納冨先生の明確かつ効率的な学習方法で実現した一発合格
K・Tさん
年齢 | 41歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 会社員 |
出身校 | 立教大学法学部 |
受講講座 | 1年合格ベーシックコース インプット+アウトプット一括 |
選択科目 | 受験した 民法 |
弁理士を目指した理由・きっかけ
企業の知的財産部で働く中で、効率的かつ精度の高い事業判断をサポートし、会社により大きな価値を提供するため、弁理士試験に挑戦することを決意しました。
外部環境の変化が激しい中で、適時に事業戦略をアップデートするには、その時々の事業状況に応じた知的財産の活用方法やリスクを迅速に洗い出し、事業部門と連携して検討する必要があります。
これまでは特許事務所の弁理士に助言を求めることで対応してきましたが、事業の詳細な背景を共有するためのコミュニケーションに時間を要する場面もありました。自ら弁理士資格を取得することで、自己完結でできることを増やすことや、特許事務所の弁理士との連携度合いを高めることを通じて、より迅速かつ的確に事業部門の判断を支援し、会社に貢献できると考えました。
LECを選んだ理由
納冨クラスの卒業生から、納冨先生の講義がとても分かりやすく効果的であること、さらに講義の前後で行う予習や復習についても、学習すべき内容、量、時期まで具体的に指示してくださる点が非常に良いと薦められたことが、LECを選んだ理由です。仕事や家庭との両立を図りながら、難関の弁理士試験に短期間で合格するためには、自ら試行錯誤して学習方法を模索する時間を省き、信頼できる指導に従うことが最も効率的だと考えました。
そこで納冨先生の指示に従えば、限られた時間を最大限に有効活用できると感じたため、LECを選びました。
LECで受講した初学者向けコースとその担当講師について
「1年合格ベーシックコース」は、入門講座、論文基礎力完成講座、短答基礎力完成講座という3段階からなり、それぞれの講座で弁理士試験に必要な学習範囲を異なるレベルで学び直す「3回転学習法」が採用されていました。この学習法により、基礎から応用まで無理なく段階的に知識を深めることができました。
まず、入門講座では主要な規定の趣旨や要件を中心に学習しました。条文の細かな内容には踏み込まず、大まかな全体像を把握することに重点が置かれた内容であったため、初学者である私でも無理なく理解を進めることができました。この段階で得た大枠の理解が、その後の学習の基礎となり、スムーズに次のステップへ進む助けとなりました。
次に進んだ論文基礎力完成講座では、入門講座で学んだ学習範囲をさらに掘り下げ、論文試験で頻出する論点を中心に、答案構成や論文作成の具体的な方法を学びました。入門講座で得た断片的な知識がつながり、具体的な場面をイメージしやすくなりました。
最後の短答基礎力完成講座では、逐条形式で条文を深く掘り下げる学習をしました。それまで粗く身につけていた知識が深まり短答試験に求められる言い回しや細かな表現の違いを正確に判断する力を養うことができました。これにより、知識の精度が高まり、本試験への対応力が整いました。
3回転学習法の大きな利点は、同じ学習範囲を反復学習する構成になっているため、初めて学ぶ内容をその場で完璧に仕上げる必要がなく、段階的に知識を深めていける点です。この仕組みにより、プレッシャーを感じることなく、単元ごとの知識にムラを作らずに最後まで学習を進めることができました。
このように、「1年合格ベーシックコース」は、初学者が弁理士試験に必要な学習範囲を段階的に学びながら、基礎から応用までを効率的に習得できる非常に優れたカリキュラムでした。
納冨先生は「有限にして完成度を高める」を指針として掲げられており、必要十分な学習方法のご指示を明確にくださったため、学習への迷いや無駄を感じることがなく進めることができました。具体的には、納冨先生はこれまでの合格者の実績や近年の試験傾向を踏まえ、ご自身の中に明確な「今年受かる合格者像」を持っておられ、その像に基づいて、学習すべきこととやらなくてよいことを的確に取捨選択して指導してくださいました。
