合格の鍵は、「条文知識の正確さ」
R・Kさん
年齢 | 27歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 会社員 |
出身校 | 京都大学大学院 工学研究科 |
受講講座 | 1年合格ベーシックコース+アウトプット完成コース、中上級者向け講座 |
- ※掲載年齢について…掲載している合格者の方々の年齢は、2014年度弁理士試験の最終合格発表日(2014/11/11)時点のものです。
弁理士を目指した理由
研究業務を行っていると知的財産は非常に身近なものです。知的財産には学生の頃から興味はありましたが、勉強する時間を年々取りにくくなると感じ、今のうちに資格を取得できるくらい勉強をしようと思いました。
LECを選んだ理由
最初は市販テキストで独学を考えましたが、私は実務も法律関係の勉強も全く経験がないので『弁理士 受験』でネット検索したときにLECの存在を知り、説明会に足を運ぶことにしました。独学とは異なり非常に効率のよいカリキュラムが組まれていることが素人でもわかりました。また、他の受験機関よりもLECの1年合格等の実績があるように感じ、LECでの受講を決意しました。 講義から答練の予定までしっかり組まれている初学者向けのベーシックコースを選び、また、勉強する習慣やリズムが作りたかったので通学コースを選びました。
入門講座のカリキュラム・テキスト・講師について
ベーシックコースでは法律に全く触れたことのない人でも勉強に取り組めるカリキュラムが組まれていたので、自分で段取りを考えなくても知識が得られる点が非常によかったです。短答基礎力完成講座のテキストには条文や解説のほかに青本や審査基準の重要部分が載っているので口述試験まで非常に役に立ちました。
短答試験対策で気をつけたこと
短答試験で気をつけたことは2点あります。
まず、条文の内容を正確に覚えることに注力しました。具体的にいうと、主体・客体・時期・手続きはもちろん、中間処理などの制度の流れ、但書き・かっこ書きの内容です。字面ではなく内容を覚えるようにしました。通常の制度よりも但書きやかっこ書の内容である例外が問われることが多く感じたからです。覚えるために短答試験本番までに、2月から2ヵ月間で短答基礎力完成講座のWEB講義を3回視聴しました。その際に、1回目はテキストに書き込み等を行い、2回目は四法対照法文集にテキストの要点を書込み、情報の一元化をしました。3回目は確認の意味をこめて条文を覚えながら視聴しました。また、2月から4月までに過去問題集は3周しています。間違えた問題は、本番まで付箋で印をつけて繰り返しました。さらに、条文集に書込みをし、条文を何度も見るように心がけました。
2点目は問題を解く際には根拠条文を挙げることです。そんなことをしなくても、択一問題であれば正答することは可能かもしれません。しかし、近年の出題傾向では「いくつあるか問題」が増加しています。このような問題を攻略するためには『条文知識の正確さ』が求められると感じました。実際、この2点を意識して勉強をすると急激に正答率が上がりました。また、条文番号や趣旨の一部を覚えたことは後の論文試験や口述試験に非常に役に立ちました。
私は、1月中旬から始まった短答実戦答練で平均点以下の点数しかとれなかったため、2月から勉強方法を上記のように変えました。それまで講義や答練は受けていたものの、特に予復習はしなくても過去問で構成されていることがほとんどなので答えを覚えていたのが幸か不幸か理解できているように錯覚していました。
しかし、実力は伴っていないので1月からの答練や模試は悲惨な結果でした。せっかく試験の1年も前から勉強するのであれば最初からそのようにしておけばよかったと思います。
論文試験対策で気をつけたこと
短答試験が終わった後はすぐに論文試験の対策を始めました。短答の勉強ばかりをしていたため、論文の対策はほとんど行っておらず、論文を書く練習が必要でした。ただ、全文を書く時間はもったいないので小さい問題の答案構成を行い、どんな順番で何を書くかを決めていました。
たくの問題にあたって過去問対策をしたかったので木戸先生のゼミを受講しました。先生の論文は単に事例を条文に当てはめるのではなく趣旨や理由を織り交ぜながら論じます。実務を行っていない私にとっては条文や制度をより理解することができました。また、口頭で答える場面が多かったのでゼミの時間は非常に緊張感があり、口述試験の練習にもなりました。ゼミでは、常に趣旨を気にして問題を解くため、最近の傾向である一行問題の論じ方も青本や判例の内容をあまり知らなくても「原則→しかし→そこで」の流れでと自然に対応できるようになりました。
通学講座のメリット・デメリット
通学の講座では、解らないところはその場で質問・解決ができました。また、一緒に頑張る人が周りにいるのが励みになり、ちょっとへこたれても、再び頑張ろう、という気持ちになれました。お互いに切磋琢磨する雰囲気が非常によかったと思います。
欠席することも多かったのですが、そのときはWEB受講を活用しました。WEBでは2倍速で聴いたりして時間が節約できたことが非常によかったです。
仕事と勉強の両立の仕方
年明けまでは平日は予復習(ざっくりテキストに目を通すのみ)問題演習を1日20問、と決めてやっていました。休日は平日にできなかった分を補う程度でした。もちろん、こんなことでは全く成績は伸びなかったので、年明けからは1日1講義のWEB受講と寝る時間まで問題演習をしました。休みの日はファミレスに朝から晩までいました。
時間はいくらあっても足りないと感じていたので、残業しないように効率よく仕事をしたり、人とのお付き合いを辞退したりするようにしていました。また、通勤時間をフルに活用するようにしていました。
今、合格して思うこと
もしも不合格だったら、自分の勉強法について改善したかったところは2点あります。
1点目は最初から条文の言葉に即して内容を覚えるべきだったことです。本腰を入れて勉強を開始したのが年明けだったので、とにかく短答の問題が解けるような制度の覚え方をしていました。しかし、論文試験、特に口述試験では『条文に即す』ことが非常に重要になります。覚えることが二度手間だったので、非常に時間のロスがありました。このロスがなければ問題演習をしたりする時間をもっと十分にとれたと思います。
2点目は体調管理です。当たり前のことと思われるかもしれませんが、勉強のために不規則な生活をしたりしたので、短答試験や論文試験の前はひどい風邪をひきました。全力で勉強ができなくなるし、試験が受けられなければ元も子もありません。体調管理にはもっと気をつけるべきでした。
これから弁理士を目指す方へのメッセージ
長い勉強生活なので息抜きや集中するメリハリをしっかり作ってください。非常にストレスの溜まる毎日になりますが乗り越えた後は、世の中の見方が変わって新しい可能性が見えるような気がします。
つらいときももちろんあります。私は幸いにも、一緒に合格を目指す友人の存在のおかげで受験期はモチベーションを高く保てました。また、勉強に行き詰ったときにアドバイスをくれた先輩やストレスの溜まった私に理解のある家族や友人に恵まれました。皆も頑張ってください。