LEC合格講座出身の司法書士実務家の方々にインタビューしました。
合格後の進路は法人事務所勤め、独立開業、海外出向と選択肢に幅があり、また登記・裁判・成年後見・相続業務、企業法務など業務内容も多岐に渡ります。
司法書士を目指す方にとって、合格後の就職やビジョンを考える上で参考になれば幸いです。
合格後すぐに独立開業!
三浦 明裕 先生
合格年度 | 2011年度 |
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事務所 | 三浦司法書士事務所 |
司法書士になろうとしたきっかけ
大学の法学部に在籍していたことから、せっかくなので、大学で勉強した知識を生かして、社会に貢献していきたいと考えていました。私が就職活動を始める年度に、ちょうど法科大学院が発足し、また、高校生の頃に、検察官に憧れていたこともあったため、当初は司法試験を目指そうとも考えましたが、法科大学院の学費が思った以上に高額だったことと、さすがに自分の能力では司法試験に太刀打ちできないのではと思ったことを考慮し、別の道を探すこととなりました。
いくつかの職業について調べ、右往左往しているうちに、司法書士という資格があることを知り、仕事内容が自分に向いているのではないかと直感的に思い、大学3年生の冬から、司法書士を志すこととしました。
司法書士になってよかったこと
「仕事内容が自分に向いている」と直感したことは、間違いではなかったと思っています。相手の話を丁寧に聴き取り、法律的な要件を抽出し、その内容を書面に起こし、作成した書面を適切な時期に適切な機関へ提出するのが司法書士の基本的な業務ですが、その業務を毎日繰り返すことに対して、ストレスを感じないことが一番良かったことだと考えています。
現在主に行っている業務について
事務員もいない一人事務所ですので、仕事をこなせる量に限界がありますが、受けられる依頼は全て受任しています。割合としては、不動産登記が6割、成年後見業務が2割、商業登記と一般民事事件が1割ずつといった感じです。
開業しようと決意したきっかけ
恥ずかしいのですが、研修修了後の就職活動に乗り遅れてしまい、独立以外に選択肢がなかったというのが正直なところです。配属研修でお世話になった先生から「間借りでいいならうちの事務所に来ても良いですよ。」というお話をいただき、後先考えずにその話に飛び乗ったのがきっかけです。
開業時に重視したこと
開業当初は、先輩の先生の事務所を間借りしたので、立地については全く考えていませんでした。
3年程その事務所で間借りさせていただき、私自身が結婚したことをきっかけに、自宅兼事務所の形態で業務をすることとなりました。自宅兼事務所とした理由は、単にコストを抑えるためでした。
当時の事務所(兼自宅)の立地で重視したことは、所属している司法書士会の会館からできるだけ近い場所という点です。登録後数年経過すると、自分の業務だけではなく、会務のために、司法書士会館に行くことが増えてきますので、事務所(兼自宅)と司法書士会館との距離は、非常に重視しました。
1年程、自宅兼事務所の形態で業務をしていましたが、その後、子どもが生まれたことがきっかけで、今のテナントビルに事務所を移転しました。ただ、そのテナントビルも、自宅兼事務所だった場所から徒歩3分程度の場所です。自宅と事務所を近接地にした理由は、通勤にかかるコスト(時間と費用)を抑えたかったのと、その地域の治安が良く、自分や家族にとっても住みやすい環境でしたので、今後業務を行うにも適切な場所と考えたからです。
これからやってみたい業務や、今後のビジョン
同業者から怒られるかもしれませんが、特に将来のビジョンというものはありません。一つ一つの依頼に真剣に向き合い、仕事をいただいた方々や仕事を通じて出会った方々に礼儀を尽くし、毎日淡々と、冷静に業務をこなしていくだけです。
「自分がやってみたい業務」というよりは、自分の周りの方々や社会全体が、「司法書士にやって欲しい」と思う業務を、予断や偏見を持たずに挑戦し、そのうえで、時代が必要とする司法書士になれれば幸甚だと考えています。