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2021年度合格
呂 勁毅さんの合格体験記

合格者
一発合格

外国人でも1年で選択科目まで一発合格できます!

呂 勁毅さん

年齢 39歳
受験回数 1回
職業 会社員(営業)
出身校 国立清華大学 工学部 材料科学科
受講講座 スマート攻略コース
その他学習経験者向け講座

弁理士を目指した理由・きっかけ

私は台湾で生まれ育ちましたが、2015年に転職で日本へ移住し、現在は外資風力発電機に関わるサービス事業の営業責任者です。これまで15年近く技術営業職に従事してきましたが、既に事業化された製品は技術面での差別化が難しいこと、加えて社会貢献度合いの側面から少し物足りないことをずっと感じていました。

そのような中で、市場や需要が形成・固定化される前に新たな製品・事業を創出する可能性と魅力に着目しました。そして、新製品・新事業の創出においては知的財産管理を伴った経営戦略が不可欠と考え、これまでの技術営業の経験を活用し、知財戦略の立案を通じて「未来の当たり前」に繋がる新規事業開発に貢献したい。弁理士試験の合格はその夢を叶うための第一歩であると考えました。

LECを選んだ理由

弁理士試験を目指そうと思ったのは、短答試験の10ヶ月前でした。当時はコロナの影響で受講形態は通信しか考えていなかったのと、勉強時間が限られている中、無駄を避けたくて、最も効率がよく、かつ合格実績が高い予備校を探していました。いろんな予備校や先生のガイダンスを聞いた結果、LECの馬場先生のスマート攻略コースが一番理想だと感じて選びました。

主に受講したコースや講座の名称と受講した感想

スマート攻略コースで私にとって一番魅力があったのは、たった180時間で弁理士試験の入門知識が修得できることでした。また、それだけでなく、試験によく問われる論点を意識した上で、修得すべきことの優先順位をつけた講座だと思います。特に、馬場先生のご指導によって、勉強法を具体的に改善できたことを下記にて幾つかご紹介したいと思います。

(1)弁理士試験の準備範囲は広く、知財素人の私にとって、知識がなかなか記憶に定着できず焦ってしまった場面が何回もありました。ですが、馬場先生はスマート攻略コースの講座の中で、知識は忘れるものであるという前提でいつも強調して講義されていて、よく間違えられる論点についてもメリハリを付けた解説を実施してくださったので、私も勉強の心構えを変えることによってメンタル的にも相当楽になり、結果的に効率よく勉強できました。

(2)私が下三法の講座を受講し始めたのは、短答試験の2ヶ月前でした。その「下三法後回し作戦」を取ることによって、四法の知識をよりスピーディに仕上げることができ、かつ、一発合格に不可欠な論文の勉強時間を捻出することができたと思います。馬場先生からその作戦を聞いた時は、最初に不安も少しありましたが、先生の指導の通り勉強を進められて本当によかったなと改めて思います。

(3)短答試験後から論文試験までの1ヶ月間は、自分の弁理士受験生活の中で一番挫折を味わった時期です。ご承知の通り、論文試験の出題傾向は短答試験と異なっており、趣旨及び判例も問われるため、論文の勉強時間の少なさが一発合格にとって一番の壁だと個人的に思います。日本語は母語ではないので答練を通じてコツコツ仕上げようと思っていましたが、なかなか思い通り答練の点数が伸びず、勉強方針も一時期迷走していました。論文本番直前の1週間前に馬場先生と相談した上で、過去問中心に答案構成の作成にだけ注力していました。馬場先生のご指導のおかげで、論文試験本番に平常心を保ちながら時間配分もうまく取れたと思っています。

利用して良かったLECのテキスト・過去問集等の名称と具体的な感想

四法については、テキストの中で短答アドヴァンステキストはよく纏められたテキストだなと思います。私は入門講座以降、ほとんど短答アドヴァンステキストを中心に復習を行いました。各条文の優先順位、代表的な過去問、及び青本や審査基準の内容も必要に応じて掲載され、当該テキストは入門講座で学んだ点と点の知識を線や面にまで繋いでくれる主役でもあると思います。

