勉強の質と効率を意識することが合格の秘訣
N・Nさん
年齢 | 35歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 特許事務所勤務 |
出身校 | 東京外国語大学 外国語学部 |
受講講座 | 1年合格ベーシックコース+アウトプット完成コース |
- ※掲載年齢について…掲載している合格者の方々の年齢は、2015年度弁理士試験の最終合格発表日(2015/11/12)時点のものです。
弁理士を目指した理由
ちょうど勉強を始める1年前に特許事務所の外国事務として転職し、初めて知財の世界に触れ、その面白さに魅了されました。この世界で生涯仕事をしていくことを決め、せっかくなら弁理士を目指してみようと思い、受験を決めました。
LECを選んだ理由
事務所の弁理士に相談したところ、その方もLECに通って合格されたと聞き、LECのサイトで合格体験記を読んだり、Webでの公開講座でいろいろな先生の講義を聞き比べたりして、一番相性が良さそうだなと思った納冨先生の初学者向け公開講座に参加しました。「有限にして完成度を高める」といった、無駄を削ぎ落として効率よく勉強することで短期合格を目指すという考え方にとても共感し、その日のうちに申し込みを決めました。通学での受講を決めましたが、平日に出席できない場合もWebフォローの制度がきちんと整っているという学習環境も決め手となりました。
入門講座のカリキュラム・テキスト・講師について
1年合格ベーシックコースは、働きながらでも合格するために必要な知識が一通り習得できるよう、大変よく考えられたカリキュラムだと思いました。私は平日の講義はWebフォローで、週末は通学で講義に出席していましたが、週末の講義前に平日の講義を聞くことができたので、全く不都合を感じることなく順調に勉強を進めることが出来ました。
入門講座のテキストは、各科目の大枠をとらえるのに過不足のない内容で、とかく「木を見て森を見ず」になりがちな資格試験の勉強も、最初に入門講座を経ることで段階的に勉強を深めていくことができます。短答基礎力完成講座のテキストは、短答合格のために必要な知識が全て詰まっており、このテキストと過去問と先生の講義があれば、あとは他に何も要りません。そのくらいよくできたテキストだと思います。
納冨先生は、歯切れのよい講義が特徴でどの部分が重要かそうでないか、どの部分が出るのか出ないのかをはっきりと講義中に示して下さるので、何の迷いも抱くことなく勉強を進めることができます。長年の講師経験をもとに、受験生がつまずきやすい箇所や分かりにくい箇所を全て把握しておられ、あらかじめそのような箇所を手厚く説明して下さるので、不思議なことに勉強していて分かりにくいとか疑問に思うといったことがほとんどありませんでした。講義の音声をICレコーダーに録音し、入門講座の時期は入門講座を、短答試験前は短答基礎力完成講座の講義音声を何度も何度も繰り返し浴びるように聞くことで、机に向かえない時間もインプットのために活用しました。
短答試験対策で気をつけたこと
短答基礎力完成講座が終わる2月中旬までは、とにかく講義についていくことを主眼に毎回必ず出席(あるいはWebフォロー)し、次の講義までに1-2回聞き直すようにしました。進行スピードは非常に早いので、わからないからといって立ち止まるとすぐに後れをとってしまい、後で取り返しのつかないことになります。2月中旬から始まる短答実戦答練は、それまでの講義の総ざらいかつ本試を意識して時間配分などを練習できる機会と捉え、各範囲の予習を答練前1週間かけて徹底的に行い、毎回が本試験のつもりで、45点以上取ることを目標に臨みました。その結果、答練が終わる3月中旬には全範囲を総ざらいすることができ、そのままの勢いで本試験に突入した結果、49点を取ることが出来ました。
論文試験対策で気をつけたこと
11月から納冨先生の入門コース生限定の論文レベルアップゼミに参加し、2月まで論文の勉強を続けました。論文は当初から苦手意識があり、書き方を習得するまでずいぶんと悪戦苦闘しました。悪い点数がつこうがとにかく恐れずに書いてみること、添削を受けて指摘された箇所は次回の答案に必ず反映させることを意識しました。早い時期から論文を時間内に書くという機会を持ったことで、短答後論文本試験まで怒涛の40日間を走り抜く基礎体力がついたと思います。納冨先生の「短答の知識がしっかりしていれば、論文は40日でなんとでもなる」という言葉を信じ、短答対策中心に勉強していましたが、結果的にそれが功を奏したのだと思います。論文本試験では、それまで受けた答練や模試の中で一番しっかり書けたと手応えを感じ、どちらの結果になっても納得だという自分なりの満足感を得ることができました。
私は選択科目を著作権法で受験しました。とにかく1年で合格したかったので、選択科目といえども手を抜かず、短答実戦答練が終わった後に1通書き、書き方を確認しておいてから、短答後は必須科目と同じ割合で勉強していました。今年の著作権法は非常に難しかったと評判でしたが、私は本試験が最もよく書けたという感触がありました。選択科目のある方は、短答を手堅く仕上げておくことで選択科目の学習にも十分な時間を割くことができるので良いと思います。
通学講座のメリット・デメリット
通学講座のメリットは、やはり目の前で先生が話しているという緊張感があるので頭に入りやすいということです。また、周りの受講生の真剣な姿勢を見ることで、自分も負けていられないと刺激を受けられます。デメリットは、本校への往復に時間がかかりその分の体力を消耗することくらいだと思います。仮に欠席してもWebフォローがあるので特に問題はありません。
仕事と勉強の両立のコツ・時間活用術など
平日は、職場への往復時間はICレコーダーで講義音声を聞き、昼休み1時間は勉強に充てていました。頭がすっきりしている朝の時間を活用しようと生活スタイルを朝型に切り替え、出社前に1、2時間ほど勉強したりもしました。週末は家にこもって丸一日勉強していました。友人付き合いも最低限にし、外出も極力控え、とにかく勉強を最優先に生活していました。隙間時間も意識すれば意外とあるものです。また、疲れたり煮詰まったりすると、同じ1時間をかけたとしても勉強の質が下がるのでかえって効率が悪いといえます。そんなときは思い切って寝てしまったり、テレビを1時間だけ見たりして気分転換し、勉強の質が下がらないように気を付けました。
今、合格して思うこと
1年7か月の受験生活は本当に濃密で、勉強中は先が見えず辛い時期もありましたが、振り返ってみるとあっという間でした。苦手意識のあった論文の合格発表で受験番号を発見した時の嬉しさ、口述試験前に仲間で毎週集まって勉強会をしたときの部活動のような何ともいえない楽しさは、この試験に挑戦していなければ一生味わえなかった感覚だと思うと、受験を決めて本当に良かったと思います。
これから弁理士を目指す方へのメッセージ
納冨先生は「この試験は登山でいえば富士山ではなくエベレストである。だからそれなりの準備をして臨まなければならない」と仰いました。エベレスト級の山に登るのですから、途中苦しい時も、逃げたいと思う時もあります。それでも無事に山頂まで到達できる人は毎年必ずいるわけで、不可能なことではありません。LECにはそのために必要な要素(講座、教材、先生、仲間)がすべて揃っているので、あとはご自身の覚悟次第です。頑張った分だけの結果や達成感を得られることは間違いありませんので、弁理士試験という山を最後まで登り切ってぜひとも合格を勝ち取ってほしいと思います。