例えば、「中間対応はこの時期に過去問の正答率〇%以上の問題は解けるまで練習するように」や「国際特許出願は条約の学習とともに理解が深まるから、今は概要を知る程度でよい」といった形で、各単元ごとにその時点で必要とされる理解度の目安を示していただきました。また、短答答練では「この問題はこういう間違い方をした場合は気にしなくてよい」、論文答練では「この部分は絶対に書ける必要があり、この部分は書けなくてもよい」といった形で、得点だけでは測れない到達度の目安も具体的に教えていただきました。
加えて、秋口から本試験前日まで、毎週のように学習スケジュールが提供されました。スケジュールには「何を、何回、大体何時間やるべきか」が細かく指示されており、自分で計画を立てる必要がなく、そのまま最善のスケジュールで学習を進めることができました。さらに、講義内の説明及び別途提供された指示シートにより、条文の優先順位や読み込むべき内容が明確に示されており、学習の方向性をさらに具体的に示していただきました。
このように、納冨先生の具体的で的確な指示のもとで学習を進められたことで、効率よく学習を進めることができました。その結果、一発合格を成し遂げることができたのは、納冨先生の指導があったからこそだと確信しています。先生の指導の的確さと実践性には心から感謝しています。
LECで受講した答練・摸試について
- [受講答練・模試]論文公開模試 論文直前答練 論文合格答練 短答公開模試 短答実戦答練
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短答試験対策では、納冨先生のご助言のもと短答公開模試をターゲットに学習を進めました。この模試は多くの受験生が参加するため、実際の本試験に近い母集団で自分の位置を把握することができ、残りの学習期間の方向性を明確にするのに役立ちました。特に2回の模試では論点が網羅されており、成績表に示された自分の正誤と全体の正答率をあわせて確認することで弱点論点を浮き彫りにできたため、効率的な学習が可能となりました。
論文試験対策では、論文直前答練が非常に有効でした。3月中旬以降は短答試験対策に専念していたため、短答試験後の6週間で論文対策を仕上げる必要がありました。週2回LECに通い論文を書くのは体力的・精神的に負担でしたが、納冨先生の解説講義や、配点が明確な採点表、迅速に返却される採点答案の客観的なコメントが、論文試験の感覚を迅速に取り戻す助けとなりました。その結果、短期間で効果的な対策が可能になったと感じています。
LECで受講したスポット講座について
- [受講講座]納冨美和の短答特訓ゼミ 高橋克宗の論文レベルアップゼミ
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納冨先生の短答特訓ゼミは、短答試験対策をする全ての受験生におすすめの講座です。このゼミは、納冨先生が受講生と対話形式で講義を進めるため、ただ受け身で講義を聴くだけでは気づきにくい、自分の知識の不十分さを実感できます。受け身で「わかった気がする」状態から、知識を能動的に引き出す力を鍛える場として非常に効果的です。また、条文を読み込む際にどこに注目し、どのポイントを覚えるべきかの目安が得られるため、学習の深度に過不足が生じるのを防ぐことができます。さらに、他の受講生との問答を通じて、母集団の知識レベルを把握し、自分の学習状況を客観的に確認できる点も大きな魅力です。
高橋先生の論文レベルアップゼミは、論文基礎力完成講座よりもより本試験に近いレベルの問題を題材として実戦形式で論文を書く講座です。早い段階から本試験レベルの問題に触れることで、能力的にも精神的にも準備を整えることができ、直前期に対策が間に合わないといったリスクを回避できます。また、高橋先生がゼミ生全員の答案を採点し、個別にフィードバックを提供してくださるため、自分に合った効果的な弱点補強をすることができます。さらに、カリキュラム終了後も、直前期に至るまで答練や模試の振り返りにおいてチューターとして高橋先生に寄り添っていただけたことは、心強い支えとなりました。
LECの教材や学習システムについて
