秋から始めて短期・一発合格するには
角渕 由英さん
年齢 | 28歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 会社員(特許調査) |
出身校 | 東京大学大学院 工学系研究科 応用化学専攻 |
受講講座 | 短答・論文速習コース、中上級者向け講座 |
- ※掲載年齢について…掲載している合格者の方々の年齢は、2012年度弁理士試験の最終合格発表日(2012/11/9)時点のものです。
弁理士を目指した理由
私は2012年の春に博士課程を単位取得後に退学し研究を続けていましたが、夏に大学での研究から離れることを決心しました。在学中に、研究で生まれた発明を特許出願した際に、特許事務所の弁理士の方々にお世話になり、弁理士という仕事に興味を持ちました。就職活動を始める際、企業等での研究開発職は候補に入れず、知財の業界で就職して活躍すると心に決め、知財の世界で生きていく上で取得すべき弁理士の資格を、翌年に初回の受験で取得しようと目標を立てました。
今考えると、前年の夏という遅い時期に法律の学習経験がないにも関わらず、大変無謀な決断をしたと思います。しかし、絶対に来年合格するという気持ちは強く持っており、この強い思いが短期・一発合格に不可欠であったと考えています。
LECを選んだ理由
色々な受験機関がある中で、10月スタートの速習コースが自宅から比較的近い高田馬場本校で開講され、評判の良い佐藤卓也先生が担当になるとのことで、8月の終わりに説明会に参加しました。佐藤先生に「秋から始めて1年で合格できますか?」と質問をしたところ、「私の授業についてこれれば十分可能です!」とのお返事をいただき、その日のうちに受講を決めました。色々な先生がいる中で、法律を学ぶなら法学部出身の佐藤先生が一番だと考えていましたが、先生との出会いこそが一発合格できた大きな要因であったと思います。
入門講座のカリキュラム・テキスト・講師等について
法律について完全に初心者であった私にとって、入門講座のテキストはわかりやすく、大変役立ちました。ある程度勉強が進んだ後に見直してみると、とても良くまとまったテキストであることが実感できると思います。佐藤先生は、通学講義前に予習することを前提に講義をされます。自宅でDVDを見て予習し、講義後にもう一度、DVDや生講義の録音で復習するというスタイルが早い時期に確立したことで、効率的に勉強を進めることができました。
また、佐藤先生はオリジナルのレジュメを用いて講義をしており、「入門講座でも、上級講座と同じで最終合格に必要な内容を全て話尽くしています」という言葉通り、基礎的なことは勿論、試験で問われる事項、重要な論点や法改正の歴史まで、余すところ無く教えてくれました。ですので、最初講義で聴いたときは内容が盛りだくさんで、あまり理解できずについていけないこともありましたが、講義をボイスレコーダで録音し、速聴機能を用いて、最初は1.5倍速、以降は2.5倍〜3倍速で繰り返し聴くことで理解が深まりました。3倍速になると完璧には聞き取れませんが、キーワードや重要な点は頭に入ってくるので効果的でした。私のこの学習法は極端な例ですが、限られた時間を有効利用するには、何かしらの工夫が必要であると思います。
通学講座のメリット・デメリット
生の講義は通信講座と比べて緊張感や集中力が全く異なるものであり、定期的な学習のペースメーカーにもなります。遠隔・交通不便の地にお住まいの方や、時間的に通学が無理な場合を除き、通学プランがおすすめです。
デメリットとしては、教室までの移動に時間がかかることや、疲れている平日夜間や貴重な休日に通学しないといけないことがありますが、通学のメリットを考えると些細なものであると思います。
仕事と勉強の両立のコツ
仕事と勉強(+家族との時間)を両立するのは難しいことです。しかし、弁理士試験の受験生は会社員や特許事務所で勤務しながら勉強している人が大半です。個人差はありますが仕事が忙しいのは、皆同じであり、言い訳をしていたらいつまで経っても合格できません。やるべきことを明確にし、メリハリをつけて集中することが大切です。その点、LECでは様々な講座が用意されており、自分に合った講座を最後までやり抜くことが合格への近道だと思います。私は勉強と仕事にメリハリをつけていましたが、振り返ると試験直前期には通常よりも多い仕事量をこなしており、勉強にも仕事にも良い結果をもたらしていました
短答試験対策で気をつけたこと
短答基礎力完成講座が始まったのは年が明けた1月中旬であり、5月の短答試験まで時間がない状況でしたので、短答試験までは論文試験の勉強は論文基礎力完成講座のみで、短答対策に集中しました。当たり前のことですが、短答試験に合格しなければ論文試験を受験できないこと、そして佐藤先生の入門講座と論文基礎力完成講座を受講し、知識量はある程度大丈夫だと目処が立っていたことを考えた上での決断でした。常に「今何をすべきか」を意識し、学習スケジュールを立てることが短期合格には重要です。
自宅や通勤時間を使い、入門講座が終わる11月中旬から過去問に取り組み、佐藤先生の教えに従って、傾向を掴むためにまずは3年分、次に10年分(2回目以降は間違えた枝や難しい枝のみ)を繰り返し解きました。最終的には10年分を10回近く回したかと思います。まとめて100問解くより、1日10問を毎日続けるというような、短時間でも続ける学習が効果的でした。また、短答試験は択一式ですが、条文等の理由付けを確認しながら一つ一つの選択肢を丁寧に復習することで、論文試験や口述試験にもつながる知識を得ることができました。直前期には答練や公開模試を受けることで、自分の実力を把握し、間違えた問題を徹底して復習しました。
論文試験対策で気をつけたこと
短答試験の翌日、それまで一枚の答案も書いたことがない状況から論文試験の対策がスタートしました。一番最初に書いた答練での添削コメントで、書き方(要件と効果を書く、項目をわかりやすく書く、改行をしてはいけない等の体裁)が全くだめであると指摘され、全体の順位も最下位に近いものでした。正直、短答試験から論文試験までの40日で大丈夫かと不安になりましたが、諦めることなく一から「論文の書き方」を勉強し、平日は1枚、休日は3枚を目標に繰り返し手を動かして答案を書きました。それまでの入門講座や論文基礎力完成講座での知識が活き、項目を落としたり、結論を間違えたりすることはなくなり、直前期には模試の判定もA判定やB判定が出るようになりました。
論文試験の勉強では、答案を書いてみても客観的に採点してもらわないと、記載すべき項目のチェックはできても、答案全体として良いのか悪いのか判断できません。その点、LECの答練や模試での添削は、コメントや、チェックリストを用いた採点がされていて役立ちました。
合格して思うこと
私は試験の前年の秋から勉強を始めたため、他の受験生よりスタートが遅かったのですが、一発での最終合格を強く決心し、それに向けて「今何をすべきか」を常に意識して勉強しました。試験勉強を開始したと同時に知財の分野に転職をし、研修や実務に忙しい中、諦めることなく短時間でも毎日勉強を継続し、決して言い訳をせず、一切妥協しなかったことが、今回の短期・一発合格に繋がったと言えます。また、佐藤卓也先生の厳しくも完成された講義や、家族の理解と協力、LECの素晴らしい教材なくしては、この合格はありえませんでした。私を応援し、支えてくれた全ての方々に心より感謝しております。
これから弁理士を目指す方へのメッセージ
弁理士試験で何よりも大切なのは、学ぶべきことを一つ一つ丁寧に勉強することです。様々な免除制度はありますが、「一発で最終合格をする」という気持ちで勉強をしないと合格まで時間がかかってしまいます。自分に合った講師の先生と講座を選び、諦めずに最後までやり抜くことが合格の近道だと思いますので、強い心を持って頑張ってください!