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2017年度合格
A・Sさんの合格体験記

合格者
一発合格

“有限にして完成度を高める”ことが最終合格への最短ルート

A・Sさん

年齢 28歳
受験回数 1回
職業 会社員
出身校 東京理科大学大学院 理工学研究科 物理学専攻
同専門職大学院 イノベーション研究科 知的財産戦略専攻
受講講座 1年合格ベーシックコース+アウトプット完成コース

弁理士を目指した理由・きっかけ

私は当時、知的財産専門職大学院に在籍しており、知財業界への就職を志望していました。メーカーへの就職が内定し、あわせて知財部門で働く見込みとなりました。知財業界で働く上で、弁理士資格を有することで、将来的な仕事の幅が大きく広がると次第に考えるようになり、就職前から弁理士試験の勉強を始める決意をしました。

LECを選んだ理由

圧倒的な合格実績を有することが一番の決め手でした。周りで弁理士試験の勉強をしている知り合いも、LECの講座を受講していたのも理由です。水道橋本校を選んだのは、大学院のキャンパスに近く、通学しやすいと考えたからです。

主に受講したコースや講座の名称と受講した感想

「1年合格ベーシックコース」を受講しました。納冨先生の解説は、とても丁寧で分かりやすいものでした。単なる暗記マターで終わるのではなく、趣旨から考えることの大切さを日々感じさせられました。納冨クラスは、「有限にして完成度を高める」という納冨先生のモットーの下、限られた時間の中で最大限の力を発揮するための様々なフォローがついていました。その中でも、毎回の居残り演習では、その日に学んだ事項をその場で確認することができたので、1週間のうちに復習すべき点を明らかにすることができました。また、私は、合格ナビゲートゼミというオプション講座も受講しました。初学者である私は、実践的な演習量が絶対的に不足しており、この講座を受講することで、ある程度カバーすることができました。ベーシックコースのインプット講義が2月中旬で終了するのに対し、この講座は5月初旬まであるため、短答試験直前まで納冨先生の講義を定期的に受けることができました。また、合格ナビゲートゼミを受講すると、高橋先生による専任チューター制度を利用することができたので、私もよく高橋先生に勉強の相談にのっていただきました。

利用して良かったLECのテキスト・過去問集等の名称と具体的な感想

入門講座のテキストは、弁理士試験の勉強を始めるにあたり必要な基礎的事項がしっかりまとめられていたと思います。口述試験受験間際に立ち返ることもありました。論文基礎力完成講座のテキストは、論文試験に必要な知識がテーマ毎に良くまとめられていましたと思います。短答基礎力完成講座の「短答アドヴァンステキスト」は、受け取ったときにはその分厚さに背筋が凍りつく思いがしましたが、逐条毎に必要な知識がほぼ全て網羅されていました。また、納冨先生オリジナルの「納冨レシピ」には、先生のノウハウが凝縮されており、特に意匠のマトリックスは、それをしっかりとおさえることで、問題を間違えることはありませんでした。

短答式試験対策で気をつけたこと

弁理士試験は条文の試験であり、条文からの出題が多いです。そこで「四法対照条文集」に、「短答アドヴァンステキスト」に記載されている、条文以外の必要な関連知識を書き込み、情報を集約していきました。そうすることで、自分だけの唯一無二のテキストが完成し、短答試験当日は、その条文集1冊のみ試験会場に持参しました。

短答基礎力完成講座の開講後、私は、納冨クラスで毎週配布されるスケジュール表に従い、日々の勉強を進めていきました。私の受験生活前半はまだ大学院生でしたので、社会人の方々に比べて、比較的勉強時間を多く確保することができました。そのため、自分の弱点をスケジュールに追加して行うこともありました。特に私は条約が不安だったので、条約の勉強にも時間を費やしました。年末の時点での実力を確認する、四法コアテーマ道場では、特実では3割、意匠・商標では半分しかとることができませんでした。しかしこの結果がひとつの勉強の指針となり、年明けから短答試験対策の勉強に重きを置くという方針が立ちました。条文の読み込みは年明けから徐々に始めました。スケジュール表と同じく短答基礎力完成講座で配布される資料、Nプロジェクトシートを常に使用し、必要な要件がおさえられているかを随時確認しました。スケジュール表とNプロシートは納冨クラス最大のフォロー制度でした。

論文式試験対策で気をつけたこと

私はベーシックコースに加えて、論文レベルアップゼミを受講しました。論文基礎力完成講座の答練よりも難易度の高い問題が出題され、初学者の私には厳しい結果が返ってくることも多々ありました。しかし、担当の高橋先生は、細かな採点表に基づいて丁寧に採点してくださり、何を書けば点数が上がるのかということを把握することができ、大幅な実力の向上につながりました。この講座を受講しなければ、論文試験を一発で合格することはできなかったと思います。

論文試験の勉強においては、どんな問題が出題されても、同じプロセスで答案構成をすることができるように意識をして勉強をしました。私は問題文を読むと、その問題のキーテーマに飛びついてしまう傾向があり、検討事項漏れを起こすことが頻繁にありました。納冨先生は、どのようなテーマの問題が出たとしても、その問題のタイプに応じて同じプロセスを踏んで答案構成をすることにより、漏れをなくすことができると指導してくださいました。また、答練後には自分がミスをしたポイントをノートに書き留めていました。これはゼミの高橋先生からのアドバイスで、ノートに記録した点は、同じミスをしないように重点的に復習し、毎回の答練前に確認していました。ノートは日々充実し、論文本試前には備忘録として活躍しました。

