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2016年度合格
瀬戸 麻希さんの合格体験記

合格者
一発合格

中卒の私でも諦めなかったら一発合格できました!

瀬戸 麻希さん

年齢 26歳
受験回数 1回
職業 無職
出身校 T高校 中退
受講講座 1年合格ベーシックコース+アウトプット完成コース、学習経験者向け講座
  • ※掲載年齢について…掲載している合格者の方々の年齢は、2016年度弁理士試験の最終合格発表日(2016/11/9)時点のものです。

弁理士を目指した理由

私は中学卒業後から24歳までパチプロとして生計を立てていました。そんなパチプロ生活を送る中で、「こんなにもたくさんの人にお世話になってここまで立ち直れたのに、私は一体何をやっているんだろう」と毎日悩んでいました。そんな中で弁理士という職業があることを知りました。私は子供のころから特に天文学が大好きで、高校を辞めるまではずっと宇宙関係の仕事をしたいと思っていたので、弁理士という職業に魅力を感じ、弁理士を目指す決意をしました。

LECを選んだ理由

弁理士を目指そうと思ってからネットで色々調べたところ、青本を読むのが良いと書いてあったので、試しに買って1ヶ月読んでみました。しかし、全く内容もわからず、漢字さえほとんど読めませんでした。これは独学では無理だと判断し、ネットで「弁理士 予備校」と検索したところLECを見つけました。電話をかけてみると、担当の方が丁寧に説明してくださいました。そして2014年の暮れに講座説明会で宮口先生と初めてお会いしました。先生に会った瞬間、何か直感的に「よくわからないけど、この先生についていけば間違いなさそうだ!」と感じました。そして、先生とお話して2015年の入門講座を受講することにしました。しかし、貯金もない上、生活するのに精一杯で受講料まではまかなえなかったため、一旦勉強を先延ばしして、昼と夜とで仕事を掛け持ちして受講料を貯めました。4月にはお金が貯まり、2015年の入門講座から受講することが出来ました。

入門講座のカリキュラム・テキスト・講師について

まず、宮口先生の入門講座を受講しました。入門講座は、基礎から一通りのことを抜け目なく学べ、しっかり受講すれば、私のような初学者でも論文まで対応できると感じました。入門講座のテキストはとても良かったです。私は、短答の勉強のときも論文の勉強のときも、そして口述の勉強のときにも、ボロボロになるまで繰り返し入門テキストを読み込みました。入門テキストには根本的なことが書いてあるため、何かわからないときはとりあえず入門テキストを読むようにしていました。

続けて、宮口先生の最判道場や論文上級答練を受講しました。最判道場では、有名な判例をピンポイントで一通り学ぶことができました。論文上級答練は、勉強を始めたばかりだったため全然ついていけませんでしたが、より違った角度から法律を知ることができました。元来負けず嫌いなので、今思えば、そこで全然太刀打ちできなかった悔しさが、逆に勉強のモチベーションアップにつながったと思います。

特許法をはじめ弁理士試験に関する法律は、言葉も堅苦しく理解しにくいのですが、そんな中でも、宮口先生の具体例を交えたわかりやすい講義と蛍光ペンの塗り分けによる独特の勉強法のおかげで、ビジュアル的かつ具体的に法律を捉えることができました。講義中には趣旨を簡潔に述べてくださるため頭に入りやすく、早い段階でより広い尺度から条文を見ることができました。おかげで法知識を自分のものにするスピードが早まったと思います。

短答試験対策で気を付けたこと

私は、「学ぶ」→「深める」→「まとめる」の3ステップを常に意識して勉強していました。まず初めの「学ぶ」というステップは、入門講座の受け始めから夏くらいまでです。多少の間違いは気にせず、広く浅く表面的に理解することを心がけました。入門講座が終わるころから、次のステップである「深める」に入りました。それまで学んだ知識を、1回ぶっ壊して深めることで、間違った解釈を修正し、正しい知識を身につけるよう努力しました。9月から3月頃でしたが、このステップが1番苦痛でした。この期間はいくら勉強しても成績が伸びない上に混乱も伴いました。しかしこのステップを通過しなければ、短期合格は不可能だったと思います。弁理士試験は表面だけの理解で合格できるほど甘くはないからです。

また、年明けからは条文を声に出して読むことも始めました。素読みをすることで、より細かいところにも注意が行くようになるからです。非常に面倒ですが、素読みを習慣づけたことで、効率よく暗記できたと思います。条文の素読みをメインに、過去問も確認テストのつもりで、1日1時間程度やるようにしました。

そして3月以降に最後のステップである「まとめる」期間に入りました。9月から3月までの期間に自分なりに法律についての知識を深め、修正をしたのだから、おそらく合格できる程度に知識が完成しているはずと信じ、それ以降は、重要な部分以外はわからなくても流してしまうことで効率よく勉強しました。直前期には宮口先生のオリジナルレジュメ「宮レジ」をメインに重要な知識を見直し、結果、43点で合格することができました。

