ギリギリ合格 反省の多い受験生活
荒木 祥太さん
年齢 | 28歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 会社員 |
出身校 | 東京大学大学院化学システム工学専攻 |
受講講座 | 1年ベーシックコース インプット+アウトプット一括 |
選択科目 | 免除あり(理工Ⅲ(化学)) |
弁理士を目指した理由・きっかけ
今後のライフプランを考えたときに、比較的転職が容易である専門職としてのキャリアに魅力を感じておりました。中でも、これまでの研究・開発の経験を活かすことのできる点で弁理士に興味を持ったのが受験を始めたきっかけです。
LECを選んだ理由
一発合格の実績が決め手です。弁理士試験の勉強は多くの時間を費やす必要がありますので、可能な限り短期で合格して、実務経験など他のことに時間を割けるようにしたいと考えていました。その結果、必然的にLECを選ぼうと考えるに至りました。
LECで受講した初学者向けコースとその担当講師について
1年合格ベーシックコースは、まず、教材が充実している点が良かったと思います。特に短答アドヴァンステキストは短答試験に必要な情報が過不足なく記載されており、他の教材を買って使ったりする必要がまったくありませんでした。短答試験用の教材ですが、結局論文試験・口述試験のときもお世話になったので、試験全体を通じて基盤となる教材だと思います。
また、全範囲を3周するように設計されたカリキュラムも良かったと思います。ただ単純に3周するのではなく、初学者がゼロからステップアップできるように段階的なカリキュラムになっていると思います。一方で、短期合格に間に合うよう各回の分量が多くハードなスケジュールになっています。ただ、これは今思えば必要不可欠な分量だったと思いますので、短期合格のためのペースメーカーとして、大変ですが有用だったと思います。
まず、納冨先生の講義は、毎週の学習スケジュールを配ってくださる点が特徴的だと思います。何をやるべきか考える必要がないため、より多くの時間を勉強自体にあてることができます。特に初学者は弁理士試験自体の全体像がつかみ切れていない中で学習を進めないといけませんので、自分で考えた学習計画は必ずしも正しいとは限りません。そこは受験のプロに委ねた方が合理的であると思います。
また、納冨先生がポイントポイントで伝えてくださる受験のコツ・テクニックのお話が大変参考になりました。この試験には決して楽して点が取れるすごい裏技的なものはないと思いますが、合否を分ける重要なポイントにおける正しい考え方ができるか・できないかで勉強の効率が変わってくることはあると思います。その点で、先生の講義は優れていると思います。
LECで受講した答練について
- 論文直前答練
- 論文試験の直前期にしっかり実戦経験を積めるので、論文試験を受ける人には必須の講座かと思います。すべて受けて復習まで行うことで、一通りの範囲を網羅できるよう設計されているので、弱点の洗い出しに良かったです。
LECで受講したスポット講座について
- 高橋克宗の論文レベルアップゼミ
- 論文基礎力完成講座と、論文直前期の模試・答練だけで論文試験まで一発合格することは、不可能ではないけれども現実的にはかなり難しいというのが試験を終えての率直な感想です。レベルアップゼミは、論文直前期を迎えるまでに論文の力を高めておくために非常に有用な講座でした。
LECの教材や学習システムについて
LECの教材は必要な情報が過不足なく記載されていて非常に素晴らしいと思います。また、Webフォローについては、出れなかった講義もいつでも視聴することができますので、すべて出席するのが難しい環境の方にとってはとても役に立つと思います。
短答式試験対策で気をつけたこと
短答試験については私はまったく上手くできなかったので失敗談を書きます。私が反省しているポイントは、秋から冬にかけての時期に高い集中力で短答対策できなかった点です。この時期はLECでいういわゆる3周目の時期で、短答アドヴァンステキストを中心に学習するかと思います。納冨先生のクラスでは短答アドヴァンステキストや四法対照条文の読み込みをこの時期に多くやるのですが、私は読み込みにおいて求められている水準が分かっておらず、かつ勉強の中だるみの時期でもあり、適当に条文を流し読みして済ませていました。結果としてAランクの条文すらおぼつかない状態で年末を迎え、その後の短答対策がすべて後手後手に回ってしまいました。短答は勉強量が多いので最後まで挽回する余裕は無く、結局下三法に救われてギリギリ通過という結果でした。短答アドヴァンステキストに入ったら、楽な方に流れようとせず、条文を覚える覚悟を持って勉強されることをおすすめします。
論文式試験対策で気をつけたこと
論文対策は勉強中も色々と自分なりに考えてみたのですが、結局のところ一番大事なのは正確な短答知識という結論に至りました。論文試験だからといってそれっぽい事を書いておけばそれなりの点が来るということはなく、結論のところが×なら全部×になると構えておいた方がいいかと思います。全部×の場合ダメージが大きいので、結論を絶対に間違えない正確なインプットを重視されることをおすすめします。また、正確な知識があるという前提でですが、配点表を意識した点の取りやすい書き方も重要と考えます。点がつくところを見極め、それらをコスパ良く書く技術ですが、これは教材からだけでは中々身につけるのは難しいので、可能な限りゼミ等を受講して先生から教えを受けるのがよいと思います。
口述試験対策で気をつけたこと
私は論文試験の合格を知ってから本格的に口述試験対策を始めたので、とにかく時間がありませんでした。論文試験直後から口述試験の対策を万全に進めるのはなかなかモチベーション的に難しい部分はあると思いますが、余裕がある時期に青本を読み直すことで趣旨問題への不安を減らして対策を進められると思います。
学習時間を捻出するために苦労したことや工夫したこと
月並みですが、やはり隙間時間をどれだけ勉強に活用できるか、それを習慣化できるかが重要だと思います。苦労した点としては、やはりスマホは一度触り出すと連鎖的に長時間使ってしまう場合が多かったので、強制的に触らない仕組みを作るなど対策していました。
通学、または通信での受講を選択して良かった点や反省点
通学講座を受講しましたが、出席できない場合もWebフォローがありますので、かなり遠方でない限り通学講座をおすすめします。通学だと周りの受験生が勉強する様子を見てモチベーションを保てますし、先生のフォローも受けやすい点がメリットです。
今、合格して思うこと
点数的にギリギリの合格でしたので、合格したという実感がまだあまりありません。正直運が味方して合格点を上回った部分はおおいにありましたが、それも最後まで諦めなかったからこそ生まれた結果だと今考えています。どうせもう間に合わないと勉強を諦めないこともそうですし、本番中にもう無理だと諦めないことも大事です。弁理士試験に挑戦すると決めた方は、どうぞ最後までやり切る姿勢を大切に頑張ってください。