LECを信じて走りました
岩松 香里さん
年齢 | 36歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 会社員 |
出身校 | 東京農工大学 農学部獣医学科 |
受講講座 | 1年合格ベーシックコース インプット+アウトプット一括 |
選択科目 | 免除あり:応用情報技術者 |
弁理士を目指した理由・きっかけ
動物用医薬品会社の技術営業として働く中で自分が扱う製品を自分で「決めたい・導入したい」と思い戦略部門に興味をもち、知財の知識があれば異動や転職の強みになると考え弁理士を目指しました。
また、弁理士資格があれば子どもたちの状況に合わせてより柔軟な働き方ができるようになると考えたことも理由です。
LECを選んだ理由
弁理士を目指し始めた当初、自分で参考書を購入して特許法の概要を勉強しましたが全く理解できず予備校を検討しました。LECに決めたのは一発合格の実績が高いこと、受講相談の際の本校スタッフの方が講座に自信を持っており「勉強時間を確保して最適な勉強をすれば必ず受かる」と断言したこと、そして一番は講師の語りがリズムよく勢いがあったからです。このテンションに乗れば最短距離で合格できると感じました。
LECで受講した初学者向けコースとその担当講師について
1年合格ベーシックコース
・先取web受講ができる点
本講座開始時期は出産などで十分勉強時間をとれないことがわかっていたため、その分時間と気持ちに余裕があるうちに予習しておくことができました。
・概要(入門講座)→趣旨や解釈(論文基礎)→細かな知識(短答基礎)という学習順
独学で行こうとしたときは端から細々覚えようとしたので途方もなく感じていましたが、LECの学習構成により無理なく大枠(入門)から肉付け(論基礎)されて細部(短答基礎)へと理解が完成されていく感覚がありました。
・3回転する点
範囲が広いので覚えた端から忘れてしまいますが、オーバーラップしながら進む3つの講座(入門、論文基礎、短答基礎)によって同じ範囲を異なる切り口から3回転でき、知識が定着しやすかったです。
・スケジュールが完成されている点
スケジュールを立てることに頭を使わなくても、必死で講義についていけば、短答、論文、、、というスケジュールに合わせて完成されていきます。
宮口講師
・1番はテンポと勢いがあって眠くならない点です。特徴的な語りなので何度も繰り返し講座を聞くうちにキーワードに合わせて先生の語りが頭で再生されるようになりました。
・判例の知識が豊富な点
判例をまとめて覚えようとするのは私には苦痛でしたが、宮口先生は基幹講座のなかでポイントポイントで関連する判例を一言で解説してくれるので結果的に重要判例は繰り返し勉強することになりました。特別に判例の勉強をしなくても十分に身に付きました。
・色分けで内容が感覚的に理解できる点
否定はブルー/肯定はピンク、権利者はピンク/侵害者はブルーなど、ルールに従って色分けするので、条文やテキスの内容が感覚的に理解できるようになりました。先生のルールに従って色分けをしているうちに、自分で条文や問題文を読むときも「権利者に有利な内容か?(ピンク)/不利な内容か?(ブルー)」など明確にしながら読む癖がつきました。
・宮レジ
メモ書きのような宮レジが、私にはハマりました。すっきり頭が整理されました。
LECで受講した答練・摸試について
答練・模試は、過去問では補いきれない重要ポイントが抑えられました。最近の改正に関する問題は過去問ではカバーできないので特に答練や模試に期待していました。論文の細かなルールは他人に採点してもらわないと気づけないこともあるので、答案作成形式のチェックという意味でも重要と感じました。
LECで受講したスポット講座について
①理想と現実答案
基幹コースと同じ宮口先生の講座なので、一貫した考え方で論文の作法が身に付きます。宮口先生が基幹講座のなかで該当テーマの論文出題年を教えてくれるのでその都度リソゲン(理想と現実答案)でチェックするといつの間にか莫大な年数の過去問を勉強することができます。現実パターンと理想パターンとあるので、その単元の自分の得手不得手によってどちらをお手本とするかを選択することもできました。また、現実答案だけでは自分が理解できなくても理想答案を参考書のようにすることができました。
②R5改正ダイジェスト道場
たくさんの改正箇所のうち、コアとなる改正事項と、それに付随する改正、とポイントを整理して理解することができました。
③論文最後の悪あがき道場
論文試験直前は模試もすべて終了し、過去問もマンネリ化して何をすべきかわからなくなっていましたが、最後の悪あがきで落としてはいけないポイントや自分の穴がわかり、迷いなく焦りなく試験日を迎えることができました。
LECの教材や学習システムについて
・音声ダウンロードができる点
通勤電車の中、車の運転中など常に講座を聞き続けることができました。
・テキストが無駄なく不足ない点
