仕事あり。選択科目あり。一発合格できたのは、仲間とLECのおかげです!
町田 結美子さん
年齢 | 30歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 国立大学法人職員 |
出身校 | 東京都立大学 理学部 物理学科 |
受講講座 | 1年合格ベーシックコース+アウトプット完成コース、中上級者向け講座 |
- ※掲載年齢について…掲載している合格者の方々の年齢は、2015年度弁理士試験の最終合格発表日(2015/11/12)時点のものです。
弁理士を目指した理由
以前、宇宙関係の機関に勤務していたときに、宇宙という一見閉じた特殊な分野の技術が、身近な技術とのコラボレーションによって新たな商品やサービスが生み出されていくのを体験して深く感銘を受けました。元々は純粋に研究に興味があったのですが、社会との関わりの中でイノベーションを起こしてこそ、研究開発の価値や組織のプレゼンスも向上するのだと感じ、その最前線の現場で自ら専門性をもって関わりたいと思うようになりました。そのための突破口が開ければと思い、弁理士試験の受験を決めました。
LECのコース・講座を選んだ理由
弁理士試験は理系の最高峰という認識をもっていたため、独学ではなく予備校に通うつもりでした。短期間で合格するためには、初めに、確実に合格につながっているレールを見極める必要がありました。LECは合格者を多く輩出している実績があったことと、受講生の雰囲気が思ったよりも明るかったので、これなら大丈夫だと思いLECに決めました。
入門講座のカリキュラム・テキスト・講師について
基本パックで各法域の内容、各段階の試験対策がひととおり網羅されているところがよかったです。内容は私にとってはかなり早いペースで進んでいったため、平日の自習時間では復習が追いつかないことも多く、なんとか復習を終わらせて次の講義に臨もうというのが目標でした。毎回の講義がペースメーカーになってくれたので、今何をすべきかについては悩む必要がなく、使える時間を全て勉強内容に充てられて非常に効率的でした。
宮口先生の講義は一方的なインプットではなく、頻繁に指名されて問題を出されます。当てられてもすぐに答えられないと「じゃあ、次の人!」と飛ばされてしまうので、絶対に答えてやろうと毎回必死でした。おかげで講義はいつも緊張感をもって臨むことができ、他の人の答える様子をみて自分の理解度を確認しながら勉強することができました。また、先生方は皆親切で、質問にいくとこちらが混乱している内容を的確に汲み取り、はっきりと回答してくださるので、安心感がありました。
短答試験対策で気をつけたこと
勉強開始してすぐの5月、進むべき方向性を見定めるべく、先取りで、短答試験の直前系道場に出席しました。そこで感じたのは、合格しそうな人は細かい条文番号も正確に言える傾向があるということでした。そのため、自分は条文を徹底的にやると決めました。
勉強は暗記ではなく、条文の言葉を一言一句よく吟味することを重視しました。なぜそのような規定となっているのか?その文言であるためにどのような影響があるか?規定しきれていない例外はないのか?類似規定や他の法域ではどうなっているか?など、あらゆる角度からテストすることで、条文同士の関係が見えてきて、より深い理解につながりました。
本格的に過去問に取り組んだのは年末からでした。本質が理解できていれば何が出題されても答えられると考えていたため、ひととおり過去問を解いた後は、直前のゴールデンウィークまではまたじっくりと各法域の条文(四法+下三法)に向き合いました。条文を読み込むのは毎回新たな気づきがあり、面白かったです。
論文試験対策で気をつけたこと
論文は一番苦手な試験でした。本試では明記されていない要件が多いので、どこまで仮定していいのか、又は場合分けして詳細に書くべきなのか、さじ加減がわからず最初は戸惑いました。また結論と根拠条文が思い浮かんでも、論文らしい文章に仕上げるのもなかなか慣れませんでした。趣旨や判例を問われると何を書いたらいいかわからず、頭が真っ白(答案も真っ白)ということもしばしばでした。
伸びたと感じたのは、青本の趣旨を丸ごと覚えたときです。自分のいけなかったのは、考えればわかる、と思っていたところでした。弁理士試験では、法律家としての基礎となる共通理解があるかを問われるため、自分の頭で考えた誰も知らない根拠をつくるのはナンセンスでした。青本の記載をそのまま再現できることの方がより高い評価を得られることに気づき、割り切って暗記に切り替えたところ、法律用語がすらすら出てくるようになり、書くべきことがみえるようになってきました。記載量も増えて、合格につながったと思います。
通学受講のメリット・デメリット、仕事と勉強の両立のコツ・時間活用術
個人的には、通えるのであれば通学が断然有利だと思います。Web受講では2倍速で聞けるメリットはありますが、通学では、教室に行き仲間と会い、目の前で講義を受け、疑問点をぶつけ合うことができます。自分が気づかないことに他のメンバーが気づいてくれると、理解を深める良い刺激になります。相互監視もはたらき、いい緊張感を保てました。
平日は仕事のあと3時間くらいカフェで勉強していました。一応、「今日はここまで進めたい」という目標を決めますが、それよりも思考量や「今日はこんなことがわかった」という実感を大事にし、進度が遅れても焦らないようにしていました。また、最短でも1年半という期間をかけるので、甘いものを食べたいときはケーキを食べたり、飲みたいときは飲んだり、というようにストレスをためないようにしていました。
今、合格して思うこと
弁理士の勉強を通して、たくさんの友人と出会うことができました。勉強会の仲間とはいつも一緒で、顔を見るだけで元気がもらえ、24時間365日体制で議論を戦わせました。前の年に働きながら一発合格を達成した友人からはたくさんアドバイスをもらいました。お酒の席でも、いつもみんなで問題を出し合い、そのまま夜を明かしたのも数えきれないほどです。条文に向き合うこと自体が楽しかったのと、同じ目標に向かうメンバーと切磋琢磨できる環境が心地よく、本当に充実した濃い時間が過ごせました。
一方、私は論文で選択科目も受験しなければならなかったので、自分が一発合格するのはかなり難しいと思っていました。長らく理系科目から離れていることと、現在文系職なので、仮に必須科目がうまくいっても、その後すぐ頭を切りかえて、たった3週間で理系科目を合格レベルまで上げることはほぼ不可能だと考えていました。それが幸運なことに、同じ選択科目をとった最近の一発合格者や元大学講師、理系博士の勉強仲間など、LECで知り合った多彩な友人から協力を得られ、手厚く勉強を教えてもらいながら選択科目に取り組むことができました。友人宅に集まって強化合宿をしたのも良い思い出です。仲間がいなければ最終合格はなし得ませんでした。本当にありがとう!!!
これから弁理士を目指す方へのメッセージ
動機づけは人それぞれだと思いますが、いずれにしても弁理士試験は手段です。勉強していると盲目的になりがちなので、ぜひ、今持っているビジョンを大事にとっておいてください。また、LECには様々な仕事を持ちながら、あるいは学業と両立しながら、さらに意欲的に勉強に向かう人が多く、きっと一緒にがんばっていける仲間がみつかると思います。それなりの時間や体力を要する試験ではありますが、合格すれば、夢や目標に一歩近づけるし、自信にもつながります。ぜひ来年のこの合格体験記を、あなたの文章で飾ってください!