効率を突き詰めて掴んだ一発合格!
大橋 綾さん
年齢 | 32歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 会社員 |
出身校 | 名古屋大学大学院 工学研究科 |
受講講座 | 1年合格ベーシックコース インプット+アウトプット一括 |
弁理士を目指した理由・きっかけ
新しい技術に携わる仕事がしたく、研究開発用途の測定機器の営業職をしていました。コロナ禍の影響もあり今後の将来について考え直すようになり、より専門性の高い能力を身につけたいと考えるようになりました。その中で、技術的なアイデアという形のないものを、権利という形のあるものにする弁理士の仕事に興味を持ち、弁理士を目指すようになりました。
LECを選んだ理由
まずは本屋で参考書などを確認しようと思い、条文集や青本をパラパラとめくりながら、これは独学では難しそうだなと感じました。インターネットで弁理士試験について調べていると、やはり独学では難しいということと、LECの合格実績が高いということを知りました。
最寄りのLEC名古屋駅前本校のブログで高橋先生のメッセージを見つけ、「”あなたでなければならない理由”は”その他大勢から抜け出す”ことで手に入る」という言葉に、当時将来に漠然とした不安を持っていた私は衝撃を受けました。この先生を信じて頑張ってみようと思い、受講を決断しました。
主に受講したコースや講座の名称と受講した感想
名古屋駅前本校に通学し1年合格ベーシックコースを受講しました。講義前は短答アドヴァンステキストのボリュームに圧倒され、これだけの内容を覚えられるのだろうかと不安でした。
高橋先生の講義では、重要な条文を取捨選択し、条文の文章を正しく理解することに徹する講義でした。法律の勉強をするのが初めての私にとって、難解な文章を理解できるようになることが楽しくなる講義で、講義前の不安は払拭されました。また、先生の講義は受講生へ質問をし、受講生がそれに答えるというスタイルでした。受動的にただ講義を聞いているだけでなく、我先に質問に答えようと思うようになり、能動的に頭を使いながら講義を受講できました。
先生の指示のもと6色の蛍光ペンを使って一定のルールに従いテキストを塗り分けることで、復習時にその効果を発揮し、知識を体系化するのに非常に役立ちました。また、論文対策では、条文理解とは別軸で必要な能力である、問題文の読み方や文章構成などを一から学ぶことができました。
利用して良かったLECのテキスト・過去問集等の名称と具体的な感想
- ■短答アドヴァンステキスト
- 条文、条文の解説、関連問題という紙面構成で、インプットとアウトプットを間髪入れず行うことができ、得た知識がどう試験で問われるのかを意識しながら学習することができました。また、それだけでは演習量が足りないので、LEC体系別短答過去問を何度も何度も繰り返し解いた際にも、短答アドヴァンステキストを辞書的に活用していました。
- ■口述試験想定問答集
- LECの口述模試の参加特典なのですが、私は過去問集(口述アドヴァンステキスト)を一周した後は、この口述試験想定問答集を使って繰り返し練習しました。想定問答集はテーマごとにコンパクトにまとまっていて効率良く口述対策ができました。
受講した答練や模試の名称と受講した感想
1年合格ベーシックコースに含まれている答練と模試を受けました。特に模試は自宅ではなかなか作り出せない緊張感のある会場の中、本番と同じ問題数を同じ試験時間で、本番を想定した時間配分で解く練習になりました。
短答では、本番よりも少し難しめの問題で、かつ、過去問には少ない法改正に対応した問題もあり、本番までの足りない知識が再確認できました。
論文では、解説冊子に項目ごとの配点が記載されており、配点と記載量のバランスを考える上で役立ちました。添削は記載のマナーなど細かなところまで見た上でコメントをくださるので、自分では気づかない良いフィードバックが得られました。
短答式試験対策で気をつけたこと
講義が2月末までで、3月以降は体系別短答過去問を中心に、短答アドヴァンステキストを併用して対策しました。短答本番の2ヶ月前の5月中旬から完全に短答対策のみにシフトしました。
体系別短答過去問は、高橋先生のノウハウの、各枝が〇か×か解答するだけでなく、その理由まで説明しながら解くという方法を実践しました。何度も条文集を開き口頭で、もしくは心の中で説明しながら過去問集を何周もしました。この根拠を文章立てて示すという訓練は、論文対策にも役立ったのではないかと思いました。