論文試験対策で気を付けたこと

年が明けたら短答の勉強に追われて論文はほとんど書けないと聞いていたため、9月から12月は論文をメインに勉強し、1月中旬までには過去問を一通り解き終えました。私のような法律知識もない人間が論文をまともに書けるわけがないため、まずは宮口先生の模範答案を丸暗記することから始めました。宮口先生の模範答案を丸写しし、その後、再現できるように自分で書いてみるという作業をひたすら繰り返したのです。論文はある程度論点が決まっているため、この方法で模範解答を暗記し、問題を解くときは「宮口先生の答案を完璧に再現してやる」という気持ちで望みました。また、論文合格答練では、誰よりも早く書いて真っ先に帰ることを意識しました。論文試験はスピード勝負でもあるため、この訓練は試験本番で非常に役に立ったと思います。

選択科目は特に専門分野もないので悩みましたが、あえて苦手分野の情報理論にしました。情報理論は非常に計算が複雑な学問であるため、たった1時間半しかない試験において難しい問題が出るはずがないと考えたためです。もし出た場合は捨て問にしようと思いました。必須科目の勉強で手一杯だったため、選択科目の勉強には時間をかけられなかったこともあり、出そうな範囲だけに絞って勉強しました。結果、選択科目は満点で合格しました。選択科目を効率よく、短時間で勉強するのであれば、私は情報理論か流体力学をお勧めします。

口述試験当日

2日目の午後に口述試験を受けました。会場に12時半に着く予定で、新宿から都営大江戸線に乗り、本郷三丁目あたりで、「そろそろ着いてもいいはずなのに、おかしいな」と不安に思いネットで調べてみたところ、反対方面の電車に乗ってしまっていることに気づきました。しかしそのとき、時刻は既に12時半で、慌てて電車を乗り換えたのですが、電車ではとても間に合いそうもありません。急いでLECに電話をし、安西先生の指示の下、東新宿で電車から降りてタクシーに乗りました。

私はパニックになり、泣きながら、「運転手さん、お願いします。タクシー…飛ばしてください。13時までにザ・プリンスパークタワー東京までお願いします。今日まで1年半無職で頑張ってきたんです…私の人生が今日の試験にかかってるんです…」と哀願しました。運転手さんは困っていましたが、とりあえずできる限り急いでくれました。

タクシーで向かっている途中で受験会場に電話をし、交通機関の渋滞により遅れる旨を伝えたところ、13時20分までに到着すれば受験できるとのことでしたので、そこで少し安心しましたが、みなさんも、電車は乗り間違えないように気をつけてください。それと下見をすることをおすすめします。タクシーの運転手さんが急いでくれたおかげで、13時02分に会場に到着し、無事に試験を受けることができました。

通学講座のメリット

私は通学で受講していましたが、切磋琢磨できる仲間がいるためモチベーションを維持しやすく、わからないことがあれば宮口先生にすぐに質問ができ、疑問点を解決しやすい点が通学のメリットだと思います。毎週通うのは大変ですが、可能であれば通学での受講をおすすめします。

仕事と勉強の両立のコツ・時間活用術など

比較的、勉強を主体にすることができましたが、勉強が忙しいときは仕事を少なめに、勉強に余裕があれば仕事をフル稼働するという生活をしていました。

子供のころから朝型だったため、年明け以降は5時半に起きて条文を読むようにし、逆に、夜の10時以降は絶対に勉強しませんでした。その時間はリラックスタイムとして料理のレシピを見たり、旅行サイトを見たりして息抜きをしました。私は長時間勉強し続けることが苦手なので、1時間に1回は休憩し、メリハリをつけて勉強するように心がけました。

そして、1週間ごとに学習計画を立て、「とりあえず1週間以内に終えるのであればどんな順番でも好きなように勉強していい」というルールを作り、実行していました。この試験は長期戦になるため、自分が詰まってしまわないように、無理のないゆるい計画を立ててマイペースにやるように気をつけました。

今、合格して思うこと

私は、「どうせ自分は中卒だから…」と思っていました。でも、今回のことが契機となり、自分に自信が持てました。また、努力は報われるという成功体験へと結びつけることができました。今回の受験で得た経験を忘れず、新たなステップへとチャレンジしていきたいと思っています。

これから弁理士を目指す方へのメッセージ

かつての私は、特許法なんて何にも知らないし、勉強を始めたころは漢字も読めず、特許発明という漢字すら書けませんでした。大学も除籍となっており最終学歴は中卒であるため、三権分立という言葉も知りませんでした。でも、そんな私ですら一発で合格することができました。諦めない気持ちと根性さえあれば、必ず合格することができます。だから、諦めずに頑張ってください。努力は必ず結果になります

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