下三法については、入門テキストの内容がバランスが良かったと思います。知識の完成度が四法ほど求められていない下三法については、いろんな論点に手を出してしまったら、逆に最低限押さえるべき知識も定着しにくいので、入門テキストに記載される内容が全て理解できれば、何となく足きり回避できる程度までの点数は取れるのではないかと思います。

受講した答練や模試の名称と受講した感想

いくら知識のインプットがうまく進んでも、試験はアウトプットで採点されるものなので、本番に近い雰囲気に慣れるため、答練や模試は不可欠だと改めて思いました。しかし、インプットの完成度がまだ低い状態で答練や模試をたくさん受けても消化不良になりやすいので、個人の勉強進捗に合わせて適宜バランスを調整されるのがオススメです。

短答式試験対策で気をつけたこと

最初から一発合格を目指していたので、論文及び口述も問われる四法は短答試験でも8割以上の点数を取ることを目標に勉強してきました。本来であれば過去問を多く解いて、繰り返し練習することが短答試験合格への近道だと思いますが、勉強時間が限られていたため、インプットができないままでアウトプットに移行してもあまり効率が得られないのではないかと思い、私の場合は、納冨先生の短答特訓ゼミを通じて、条文の読み方をもう一度見直すことにしました。合わせて馬場先生の「これポン」を意識しながらインプットについてはかなり力を入れていました。

一方、模試や答練以外のアウトプットについては、短答アドヴァンスに載っている過去問だけで行いました。時間が少ない中での緊急措置ではありますが、最低限のアウトプットが確保できたと思います。

論文式試験対策で気をつけたこと

論文については本当に悩ましく、今でも勉強法がよくわかっていませんが(笑)、意外と完璧な知識量を求めなくても合格点数まで取れると個人的に思います。私の場合、趣旨と判例が一番の弱点だと認識していたので、しっかり対策しようと思っていましたが、短答試験後わずか数週間しかなかったので、その辺の知識を全部定着させることは難しく、結局大半の受験生が書けそうな論点だけを押さえることにしました。今思えば、論文試験のインプットは短答試験の前にある程度仕上げたほうが望ましく、短答後論文前の期間においては、現場の瞬発力及び答案構成のテクニックだけ練習するのが、試験本番でベストパフォーマンスを発揮できるコツだと思います。

論文本番直前の1週間前でも、論文に必要な知識が正直まだ中途半端のままでしたが、気にせず、過去問を通じて答案構成をひたすら練習していました。特に1年合格を目指す場合、どうしても知識量が足りないので、分かっている論点だけで確実に点数を取れることが非常に重要な戦術の一つだと思いますし、論点が分かっているのに、時間切れて書けなかったことより悔しいことはないですからね。

口述試験対策で気をつけたこと

やっぱり模試や練習会による実戦が重要だと思います。論文まで突破している者しか口述試験に辿り着けないので、知識のインプットについてはほぼできている状態ですが、会話のキャチボールに慣れているか否かも重要なため、一度シミュレーションしておくのがオススメです。私の場合は、会話のキャチボールに慣れている自信はありましたが、頂いた質問に対してクラリフィケーションを行ったり、聞き直したりする癖があることに自分でも気づきませんでした。口述試験で心証が悪くなる可能性があるとご指摘を頂けて本当に良かったと思います。練習会や模試に参加しなかったら、気づかないまま口述試験に落ちたかもしれません。合格率が高い口述試験ですが、油断は禁物です。

通学、または通信での受講のメリットとデメリット

100%通信で受講しました。最初はコロナの感染リスクを回避する目的だったのですが、いつでも受講できるフレキシビリティによって、仕事と両立ができ、本当によかったなと思います。デメリットとしては対面の質問ができないことだけが残念でした。馬場先生よりSNSの活用やアンケート集計などいろいろ質問の場を設けていただきましたが、私は質問の意図をなかなか伝えきれないと感じていました。やっぱり会話を通じて質問させて頂いたほうが、より意思が伝わるし、理解も深まるかと思いますので、個別相談会は必ず利用させていただいていました。

受講したゼミや道場、単発講座の名称と受講した感想

納冨先生の「短答特訓ゼミ」を受講しました。納冨先生のオリジナル問題を通じて各短答論点が整理され、かつ復習のシートで条文の読み方も再度見直すことができで、いろんな角度でインプットとアウトプット両方が同時に効率よく仕上げられたかと思います。自分はずっと欠席Webフォローで受講しましたが、それでも納冨先生の熱意ある質問が、画面を通して相当な緊張感を持って伝わってきたので、自分だったらどう答えるかを常に考えながら受講していました。講義の前にちゃんと答えられるように予習していたので、結果的に短答勉強向けのペースメーカーのとしての果も非常に良かったなと思います。

