自分に合った講師を探そう
村岡 純臣さん
年齢 | 21歳 |
---|---|
受験回数 | 2回 |
職業 | 大学生 |
出身校 | 東京工業大学 生命理工学部 生命工学科 |
受講講座 | 短答合格パーフェクトコース、中上級者向け講座 |
- ※掲載年齢について…掲載している合格者の方々の年齢は、2012年度弁理士試験の最終合格発表日(2012/11/9)時点のものです。
弁理士を目指した理由
私は大学入学前から法律にも興味があり、理系の大学に進学した後に、何かしらの形で法律の勉強をしようと思っていました。1年生の時は大学の講義が多く、授業に付いていくことに精一杯だったのですが、2年生になった時に時間に余裕ができたので、法律の勉強を始めようと考えました。そして、法律の中でも、特に理系と関わりのある知的財産法を勉強しようと決めました。さらに、知的財産法を勉強する上で、目的があった方が良いだろうということを考え、難易度の高い弁理士試験を目指すことにしました。
LECを選んだ理由
私は、受験においては本人の努力は当然として、良い講師に出合うことが非常に大事だと考えています。そこで、特に講師に定評のあるLECを選びました。その中でも、何度か説明会に足を運び、自分に合うと感じた講師を選びました。
1年目には、佐藤卓也先生の入門講座及び短答基礎力完成講座等を受講しました。佐藤先生は、入門講座の時から非常にハイレベルな内容に触れるため、1度だけで全てを理解しきることは困難です。しかし、佐藤先生は、重要な点を何度も説明してくださるため、事項の強弱が分かり、効率的に勉強することができました。結果的に、私は8カ月間の勉強で、短答試験に53点で合格できました。しかし、短答試験までの時間をすべて短答試験対策に費やしたために、1年目の論文試験は対策が不十分であり、残念ながら不合格となりました。
2年目は、「1年費やすのだから、来年こそ絶対合格したい」という思いから、抜群の実績を誇る吉田雅比呂先生のゼミを受講しました。吉田先生のゼミを受講することで、論文の書き方に迷いがなくなり、問題を簡単に解くことができるようになりました。それに加え、論文試験の突破には何が必要なのかが明確に分かるようになり、インプットをすることが非常に簡単になりました。吉田先生のゼミは、論文試験対策に限らず、弁理士試験におけるブレイクスルーだったと思います。論文試験の成績は公表されないため不明ですが、先生の教えに従い、普通に受けた模試では、全国一桁の成績でした。
入門講座のカリキュラム・テキスト・講師等について
前述した通り、入門講座は佐藤卓也先生の講座を受講しました。佐藤先生の入門講座は非常にハイレベルな内容となっており、一度受講するのみで全てを理解しきるのは困難です。しかし、何度も復習することで、その度に新たな発見をすることができます。そのため、試験本番直前まで使える講座だと思います。実際に、私は2年目の論文試験の直前期にも、電車の中で先生の入門講座を聞き直し、復習していました。そして、先生の入門講座により得ることができる問題の考え方は、弁理士試験の最後の試験である口述試験においても役立ちました。
通学講座のメリット・デメリット
通学講座のメリットは、講義室全体の緊張感を味わうことができることと、同じ講義で勉強する仲間を作ることができる点です。また、疑問点をすぐに講師に聞くことができ、講師に顔を覚えられれば、それはモチベーションにも繋がります。 デメリットとしては、決まった日時に決まった場所に居なければならないので、通信講座に比べて時間の制約は大きくなります。
大学生活と勉強の両立の仕方
私は、学生ということで、社会人の方に比べれば時間に余裕はあるとは思いますが、それでも大きな負担になることは間違いありません。また、サークルや友達からの飲み会を断らざるを得ない状況も発生します。 しかし、それに引き換えても、ゼミ等の仲間とともに、共通の目的を持って努力するという体験は、非常に貴重な体験だったと思います。特に、学生のうちから、自然と社会人の方々、それも研究開発職や知財部の方と接点を持つことができるのは、弁理士試験を受験したからこそだと思っています。
インターネット上の記事では、「学生は学生にしかできないことがあるので、弁理士試験を受けない方が良い」というコメントを見ることがあります。しかし、私はそうは思いません。確かに学生にしかできないことは多くあります。しかし、社会で活躍する社会人の方とともに、受験生活を送るというのも、面白いと私は思います。
短答試験対策で気をつけたこと
佐藤先生の入門講座と短答基礎力完成講座をしっかり復習することは当然として、それに加えて過去問を解きました。具体的には、10年分の過去問題集を少なくとも2周は行い、2周して間違えた問題を念入りに確認しました。このようにして、過去に出題された問題は、本番でも解答できるように勉強しました。
その一方で、審査基準や青本には一切手を出しませんでした。結果から見れば、短答試験の対策のみに絞ればこの決断は正しいと思いますが、次の論文試験、口述試験においては苦しい戦いとなります。短答試験にだけは絶対に合格したいという人を除けば、この点は参考にしない方が良いと思います。
論文試験対策で気をつけたこと
必須科目は、吉田雅比呂先生から教わった通りに書くだけです。
選択科目は、大学受験及び大学で勉強している内容なので、大学受験及び大学で勉強している内容を復習しました。そして、特許庁のホームページにアップロードされている過去問を解き、出題が多い分野の問題を、問題集などにより解きました。
合格して思うこと
私の受験生活は2年間であり、平均に比べれば短い方ですが、それでも長く感じました。その間、遊びの誘惑等を振り切ることが、多少なりとも精神的に負担になった時もあります。これらを乗り越えて合格を成し遂げたということに、非常に達成感を感じています。
最後に記載しますが、私はこの試験を通じて、単純に弁理士試験合格というだけでなく、非常に大切なものを得ることができました。この試験で得ることができたものは、今後の一生に影響するとさえ思います。
そして、多くの方が言うように、この合格は一つの通過点だと思います。これから進むべき道を考え、そのためにさらに努力を続けて行きたいと思います。
これから弁理士を目指す方へのメッセージ
私はこの合格体験記で、私たち自分自身の努力は当然として、講師の大切さを記載したつもりです。上記の「論文試験対策で気をつけたこと」を一言で済ませているのはそのためです。
しかし、私がこれと同じくらいに大事に思うのは、ともに勉強をする仲間の存在です。互いに同じ教材で勉強し、分からない部分については聞き合い、切磋琢磨しあう受験仲間は、私にとって大切な人達です。受験勉強はこれで終わりましたが、今後もずっと仲間だと思っています。
そのため、これから弁理士試験を目指す方は、良い講師を探すことに加え、良い受験仲間を作ってください。