Webフォロー制度の魅力は、生講義を収録した動画が講義の2日後に配信される点にあります。この制度は、講義に出席できなかった場合の補講としてだけでなく、復習にも大いに役立ちました。特に納冨先生の講義は、音声だけの視聴も意識した構成になっており、「これ」や「この部分」といった視覚情報がないと成立しないような情報がほぼなかったため、テキストを見られない状況でも効果的に学習できました。さらに、テキスト内の重要なポイントは、先生がマーカー指示を兼ねて対象箇所を明確に読み上げてくださるので、音声だけでも内容をしっかり理解することが可能でした。
また、スマートフォンのアプリで動画をダウンロードできる機能が非常に便利でした。Wi-Fi環境でダウンロードしておけば、電波状況や通信料を気にすることなく、オフラインでどこでも視聴可能です。さらに、バックグラウンド再生ができるため、他の作業をしながら耳で講義を聴くことができ、忙しい日常の中でも効率的に学習を進められました。倍速再生機能も備わっており、内容に慣れてきたら短時間での復習が可能で、移動時間や隙間時間を有効に活用できました。
特に、知識が曖昧な部分を繰り返し聴ける点は、復習に大いに役立ちました。忙しく机に向かう時間が取れない時期でも、移動中に講義を聴くことで学習を継続することができたのは大きな助けでした。このように、WEBフォロー制度は講義の内容を最大限に活用し、効率的な学習を支援してくれる非常に優れた仕組みでした。
短答式試験対策でやって良かったこと
整理して解くタイプの問題と知識の有無を問われる問題を分け、それぞれに適した対策を行いました。
整理して解くタイプの問題は、長文の問題文から必要な情報を抽出し、適用される条文知識を活用して〇×を判断する必要があります。この形式は問題を整理するのに時間がかかり、試験時間内に解き切るためにはスピードと正確性が求められます。そのため、早期の段階から優先的に取り組み、短時間で回答を導く練習を繰り返しました。この対策は、論文試験の解き方にも通じるものであるため、論文対策にもつながりました。
一方、知識の有無を問われる問題については、2月以降から本格的に取り組みました。具体的には、納冨先生の短答対策ゼミに参加し、何をどの程度覚えるべきかの指針をつかみ、そこから復習する形で知識を定着させました。ゼミの音声を繰り返し聴き、先生の一問一答に8割程度正解できるまで練習を重ねました。また、答練等を通じて間違えやすい箇所や細かな表現の違い(「しなければならない」と「するものとする」など)をメモにまとめ、繰り返し復習しました。
このように、問題タイプごとに適した対策を行い、早期に優先事項を定めて取り組むことで、効率的に短答試験の準備を進めることができたのはよかったと思います。
論文式試験対策でやって良かったこと
論文試験対策として、試験時間内に行う作業を時系列に3つに分けて練習しました。
1つ目は、問題文から必要な情報を漏れなく抽出して整理する練習です。最初は納冨先生が「論文基礎力完成講座」などで解説されている動画を参考に、解答に必要な工程を真似しました。その後、他の問題でも再現できるように練習を重ねました。特に問題文の最後に記載される「なお書き」など、見落としがちな事項に注意を払い、次回以降に落とさないための具体的な工程を追加しながら練習しました。
2つ目は、答案構成を決定する練習です。最初は試験時間内に見出しのレベルを迷って時間を費やしたり、思いついた順に書いて記載内容のバランスを崩してしまったりすることが多くありました。この問題を解消するために、納冨先生の論文ワークブックから趣旨を問う問題、登録要件に関する問題、権利侵害に関する問題といったパターンを抽出し、基本的な型を作成しました。そして、答練や高橋ゼミの論文問題を使って繰り返し試行し、この型を確立していきました。
3つ目は、答案を書く練習です。私は文字を書くのが遅いため、最初は試験時間内に答案を書き終えることができませんでした。そのため、読める程度のきれいさを保ちながら速く書く練習を行うとともに、高橋先生から示された多くの具体例をもとに、端的に必要事項を盛り込む方法を学びました。これにより、新規性喪失の例外適用や職務発明など、繰り返し出題される論点について回答方針の型を準備し、時間内に何とか書ききれるようになることができました。
