知的財産に関するニーズはあらゆる業界において高まっており、その中核を担っているのが弁理士です。最近では「特許」「商標」といった知的財産にまつわるワードをニュースで目にする機会が増えています。
実際に弁理士試験の難易度やどのような方が目指しているのでしょうか?ここ数年の合格者データから探ってみましょう!
※本データは特許庁発表の弁理士試験統計データに基づいています。
受験者数と合格者数の推移

- 令和二年度弁理士試験
- 受験者数 2,947人
- 合格者数 287人
- 合格率 9.7%
上記は令和二年度の弁理士試験の合格率です。
受験者数は年々減少傾向にあり、令和元年度の受験者数は3,488人、平成30年度の受験者数は3,587人、平成29年度の受験者数は3,912人となっております。
一方で合格者数と合格率は、平成29年度の合格者数255人と合格率6.5%から3年続けて微増し、下げ止まりの気配です。合格率が底を打ったことで、受験環境としては今後安定していくことが期待できます。
- Point! 合格者数が少ないということは、合格後にライバルが少ないということを意味します。 このことからも弁理士試験はより目指す価値の高い試験になってきているということが言えるでしょう。
各試験形式の合格率
弁理士試験では「短答式試験」「論文式試験」「口述式試験」の3段階で実施されます。それぞれの試験に合格した方だけが次の試験に進むことができます。

- 短答式試験
- 令和二年度の短答式試験は短答受験者数2,259人中、411人が合格となり、合格率は18.2%となりました。平成29年度の合格率が8.9%であったことを考えると、大幅に改善しています。
- 正答率と難易度分析から探る 短答式試験攻略法!
- 論文式試験
- 令和二年度論文式試験の合格者数は265人、合格率は25.0%でした。令和元年度の合格率25.5%、平成30年度の合格率23.9%と、過去10年の合格率はいずれも20%台で推移しており、比較的安定した合格率となっています。
- 口述試験
- 令和二年度口述試験の合格者数は278人、合格率は98.6%でした。令和元年度の合格率95.6%に引き続き、非常に高い合格率となりました。
職業別合格者の割合

近年、合格者の社会人割合が多い傾向にあります。令和二年度は弁理士試験合格者のうち社会人割合が87.8%でした。
- Point! 右の職業別合格者の割合からも明らかなように、学習時間をとりやすい学生等よりも、働きながら勉強して受験をされている方の合格率が高いのは、学習の効果や試験の合否が、就業の有無よりも「学習時間をいかに効率的に使うかにかかっている」ということです。社会人でも勿論合格が可能です。