とても良い経験になりました!
小島 敏紘さん
年齢 | 33歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 特許技術者 |
出身校 | 理学系研究科物理学専攻博士課程満期退学(理学修士) |
受講講座 | 1年合格ベーシックコース インプット+アウトプット一括 |
選択科目 | 免除あり:修士 |
弁理士を目指した理由・きっかけ
大学院(理学部)の博士課程を満期退学した後、法律の資格を取ろうと思い、行政書士試験を受験しました。合格したため、そのまま行政書士として働くかどうか迷って居たところ、法律系の就職支援サービスで弁理士を見つけ、弁理士ならこれまでの経験を生かせると思い応募したところ、弁理士を目指す前提で特許事務所に特許技術者として就職することができたため、そのまま弁理士試験に挑戦しました。
LECを選んだ理由
最初はオンラインの弁理士講座を受講していましたが、事務所での推薦もあって、LECに通学で通うことにしました。LECのWebサイトで講師を比較して、納冨先生の講座が一番合っていると思い、また、合格実績も高いという広告を見て水道橋に通学することにしました。
LECで受講した初学者向けコースとその担当講師について
まだ弁理士試験の全体像が見えない中、最適な講座の選択を行ってもらえる点が良かったと思います。事前のガイダンスで一通り様子を見てから2月頃に申し込んだので、先取りWeb受講を受講することができ、その後の入門講座を滑らかにスタートすることができました。
入門講座の途中からは論文基礎力完成講座(論キソ)が始まり、入門講座の内容を深める形で進めることができました。短答基礎力完成講座(短キソ)では、逐条的な解説が始まりますが、これまでの講義で十分に全体像が把握されていて、各条文の位置関係を見失うこと無く勉強を進めることができました。
納冨先生の講義は大変分かりやすく、かつ口述試験に至るまで役に立つ重要な内容を、入門講座の最初から繰り返し教えていただけて、全体的にとても勉強がしやすかったです。スケジュールがきっちりと決められているため、スケジュールを立てることが苦手だったり面倒だったりする自分にはとても合っていました。また、短答試験の直前には、条文のどこから出題されるか大変な労力を掛けて研究していただいており、初めての受験であっても点数が取れると思います。論文試験対策として、高橋先生のゼミがあり、初回受験における論文試験対策を徹底的に指導いただけました。また、講義と演習が折り重なるようにスケジュールされているため、講義の理解が容易であり、演習も短時間かつ効果的に行うことができました。
LECで受講した答練・摸試について
- [受講答練・摸試]論文公開模試 論文直前答練 短答公開模試
短答実戦答練 -
短答実戦答練は、法域ごとに本番と同じ問題数を解答する答練となっています。総合以外は、本番とは状況が異なるため、自宅で分割して受講しました。問題数が多いため、非常に深い部分まで出題されることもあって、本試のための最終確認と、合格に最低限必要な読み込みの密度を把握しやすかったと思います。短答実戦答練の総合および短答公開模試は、本試に準じた問題数で、本番に向けた最終調整ができたと思います。
論文直前答練および論文公開模試では、毎週のように論文を書く機会があり、手書きで大量の文字を書く訓練としても最適です。採点基準も、本試のように形式面と内容面による採点でありつつ、添削答案を見ることができるため、本番までの最終調整が容易にできたと思います。
LECで受講したスポット講座について
- [受講講座]納冨美和の短答特訓ゼミ 高橋克宗の論文レベルアップゼミ
論文BASE道場、短答および論文試験直前のヤマ当て講座 -
論文BASE道場は、初回受験者だったため少し難しかったですが、それ以降の論文の勉強の方針や目標がはっきりして、とても有意義でした。
論文レベルアップゼミは、初回受験者のための対策を徹底的に分かりやすく解説していただき、山場である論文試験に対する不安を、方法論と精神論(論文への向き合い方)を含めて取り除いてくれました。周りの受験生の答案が参考答案として配布されるのですが、レベルが高く、大変勉強になりました。
年末年始道場は、短答試験対策として、上四法の総まとめと、条約(特にPCT)のための下準備が十分にできたと思います。
納冨先生の短答および論文試験直前のヤマ当て講座は、気分的なものを含め、大変ありがたかったです。短答直前では、的を絞るという点で非常に助かりました。論文直前では、これまでの答練とは異なり、答案構成だけだったため、リフレッシュした時間になったと思います。
LECの教材や学習システムについて
テキストは、入門講座・論文基礎力完成講座・短答アドヴァンステキストとあり、それぞれの目的に適した内容となっていると思います。入門講座のテキストは簡潔、かつ分かりやすく、実は論文試験の定義趣旨集としても役に立つ、巧妙なものだと思います。
受講形態は、通学を選択しました。集中して取り組むことができました。
Webフォロー制度は便利で、欠席や、特に入門講座の間の復習にとても役に立ちました。