宮口先生の「『理想と現実』答案 論文過去問24年分」を受講しました。日本語は私の母語ではないので、論文本番は如何にコスパ良く書けるかを相当悩みましたが、この講座はその答えを教えてくれました。過去問を中心に現実答案及び理想答案の対比を明確にしてあり、論文合格答案の相場みたいのものを定性及び定量的に示してくれました。この講座を通じて、論文問題を解くロジックや考え方以外に、論文過去問から出題の傾向も把握できるようになり、論文合格に不可欠の講座だと個人的に思いました。また、短答試験の前に論文インプットの目的としてこの講座を受講していましたが、短答試験向けの四法知識も同時に整理できる一石二鳥の効果が得られて非常によかったなと思います。

安西先生の「特184&実48道場」と「マドプロ特例道場」を受講しました。まさにコスパ最強の道場だと個人的に思います。184及びマドプロについては条文が読みにくくて苦手意識を持っている受験生がたくさんいると思いますが、自分もその中の一人でした。安西先生より図表を通じて、その辺の条文をわかりやすい日本語へ「翻訳」していただいたおかげで、たった1日の道場でそれぞれの弱点を確実に克服でき、本試験のとき国際系の問題をどんどん出してほしいという自信が持てるようになりました。

仕事や学業、家庭と勉強の両立のコツ・時間活用術など

皆様においてはそれぞれの事情があるはずですが、「必ず邪魔されない時間」を確保していただければと思います。それ以外の勉強時間が捻出できたら、ボーナスをもらった嬉しい気分にもなりますし、勉強のスケジュール管理も行いやすいです。私はずっと在宅勤務だったのですが、外資企業なので、昼間の日本側の顧客対応以外に、夜間には欧州との電話会議が結構入っています。そうすると、夜間の勉強時間が確保できないリスクが起こりやすく、予定通り勉強進まないと今度はストレスが溜まってしまいます。上記のリスクを避けるために、私は毎朝勤務開始までの2時間(6:30〜8:30)を「必ず邪魔されない時間」と設定して、夜間には仕事や家族との時間だけにすようにしました。それが、ちょうどバランスが良かったなと思います。

次に、確保できた時間の有効運用がポイントになります。勉強時間が多ければ必ずしも結果に繋がるとは限らないし、勉強時間が少ないからこそいつも緊張感を持って集中することもできます。私の場合、平日(2+α)時間/日、休日4時間/日のペースで、かつ直前期に有給や夏休みなどを投入した結果、講座の受講時間も含めて短答試験まで867時間、必須論文試験まで984時間、選択論文試験まで1,019時間、口述試験まで合計1,086時間になります。予備校の活用も含めて勉強の質を向上すれば、勉強時間が限られても十分合格可能だと思います。

今、合格して思うこと

ただただ嬉しいですね、直ぐにでも知財業界に入りたいので絶賛転活中です(笑)。営業と知財の相乗効果はどこまで知財戦略に発揮できるのかが非常に楽しみです。これから色んな実務経験も積んでいきたいし、キャリアの後半戦に非常にワクワクしています。

これから弁理士を目指す方へのメッセージ

私は今まで働きながら他の国家資格(第一種放射線取扱主任者等)も独学で合格してきましたが、弁理士試験についてはさすがに独学では非常に難しいと今でも思っています。その辺の判断基準は合格まで必要な知識量及び、試験の出題形態ではないかと個人的に思います。必要な知識量が多い場合、全部の内容を網羅しようとする勉強法なら、何回復習しても記憶に定着しないことが多いので、出題頻度によるメリハリを付けた勉強法が不可欠です。しかし、まだ勉強していない受験生は各論点における優先順位の判断ができないので、独学の結果としては効率が良い勉強に繋がりません。また、出題形態については、弁理士試験にマークシートの短答試験以外に、論文及び口述試験も問われるので、予備校の先生よりご指導を受けたほうが我流の答案より確実に合格のゴールまで近づくと思います。

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