織の中で働いてきたものにとっては、得ることのできなかった喜びであります。

現在主に行っている業務について

遺産承継業務を含む相続手続き、成年後見、遺言書の作成などの仕事を中心に、主に住まい近くのお客様の各種相談・要請にこたえるなかで、仕事をしています。
司法書士の若手から成る青年司法書士協議会のなかに、児童養護施設での法律教室を開催するグループがあり、合格後そこに入れていただき、法律教室で講師として参加してきました。

また、年に1、2回ですが、高校で法律講座として、講義をさせていただいています。今年も1月に3年生の経済社会の最後の授業で、「契約とは」というテーマで、実際の社会事例をもとに講義をさせていただき、生徒や教諭の方からとても感謝されました。68歳になって高校の教壇で講義ができることは、司法書士の資格があってこそだと、改めてうれしく感じています。

また、平成30年から私が住む茅ヶ崎市の空家等対策推進協議会の委員に就任したり、令和元年度からはリーガルサポート神奈川で指導監督委員会の委員長に就任するなど、司法書士という資格がなければ経験できなかった、いろいろな経験をさせていただいております。

印象に残っている仕事のエピソード

司法書士を開業して1年ほど経った時に、ある遺産承継業務の仕事をしました。業務を遂行する中で、相続人達が、財産は承継するが、被相続人の遺骨は受け取らないという事例だったのです。遺骨の処分は、遺産承継業務の仕事ではないのですが、放置するのもいたたまれずに、亡くなられた方のゆかりのお寺を探して、相続人ではない関係者と私で納骨いたしました。その際に、お経の一つも読んであげられたらよいのにと感じたことが、その後、僧侶の勉強を始めた契機となっています。我が家が浄土真宗であったこともあり、本願寺系のお寺で研修修業し、2019年4月に僧侶となる資格を取得しました。
(僧侶として名乗るには、得度という儀式を経なくてはいけませんが、得度はしていません。現在得度はせず、僧侶を名乗ってはいません。)

開業時に重視したことや仕事の増やし方は

小宮山 訓章先生写真2

自宅の一階和室をリフォームして事務所として、開業しました。自宅兼事務所のため、見知らぬお客様を自宅に入れるのを避けたかったので、インターネット等で広告を出すのは控えました。

最初の1年は、会社生活時代の知り合いや近所の方の相談に応じただけでしたが、その方たちの紹介で仕事が増え、3年目以降は、半径1キロ四方の個人のお客様の仕事で、事務所経営が成り立っています。
口コミ(紹介)だけで、次々と仕事をいただけて、正直驚き、感謝しています。

司法書士として今後のビジョン

私の事務所は住宅街にあり、お墓や仏壇、法事について質問を受けることがあります。夫婦とも一人っ子で、自宅に宗派の違う仏壇が二つあり、この先どうしようか悩んでいるとか、そういう時に私なりの解釈をお伝えすると大変喜ばれます。

そういったこともあり、相続にかかわるお仕事をやらせていただく中で、相続の半分はお金、もう半分は心ということを感じることも少なくありません。司法書士として財産承継という仕事をさせていただく中で、相続をきっかけに心の問題という視点から、相続人(ご遺族)の気持ちを受け止め、その心の課題に向き合えるようになれたらと考えています。

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