短答式試験対策でやって良かったこと
条文として四法対照条文を使用したのが良かったです。各条文には、納冨先生に指摘された文言にマーカーが付き、その点が強調されると見やすくなると思います。また、講義中に各条文にABC等の頻出度が提示されますが、その頻出度を四法対照条文にも書き写したことで四法対照条文が使いやすくなりました。
講義中、入門テキスト、短答アドヴァンステキストにもマーカーを付けたり、書き込みをしたりしました。個人的には、先生が指摘したポイントは、赤や黄色などの暖色を用いると良いと感じました。青や緑などの寒色は、自分が気になった所を強調したり、メモしたりする場合に用いました。心理学的に何らかの効果が期待できるようです。なお、マーカーやボールペンは、ラバーで消えるものを用いたので、後で修正が効いて良かったです。
演習は、枝別に、○、○?、×、×?、?のいずれかを必ず付すようにしました。○?又は×?は、○又は×かと思うが自信が無い場合、?は全く分からない場合に用いました。また、問題文のうち、自分の判断の根拠となった部分には下線を引き、時々、下線部分にも○、○?、?、×?、×のいずれかを付すようにしました。こうすることで復習が容易になったと感じます。
論文式試験対策でやって良かったこと
論文は、高橋先生のアドバイスをどれだけ再現できるかにかかっていた部分も多いと思います。問題文は、主体(甲、乙等)別に、マーカーで色分けしながら読んでいきました。このとき、キーワード(特許出願X、特許権P、審査請求をした等)をぶつ切りにして、マーカーを引いていくと、読み落としが少なくなって良かったです。論文直前答練の模範解答などの登場する、一文で要件効果を一気に記載する方法は、大変便利で、それさえ書ければという安心感がありました。
また、主要条文(分割、変更等)の趣旨や主客時手の要件、効果を憶える(理解する)ために、頭の中で講義をするという方法を採用しました。一人暮らしだったので、家族や適当な知り合いを思い浮かべながら、お風呂場等で、イメージ内のその人達に向かって、「特許出願の分割」について講義したりしました。喉が疲れてきたり、他の人がいるときは、口に出さず、思い浮かべるだけにしました。数が多くてうんざりする規定(商標登録取消審判の趣旨等)も、これで何とかなったように思います。
また、他の受験生の答案は、点数とは関係なく、結構読みました。
口述試験対策でやって良かったこと
口述は、義村先生の口述対策講座2ndフェーズがとても役に立ちました。出題者側に立つ経験がとても有意義で、どのようにしてヒントを出すのか、どの点(キーワード、キーフレーズ等)を答えれば、問題の解答として十分なのかが、実践的に把握できました。
口述については過去問が非常に有効だと思います。例え本番で出題されなくても、形式面や前提知識として、十分にサポートしてくれると思います(書類の書き方例みたいなものです)。
なお、口述対策講座2ndフェーズは、なかなか話せなかった他の受験生と会話するとても良い機会になりました。
学習時間を捻出するために工夫したこと
家でしか勉強できない性格なので、とにかく職場および予備校(水道橋)に近いところに引っ越しました。また、やる気が出ないときは、完全に止めてしまった方が予後が良いと感じました。別のことをしたり、出かけたり、寝たり、ぼーっとしたりすることは結局の所、最高の効率でした。なお、息抜きにもなると思い、自炊していました。
学習時間として計算できる時間であるかどうかは、定義次第だと思いますが、早く理解できれば、時計で計った時間よりも勉強したことになると思います。例えば、テキスト通りでは無く、自然に頭に思い浮かんだ項目を勉強すると、理解が早いと感じました。分割ばかり繰り返し思いついたときは、分割ばかり勉強しました。そのうち違う条文が思い浮かんでくれば、そちらも簡単に理解できるようになりました。
通学、または通信での受講を選択して良かった点や反省点
通学を選びました。たくさんの受験生とともに勉強できたこと、講義の出席のために生活リズムが保たれたこと、少なくとも1回は集中して講義に参加できたことが良かった点です。
反省点としては、月曜日に気合いを入れすぎて週末が非常に大変な時があったことや、冷房や、冬の防寒の対策をしておけば良かったと思うことがありました。また、通学にムキにならず、もう少し通信フォローをうまく使えたら良かったのかもしれません。
今、合格して思うこと
非常に大変な試験を終えることができて、本当に良かったです。1年合格でしたので、何年も取り組まれている方々にはとても頭が上がりません。しかし、どのような結果になっても、良くても悪くても結果が出るまでは必ずやり切るという思いで、取り組んで来ました。短答試験までの勉強も結構大変だと思ったのですが、短答合格後から、論文試験、口述試験に至るまでの期間も、思ったより大変でした。あまり遠くを見ると気が遠くなるので、目の前の課題を一つずつ、一歩ずつ取り組んだことで、何とかここまで来られたと思います。試験結果だけではなく、たくさんのことを学ぶことができました。LECを選んで良かったと思います。