LECの基幹講座のテキストを全て頭に入れれば判例も含めて必要な知識が網羅できます。特に短答アドヴァンステキストが好きでした。短答アドヴァンステキストに自分のメモや重要条文の趣旨などを書き加え、自分のバイブルとしてこれで全て戦いました。
短答式試験対策でやって良かったこと
・入門講座、短答基礎力完成講座の講義を反復して聞き続けたこと
無意識に聞き落としている箇所や、端折った部分が理解できてないなど、何度も聞いてようやく講義を全て理解できました。何度聞いても新たな気づきがありました。追加の講座を受ける時間的余裕はなかったので、その分基幹講座を完全に吸収することとしました。結果的にむらなく穴なく知識が身に付きました。
・一枝一枝根拠条文と趣旨を言いながら解く
問題に正解するよりもすべての枝を理解することを目標として過去問を解きました。知識が安定して迷わなくなりました。論文の対策にもなります。
・LECの体系別短答過去問題集と短答アドヴァンステキストに載っている過去問を完璧にすること
直前期はとにかく過去問を繰り返しました。はじめの1-2回は全問解きますが、その後は根拠条文を挙げられなかったもの、迷ったものだけ不安がなくなるまで繰り返しました。短期間で過去問10年分を5回やって司法書士(だったかな?)に短期間で受かったという人の話を聞き、上四法は7回、そのほかは5回、と決めてそれをやり切れば受かると自分に暗示をかけました。
論文式試験対策でやって良かったこと
・条文の関係を図で整理する
条文の一言まとめのようなものは作りませんでしたが、対応する条文を横に並べて整理する図を作成しました。例えば異議申し立てについての規定と、審判についての規定と、同じような内容が繰り返し規定されているので、そういったものを図で整理していくことで条文の構成が頭にはいりました。条文番号を覚えるのは非常に苦手でしたが、構成が頭に入っていたので法文集を引くのも早くなり、試験の際に条文を確認しながら解答作成しても全く問題ありませんでした。
・勉強初めから講義で触れた趣旨は必ず頭に入れる。判例は判例ノートを作る。
短答講座でも、入門講座でも、重要な条文の趣旨は繰り返し講義の中で宮口先生も触れるので、それをその都度頭に入れていきました。講座を繰り返し聞くと嫌でも頭に入りました。また、判例もコラムのような形で基幹講座のテキストのところどころ取り上げてあるので、それをコピーして判例ノートを作りました。その積み重ねで、後から判例や趣旨に特化して勉強しなくても重要なものは全て網羅されました。
・短答試験後の怒涛の答練/模試
論文では、過去問2周目になると自分で考えなくなっていることを感じました。そこで、短答試験後はLECが考え得るすべての予想問題に臨もうと思い、基幹コースにデフォルトでついている直前答練(後期)と模試(後期)に加え、追加で直前答練(前期)と模試(前期)を受講しました。ボロボロに心砕かれましたが、どんな問題でもアドリブで解答作成する力がついたと思います
口述試験対策でやって良かったこと
口述アドヴァンステキストをメインで勉強しました。口述は独特の流れなので、初めは問いの意味がわからないものもありました。10年分の過去問をやると口述に慣れ、不安が減りました。
学習時間を捻出するために工夫したこと
基幹講座開講時期に3人目出産を予定していたため、出産前後はしばらく勉強ができないだろうことも予想できたため、先取受講で前年度分の入門講座をできるだけ進めました。出産後も机に向かうことはできなくても音を聞くことはできるので、講座を聞きながら生活していました。まとまった時間の確保は難しかったですが、短答試験の直前まで育休を取得していたため細切れの空き時間はあり、隙間時間で受講しました。完全通信であり、溜めたら終わりだという恐怖があったため、配信開始から1週間以上は遅れない、と決めてどんな時でも最低限音だけは聞くようにしました。試験直前は家族の協力を得て子どもたちを預け、自習室に通いました。
通学、または通信での受講を選択して良かった点や反省点
最初に書きましたが、まとまった時間の確保が難しかったため、細切れに受講できる通信でよかったと感じています。
また、先生の説明についていけなかったときは止めることができ、調べてから再開できるのも通信のメリットと感じました。業界も未経験、全くの知識ゼロからのスタートであったので、通学だったら周りの受講生の雰囲気にのまれて必要以上に焦ってしまっていたような気がします。周りに気後れせず自分のペースで学習できた点で私には通信が合っていたと感じます。
ただ、現時点で全く受験仲間がいないので、今後を相談できる相手がいないという点が通信のデメリットと感じています。
今、合格して思うこと
発表をみて何よりほっとしました。歓喜、というよりは力が抜けた感覚です。迷わず、手を広げず、LECを信じて講座をスケジュール通りに全て吸収すれば合格できると思います。目指そうかなと少しでも思ったらとにかく突っ走るのが良いかと思います。