なお選択科目は、修士の学位を有していたので免除となりました。

口述試験対策で気をつけたこと

論文試験終了後、口述対策講座1stフェーズの開講とほぼ同時に勉強を始めました。口述試験対策は「口述アドヴァンステキスト」をひたすら繰り返すことに尽きました。また講座とは別に、学習経験者向けの論文ゼミの方々にお声をかけていただいて自主ゼミに参加し、毎週末「口述アドヴァンステキスト」の問題を完璧に答えられるように練習をしました。自主ゼミには納冨クラス出身の合格者の方にも参加していただき、様々なアドバイスを頂戴することができました。アウトプットの練習は、自宅でも常に声を出して行いました。また、私は論文試験の段階で、趣旨の勉強が十分にできていなかったため、趣旨のインプットにも時間を割きました。論文試験の合格発表後は、口述乱取り講座や口述模試、会派の練習会などにできるだけ参加し、とにかく場数を踏むことに重点を置きました。

通学、または通信での受講のメリットとデメリット

私は、受験生活前半は大学院生でしたが、後半は就職に伴い、東京を離れて地方勤務となったため、通学と通信の双方を経験しました。通学は生で講義が受講できる他、毎週先生や他の受講生と顔を合わせることができるので、モチベーションを保つことができます。しかし通信では、基本的に自分で勉強時間を決め、答練も一人でやらなければならないため、モチベーションの維持が非常に厳しいです。なので私は、就職後地方住まいとなっても、できる限り上京し、受講生のいる環境に身をおくことで、モチベーションが下がらないようにしていました。特に論文公開模試は、本番と同じスケジュールで行うため、他の受講生と一緒に緊張感のある中に身をおいて受験することが大切です。通学できる環境にあるならば、絶対に通学をお勧めします。通学が困難な場合であっても、講師の先生や他の受講生と連絡がとれる手段を手に入れることが大切だと思います。

仕事や学業、家庭と勉強の両立のコツ・時間活用術など

受験生活前半が大学院生であったことと、後半も就職後すぐの時期ということもあり、勉強時間は他の受験生の方々に比べて十分に確保することができたと思います。それでも直前期は、通勤時間やお昼休みを使って、短答試験の問題をいくつか解いたり、前日確認した要件や趣旨を頭の中で振り返ったりする時間としていました。日々の生活の中での隙間時間を有効に活用することで、まとまった勉強時間がとれない日であっても、受験勉強を進めることができました。

今、合格して思うこと

正直自分が一発合格を果たすことができるとは思っていませんでした。なぜ自分が一発で合格することができたかを考えると、どんなときも基本から離れることをしなかったからだと思います。本番直前は不安に駆られます。具体的には、短答試験前は細かい規定までおさえたくなり、論文試験前は難しい答練の問題まで復習したくなり、口述試験前は青本のマイナーな趣旨まで見たくなります。しかし、その欲求を抑え、基本に軸足を置いていたことで、本番で変わった傾向の問題が出題されても、対処できたものが多数ありました。

また、苦手科目をつくらなかったのも一発合格の理由だと思います。短答試験では科目別合格基準の制度が導入されています。実際、私よりも高い得点を獲得した方でも不合格となった方がいらっしゃると聞きました。私は不安だった条約を特に力を入れて勉強していたので、基準点不足を回避することができました。

そして何より、「有限にして完成度を高める」という納冨先生のモットーに共感し、納冨クラスの特徴を最大限に活かした受験勉強をすることができたのが、最終合格への最短ルートだったと思います。納冨先生を選んで間違いありませんでした。

おかげさまで最終合格することができましたが、あくまでもこれは弁理士としてのスタートラインに立つことができたにすぎないと考えています。私は就職したばかりなので、これから実務経験を積み、取得した弁理士資格を活かして将来の活躍の幅を広げていきたいと思います。

これから弁理士を目指す方へのメッセージ

合格をするのに大切なことは3つあると思います。1つ目は絶対的な勉強時間です。私は勉強時間を確保できた立場なのであまり説得力がありませんが、合格には条文の真の理解が必要であり、そのためにはある程度の勉強時間が必要だと感じます。2つ目は基本的な問題を絶対に落とさないことです。弁理士試験は難しい問題が解けないことよりも、誰もが解ける基本的な問題を落とすほうが、他の受験生との間に大きな差が生じてしまいます。難しい問題に手を出しすぎず、直前期にこそ基本に立ち返ることが大切だと感じます。3つ目は、手を広げすぎないことです。私が弁理士試験を受験するにあたり、最大の障壁となったのは、自分の「完璧主義」という性格です。弁理士試験の試験範囲は膨大であり、青本や審査基準も含めればきりがありません。その線引きをしてくれるのが予備校のテキストであり、講師の先生方です。条文を第一に、テキストを上手く活用しながら勉強することが良いと思います。

最後に

納冨先生、高橋先生はじめ、LEC水道橋本校のスタッフの方々に支えられ、一発で最終合格を果たすことができました。皆様に心から感謝申し上げます。私の合格体験がこれから弁理士試験合格を目指す方々の一助となれば幸いです。

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