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2013年度合格
後藤 英斗さんの合格体験記

合格者
一発合格

自分に合った勉強法で

後藤 英斗さん

年齢 31歳
受験回数 1回(別に試し受験を1回されています)
職業 会社員
出身校 愛知県立大学 情報科学部
受講講座 1年合格ベーシックコース+アウトプット完成コース
  • ※掲載年齢について…掲載している合格者の方々の年齢は、2013年度弁理士試験の最終合格発表日(2013/11/7)時点のものです。

弁理士を目指した理由

システムエンジニアとして仕事をする中で特許権侵害の問題や委託開発契約における著作権の取り扱いといった経験から知的財産権に興味を持ちました。初めは軽い気持ちで知的財産についての本を読んでいましたが、次第に関心が強くなり、弁理士となって知的財産権を扱うことを職としたいと考えました。私自身が新しい技術や知識に触れるのが好きなこと、知的財産の見地から企業活動をサポートする仕事に憧れたことが弁理士になろうと決めた理由です。

また、ソフトウェア開発の場面では要求や仕様を論理的に整理するスキルが求められますが、この能力は法律を扱う上でも応用できると考えたため、30歳になるのを機に始める新しいことにちょうど良いと思ったことも理由の1つではあります。

LECを選んだ理由

ガイダンスで伺った富澤先生のお話が法律を扱う知識をほとんど持たなかった私にも分かりやすく、知的財産については初学者中の初学者の私も理解できると実感したことがLECを選択した理由です。
また、当時は名古屋エリアで通学クラスを開講している予備校が他にはありませんでしたので、LECを選択しました。

入門講座のカリキュラム・テキスト・講師について

富澤先生は最初の講義で法律の基本的な考え方をしっかり教えてくださいました。あの講義がなければ私の一発合格はなかったと今でも思っています。一般法・特別法・条約の位置づけ、条文・判例・審査基準・学説の位置づけ等を最初に理解できていたからこそ、その後の学習を効率的に進められました。

また、富澤先生は法律を数式の様に扱うことを提唱されていましたので、情報処理が専門の私にはぴったりの考え方でした。カリキュラムでは入門講座と論文基礎力完成講座が法域ごとに交互に組まれていたため、入門講座で得た知識を忘れる前に論文を書く力に繋げることができました。

通学講座のメリット・デメリット

通学講座は他の受験生の様子を知ることができ、また仲間や相談相手を作ることができる点で有利です。疑問や分からない点をすぐに講師に聞くことができる点もメリットです。
日時が限定されてしまうデメリットがありますが、一方で、開講日を目安に自宅での学習計画(復習や予習)を立てやすくなります。

仕事と勉強の両立の仕方

私は通勤時間を有効活用しようと、スマートフォンに単語カードアプリを入れて条文(要件や効果)・趣旨・判例・条文番号等の暗記をしていました。作ったカードは3,000枚以上です。
移動時間に暗記作業をしておくことで、出社前や帰宅後のまとまった時間は論文の練習や短答の過去問題などに割り当て易くなりました。出社前、昼休み、帰宅後、通勤時間のそれぞれ、自分に適した勉強法を選択することが秘訣です。

短答試験対策で気をつけたこと

短答式試験は広く・細かく問われるため、出題ポイントがわかりにくいものです。そこで、学習では過去問題集を繰り返し解きつつ、富澤先生に指導いただいた「問われた条文上の箇所に線を引く」勉強法を取り入れました。
この方法によって、条文に含まれる要件のうち、出題されやすい要件はどれかということを把握しやすくなります。特にPCTは規則まで含めると範囲が膨大になりますが、どの規則をおさえておくべきかを明確にすることができます。
また、過去問題に取り組むときには正誤だけでなく、1枝ごとに解答の根拠も合っていたかを確認することに注意していました。

論文試験対策で気をつけたこと

短答式試験から論文式試験までは1月程しか余裕がないため、論文式試験の学習は先行して前年10月から3月くらいまで行いました。論文は「書く技術」と「知識」が大事だと教わっていましたので、この時期、毎日1つは論文を書き「書く技術」を磨くようにしました。時間がとれない日も簡単な問題を選ぶ等の工夫で継続しました。「書く技術」では論点のブロックや文章のパターンを習得することもそうですが、自身の「書くスピード」を把握することも大切です。試験時間内に書ける文量を知っておき、答案構成をその文量でアウトプットしなければならないからです。初めのうちは時間内に書けることはほとんどありませんでしたが、条文番号を暗記して法文集をひく回数を減らす、定型フレーズを多く用意しておくといった工夫でスピードを上げました。

私の論文式試験は愛知県から大阪会場への遠征受験(前泊)でした。あまり多くのテキストは持っていけませんので、前泊の際に詰め込むためのコンパクトな資料を用意しました。内容は過去に出題されたり、出題が予想されたりしている論点や判例、主な条文の趣旨を自分の言葉で短くまとめた箇条書きです。

短答式試験が終わった直後から、論文を書くための「知識」の補充をしながらこの資料を作成しました。特に趣旨や判例は短答式試験ではほとんど出題されないため、資料を作りつつ論文式試験までの間に重点的な復習を行いました。

合格して思うこと

弁理士試験に関心をもって以来、幸いにも短期での合格を果たすことができました。当初は試験勉強と並行して知的財産分野への転職活動も行おうと考えていましたが、両立させることは難しく、まずは弁理士試験合格を優先させました。

したがって、私にとって今は弁理士試験合格という1つのゴールに達することはできましたが、知的財産分野で仕事をするという次の目標のスタートラインについたところです。これまでに勉強してきたことは振り返ってみればとても面白い内容であったと思います。数年前の自分からしたらまさか法律の勉強をしようなどと予想もされません。是非ともこの知識を活かせる仕事ができるように励みたいと思います。

また、この合格は周囲の理解と協力もあってのことだと思います。特に勉強生活に理解をし、様々な面でサポートしてくれた家族にはこの場を借りてお礼を言いたいと思います。

これから弁理士を目指す方へのメッセージ

おそらく弁理士試験に挑まれる方の多くは仕事や学業との掛け持ちの生活を送られることと思います。両立は大変なことですが、自分に合った勉強方法を早めに見つけられることを願います。
たまには息抜きでもしながら、でも、ゴールをしっかり見据えてがんばっていただければと思います。

最後に、私はシステムエンジニアであり、知的財産分野の仕事の経験はまったくありませんでしたし、法律や知的財産に関する知識も学習を開始した時点では皆無であったといえます。それでも合格を果たすことができました。私のように他分野から挑戦を考える方も(周りは知財経験有りのライバルばかりかもしれませんが)自信をもって挑んでほしいと思います。

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