また、論文の問題でミスしたポイントや採点者からのコメントをノートにメモして蓄積したことも有効でした。試験直前に不安な論点や間違えやすい事項を効率的に確認できるよう、このノートが役立ちました。テキストや法文集に加えて毎度の答練で増える紙の教材の山の中から、同じように振り返りをすることは不可能であったので、論文対策の早い段階でノートの活用を開始できたのは、納冨先生と高橋先生のご助言のお陰です。
口述試験対策でやって良かったこと
口述試験対策として、義村先生の「口述対策講座」を受講しました。論文の合格発表後に着手したため、1stフェーズの「傾向と対策編」は収録された講義を動画視聴しました。この講義は逐条解説で進められるのですが、条文ごと、条文にまつわる知識ごとに優先順位が明確に示されており、口述試験までの3週間という短期間で全体を振り返るのに最適な内容になっていました。これに並行して参加した2ndフェーズの「実践編」では、受講生同士が試験委員役と受験生役を交代しながら実際の面接試験の形式で練習が行われました。制限時間をうまく使い、最後の問題まで回答する練習は非常に実践的で、口述試験に必須の対策だったと感じています。
また、口述対策専用のカリキュラムではありませんが、振り返ると納富先生の短答特訓ゼミの一問一答が口述試験にも対応した内容であり、口述対策にも非常に助けになりました。さらに試験直前にお話しした際に納冨先生から「最後に四法対照法文集を1周読んでから試験に臨むべき」というご助言をいただけたことで、近年問われていなかった論点が問われた今年の試験にも対応できたと感謝しております。
学習時間を捻出するために工夫したこと
受験勉強のための学習時間を確保するにあたり、「なるべく短期で合格することが長い目で見て仕事や家庭への影響を最小限に抑える」と考え、思い切って生活全体を受験勉強に全振りしました。会社の業務量を減らすことは難しかったものの、社外活動を最小限に抑え、飲み会などもほぼ全て断ることで勉強時間を確保しました。家庭面では家族が最初から応援してくれたため、時間確保には非常に協力的であり、そこは大変恵まれていたと思います。
それでも時間が足りないため、常に大きなかばんに教材を持ち歩き、移動時間の活用はもちろん、美容室でのカラーやパーマの時間、飲食店での待ち時間など、行く先々で講義動画を視聴したり法文集を開いたりしながら勉強を続けました。最終的には、勉強のプレッシャーから早朝に目が覚め、夜も遅くまで目が冴えるようになり、自然と睡眠時間を削る形で学習時間を確保するに至りました。
このように、決してスマートとは言えず、むしろ不健康かもしれない方法で時間を捻出しましたが、そこまでのめり込んで本気を見せた結果、多くの人に応援してもらうことができ、たくさんの励ましで最後までやりきることができました。
通学、または通信での受講を選択して良かった点や反省点
通学での受講を選択してよかった点は、まず次の講義の日程が固定されていることで、復習が追いつかない場合でもペースメーカーとして機能し、学習を前に進められる点です。
また、講義後すぐに講師に質問ができることも大きなメリットでした。講義内容だけでなく、自分の学習進捗や答練結果を基にした個別のアドバイスをタイムリーに受けられるため、効果的な軌道修正が可能でした。
さらに、通学で顔を合わせる勉強仲間の存在が、孤独感を軽減し、学習意欲を保つ助けとなりました。
一方で反省点としては、通学に時間が取られる分、自宅学習や復習時間をより計画的に確保する必要があった点が挙げられます。
全体として、通学は多くの利点があり、選択肢として正解だったと思います。
今、合格して思うこと
最終合格を確認したときは、努力が実を結んだ喜びと大きな達成感がありました。
仕事や家庭と両立しながらの受験勉強はしんどい期間も長く、どうしてこんなに大変なことに手を出してしまったのだろうと思うこともしばしばありました。しかし、諦めずに努力を続けた結果として私にとっては非常に難しい試験を乗り越えられたことで、今後の人生でまた訪れるかもしれない困難にも立ち向かえる勇気が湧きました。
とはいえ、これは決して自分ひとりの成果ではなく、納冨先生、高橋先生、義村先生が明確な方針のもとで道を示し、ときに励ましながら伴走してくださったお陰です。ありがとうございました。
このご縁に心から感謝し、ここからは弁理士として多くの方のお役に立てるよう、さらに自己研鑽を重ねてまいりたいと思います。