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弁理士実務家インタビュー 小林奈央

弁理士実務家インタビュー 小林奈央

知財で世の中を変えていくお手伝いができる楽しさがあります。

-小林奈央- TMI総合法律事務所/弁理士

弁理士を目指したきっかけ

会議室にて

会議室にて

マスコミでの仕事に憧れを抱き、新卒で入ったのは新聞社でした。やりがいはありましたが、新聞記者は予想以上に肉体的にも精神的にもハードな仕事だったため、ずっと続けていくのは難しいと感じました。30歳を前に出産し、年齢的にも一生の仕事を探す最後のチャンスと思っていたとき、特許事務の仕事と出会いました。

就職した特許事務所は化学分野の特許を扱う事務所だったので、文系の私には技術的な内容を理解することはできませんでしたが、特許事務として働くうちに、海外とのやりとりも多い知的財産の世界に魅力を感じ、知財の制度についてもっと深く知ったうえで仕事をしたいと思うようになりました。特許事務の仕事自体も、細かい事務作業が好きな私の性格に合っており、このまま楽しく働いていけそうではありましたが、一生この世界で仕事をしていきたいと考えたときに、弁理士という資格を取得すれば、より仕事の幅を広げることができるのではないかと思い、弁理士試験を受けることを考えました。

私は語学系出身なので、技術系でも法律系でもない自分が弁理士を目指してよいのだろうかという迷いもありましたが、「勉強してマイナスになることはないし、思い立ったのなら始めてみてはどうか」と、事務所の先輩弁理士に背中を押していただき、事務所に入ってちょうど1年後に勉強を始めました。仕事と子育てにプラスして資格の勉強もするとなると、時間のやりくりが大変そうだなと思いましたが、子供が小学生に上がればより勉強時間の確保も難しくなるのではないかと考え、一発合格を目指しました。

現在の業務について

主に商標の内外(日本の企業が外国へ出願)・外内(外国の企業が日本へ出願)業務を担当しています。海外に携わる仕事なので、読み書きを中心に日々英語を使います。学生のときに好きで勉強していた英語が、このような形で仕事に活かせるとは思いもしませんでした。出願だけでなく、審判や訴訟に関わることも少しずつ増え、事務所の弁護士や弁理士とチームを組んで案件を担当しています。

商標の業務で異議申立てや審判を行う場合、その商標がいかに日本国内で周知されているかといった情報を集めるために、新聞・雑誌記事データベースや、都立図書館、国会図書館、雑誌専門図書館などでの資料収集をすることがあります。デスクワークだけでなく、実際に商標が使用されている店舗やイベントに出向いたりすることもあります。また、異議申立てや審判では客観的な数字がものを言いますが、以前担当した映画に関係する案件では、その商標がいかに多数の需要者の目に触れたかを立証するために、興行収入ランキングや観客動員数のほか、パンフレットや前売り券の販売数なども調べました。

地道に証拠を集め、説得力のある書面を書くことが弁理士には求められますが、この点は以前の新聞記者としての取材・執筆経験がとても役に立っています。

印象に残った仕事

事務所内風景

オフィス内ライブラリー

現在進行中の仕事ですが、いま、ミャンマーの商標制度の立ち上げに関わらせていただいています。ミャンマーでは、近く新しい商標法が施行される予定ですが、我が国の特許庁がその法整備の支援を行っており、弊所も協力しています。具体的には、ミャンマーの商標法の参考英訳・和訳の作成を行ったり、施行規則案をレビューしてユーザーにとって利便性の高い制度になるよう意見を提出したりしています。

また、別件では、単色の色彩のみからなる商標の権利化に携わっています。色彩のみからなる商標は、制度自体が新しく、我が国での登録例もまだまだ少ないので、何もかも手探りの状態です。しかし、ベテランの弁護士や弁理士の先生方とともに、いろいろな知恵を絞って登録に向けた戦略を考えることはとても刺激的で面白く、商標弁理士として得難い経験をさせてもらえることに感謝しています。

弁理士としてさらに上位の仕事をする為に

クライアントにより良いサービスを提供するために、弁理士になってからも当然ながら勉強が必要です。国内の審決例や判例のキャッチアップ、海外の法制度についての知識のアップデートのほか、クライアントや現地代理人に対して簡潔かつ伝わりやすい英語を書くこと、内外・外内それぞれの立場に立つことで代理人として望ましい対応を考え、実践することなど、実務を通じて学べることは沢山あります。そうして学んだことをクライアントに還元し、学びと還元のサイクルを速く、数多く回すことが弁理士としての成長スピードにつながると考えています。商標の審決速報を通勤時に毎朝チェックしていると、今まさに担当している案件の参考になる事例があったりして、学ぶことがすぐに実務につながる喜びがあります。

弁理士の魅力とは

虎ノ門ツインビルディングのオフィスにて

オフィスからの景観

良くも悪くも、自分の業務が結果や評価に直結するところが、士業の怖くもあり、面白いところでもあると思います。メールでの数行のコメントでも、クライアントのビジネスに与える影響を考えると、その責任の大きさに緊張することがあります。商標は、広く世間の目にふれやすい形で使用されることが多いので、世の中に与えるインパクトは大きいと感じます。自分が案件で取り扱ったクライアントの商標を街中やお店などで見かけるとやはり嬉しいです。この仕事をしていると、世の中の至るところに知的財産が存在することを実感します。弁理士という仕事は、クライアントの大切な知的財産を権利として適切に保護・活用することで、新たな価値をもった商品やサービスを世に生み出すお手伝いができるという楽しさがあります。

これから弁理士を目指す方へ

理系出身でない、法律を学んだことがない、という理由で知財の世界に飛び込むのを躊躇するのはもったいないと思います。弁理士は、「言葉」で権利を生み出し、守る仕事なので、文章を読んだり書いたりするのが好きな人や、語学が好きな人には向いている仕事です。なかでも商標の業務は、新しいモノやサービス、流行にアンテナを張ることも仕事のうちなので、そういったことに敏感な人には向いていると思います。私も最初は弁理士を目指してよいのか迷った時期もありましたが、一歩踏み出して本当によかったと思います。一人でも多くの方が、知財の世界に足を踏み入れてくれることを願っています。

弁理士実務家インタビュー
竹下敦也 CABINET PLASSERAUD(キャビネ・プラスロー)フランス 日本国弁理士 鮫島正洋 内田・鮫島法律事務所 代表パートナー/弁護士・弁理士 龍華明裕 RYUKA国際特許事務所所長/弁理士/米国弁護士 岩井優子 つばさ国際特許事務所/弁理士 池本和博 富士通株式会社 知財部 鍋島康雄 エリーパワー株式会社 知財部 前田大輔 小西・中村特許事務所 小林奈央 TMI総合法律事務所

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