早いうちからこつこつ積み上げて。
Y・Nさん
年齢 | 26歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 会社員 |
出身校 | 慶應義塾大学大学院 理工学研究科 基礎理工学専攻 |
受講講座 | 1年合格ベーシックコース+アウトプット完成コース、学習経験者向け講座 |
- ※掲載年齢について…掲載している合格者の方々の年齢は、2016年度弁理士試験の最終合格発表日(2016/11/9)時点のものです。
弁理士を目指した理由
研究職に就き、社内教育で「研究の成果を特許出願して保護することの重要性」を学んだことが弁理士を目指す最初のきっかけでした。その後、特許に基づく知財戦略は経営戦略を策定する上で重要であり、弁理士は技術と経営をつなぐ役割を担う者であることを知り、私も企業の知財戦略を支援することのできる人材として仕事をしたいと考え、弁理士試験に挑戦しようと考えました。
LECを選んだ理由
率直に、わかりやすい実績があったからです。弁理士を目指すと志したものの、当時は周りに弁理士の先生や、受験勉強をしている人はほとんどいなかったので、資格予備校のガイダンスで情報収集し、合格実績のあるLECを選択しました。
入門講座のカリキュラム・テキスト・講師について
1年合格ベーシックコースは、最初に入門講座で試験範囲の法域の概要を取り扱い、その後、論文基礎力完成講座、短答基礎力完成講座と徐々に具体的な内容に入っていくカリキュラムが良かったです。また、演習の機会も豊富で、知識のインプットと実際に問題を解くアウトプットとのバランスのとれたコースだと感じました。入門講座で使用する「入門テキスト」は、試験範囲の法域の概要をとてもわかりやすくまとめられていて、最初にこのテキストから学習できて良かったと感じています。「短答アドヴァンステキスト」は、条文を逐条毎に詳しく解説してくれており、短答の勉強の際にはとても参考になりました。
またコースとは別に、5月頃には宮口先生の道場講座を受講しました。最高裁判例をまとめて取り扱った最判道場では、実際に裁判で争われた内容を学ぶことができました。通信Web専用講座の論文ヤマゴロ講座は、学習経験者向けの講座でしたが、論文本試験のレベルを押さえつつ、論文の書き方の基礎となるノウハウが詰まった講座で、こちらもとても有意義な講座だと感じました。
お世話になった宮口先生の講義は独特で、講義中に受講生に問題を出し、解答させるスタイルでした。そのため、緊張感を持って講義に臨め、集中して学習することができました。問題の解答を間違えると厳しい反応をされましたが、その厳しさのおかげで間違いを反省する習性が身につき、最終合格できたと感じます。 他にも、水道橋本校の納冨先生には、論文直前答練でお世話になりました。論文の解き方についての講義や、解答の添削でコメントをいただき、自分の悪いところに気付き、修正することができました。
短答試験対策で気を付けたこと
特許法、実用新案法、意匠法および商標法については、過去問を解きすぎないようにし、条文の理解に努めました。短答基礎力完成講座の復習、条文の通読、青本の通読等に重点を置き、特許法、実用新案法、意匠法および商標法の条文を覚えるために、自分で声に出して読み上げたものを録音し、通勤中や体調を崩したときに聞いていました。また、今年から科目別合格基準が設けられたこと、不正競争防止法の改正があったことから、条約、著作権法および不正競争防止法についても、短答アドヴァンステキストを参考にしつつ、一通り条文の通読をしました。
論文試験対策で気を付けたこと
2015年5月頃からは、論文の解き方、書き方、条文の趣旨を覚えるようにしていました。最初は、LECのテキストの解答を真似して書き写しながら覚えるようにしました。少し慣れてきたら見ないで考えて書くようにし、LECの答練などでどういった書き方が好ましいのかを探りました。2016年3月頃からは短答試験対策だけにシフトして論文対策はしていませんでしたが、短答試験が終わってからは、15〜20分で論点の取りこぼしはしないように、過去問や演習の問題の答案構成だけをする練習を主に繰り返していました。
通学講座のメリット・デメリット
私は新宿エルタワー本校に通っていましたが、通学では周りに受験生がいるため、勉強のモチベーションを保ちやすいと感じました。また、宮口先生は受講生に質問を投げかけられるので、このスタイルが合う人にとってはさらに良いと思います。疑問点をすぐに質問できるところも通学のメリットです。
一方で、通学のデメリットは、校舎の場所が限られているので遠方の人にとっては負担が大きいこと、平日のクラスもあるため仕事が忙しい場合、参加が難しいときもあることだと思います。
仕事と勉強の両立のコツ・時間活用術など
仕事との両立は不安でしたが、私は通勤時間や早朝の出勤前の時間を勉強に利用していました。仕事から帰って勉強すると、疲れてしまっていてあまり頭に入ってこないことが多々あったので、思い切って早起きして、会社近くのお店で出勤前に勉強していました。朝に弱いため早起きは辛かったのですが、起きて家を出てしまえば頭は働き出すので、疲れている夜より集中できたと感じています。また、通勤時間を使って知識の定着に努めました。
今、合格して思うこと
素直にうれしいです。一方で、これからは責任ある立場になりますので、引き続き研鑽に励みたいと思います。技術、語学、経営等の知識を身につけ、弁理士としてお客様からの依頼に応え、さらに一歩踏み込んだ提案で、お客様の事業に貢献できる人材になれるよう、努力して参ります。
これから弁理士を目指す方へのメッセージ
インターネットで検索すると、知的財産業界の先行きを不安視する声が多数見られますが、依然として知的財産の重要性は変わっておらず、むしろより重要視されていると感じます。これから、知財人のあり方が進展するかと思いますが、弁理士はこれからの知的財産業界を牽引する役割を担っていると考えます。是非弁理士を目指し、弁理士試験を突破してください。強い意志があれば突破できる試験だと思います!