また、これも高橋先生のノウハウですが、上記方法で解けるようになった枝を×で消して、視覚的に過去問集にあとどれだけ解けない枝が残っているか把握しながら対策を進めるという方法が効果的でした。短答本番までには特実は20枝、他科目はそれぞれ10枝程度まで消していました。
論文式試験対策で気をつけたこと
短答本番の2ヶ月前までは短答と論文を並行して対策を進めていましたが、論文の割合を多くしていました。論文対策を通してより条文を深く理解でき、結果短答対策にも繋がると感じました。
事例問題の対策のやり方は、問題文の時系列は紙に書きますが、全文書きは紙に書かずに口頭で行い、全文書きを実際に紙に書くのは答練と模試、本番だけでした。意識したことは、文章の組み立て自体は前述の高橋先生のフォーマットに従い、内容はブロックで覚えるということを意識しました。ブロックとは、例えば特許の先使用権であれば、ウォーキングビーム事件の実施形式の論点、79条の趣旨、などを個々のブロックとして捉えて内容を覚え、問題で問われていることに合わせてどのブロックを記載するか、または記載しないかを考えることでした。この考え方は本番で、点に繋がらない記載を抑え全体の記載量を調節する際に役立つと思いました。
短答終了後から論文本番までの直前期は模試の復習と過去問のみで、なかなか覚えられない問題を抽出して繰り返し、口頭で言えるか確認しました。また、一行問題は本番2週間前から、過去問で何度か問われているものだけを詰め込んで本番に臨みました。
口述試験対策で気をつけたこと
論文試験終了後から特許事務所への転職活動をしていたというのもあり、口述対策にあまり時間が割けず、本番3週間前の時点でようやく口述アドヴァンステキストを一周したという状況でした。その後、本番2週間前から、LECの口述模試や各会派の口述練習会に参加しました。
ある程度インプットしたら、アウトプットの場数を積む、特に面直でのアウトプットの練習をするのが重要だと感じました。また、テキストの字面を見ながら解くのと、人に読んでもらって解くのでは大違いで、本番を想定してできれば誰かに問題を読んでもらってそれに答えるという練習をするのがお勧めです。私はあらかじめ予習をしておいてから、妻に問題を読んでもらいそれに答えるという方法で練習をしました。
通学、または通信での受講のメリットとデメリット
1年合格ベーシックコースは通学で受講しました。通学することで、上記の通り能動的な受講ができたのが大きかったです。また、講義は短答アドヴァンステキストの内容を特急で進んでいくのでそれについていくので必死でしたが、講義を受け、その後はその復習に勉強時間を充ててと、勉強ペースを作れたのが良かったです。
また、受験仲間が出来るというのも通学のメリットでした。私は他業界で働いていたので受験仲間がいなく、LECで一緒にがんばっている仲間がいるとモチベーションアップに繋がりました。
仕事や学業、家庭と勉強の両立のコツ・時間活用術など
録音した講義音声を移動中、食事中、休憩中に繰り返し聴き続けました。机に向かう気力が起きない時でも聴くようにしていました。徐々に再生速度を上げていって最終的には2倍速で聴けるようになっていました。短答試験直前には苦手な条約の講義のみを聴いていました。
1年合格ベーシックコース終了後から、家から近い有料自習室を契約してそこに通っていました。自習室では周りにも勉強している方々がいて、それが刺激となり勉強に集中することができました。
今、合格して思うこと
もう1年続けるのは厳しいと思うくらい突き詰めて頑張っていたので、嬉しいというよりホッとしたという思いです。殆どの人が落ちる試験に合格するには、”その他大勢から抜け出す”普通でないやり方で、生活スタイルを大きく変えるほど突き詰めて初めて合格できると思っています。
また、私はまだ特許事務所に転職し働き始めたばかりなのですが、弁理士試験合格というのはスタートラインに立ったばかりという印象をより強く感じます。試験勉強中は早く合格し弁理士としてのキャリアをスタートさせたいという一心でしたので、これからはどんな強みを持った弁理士になるか、”あなたでなければならない理由”を見つけていきたいです。
これから弁理士を目指す方へのメッセージ
弁理士試験勉強は1年単位と長く、モチベーションの維持が難しいです。そんな時は、なぜ弁理士を目指したかを思い出すことで、辛い受験生活を乗り切れるはずです。また、自身の勉強のやり方に不安に思う時がありますが、自分の教わっている先生を信じて突き進んで合格を勝ち取ってください。