基本に忠実に、条文を大切に
S・Mさん
年齢 | 35歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 無職 |
出身校 | 京都大学法学部 |
受講講座 | 1年合格ベーシックコース+アウトプット完成コース、中上級者向け講座 |
- ※掲載年齢について…掲載している合格者の方々の年齢は、2014年度弁理士試験の最終合格発表日(2014/11/11)時点のものです。
弁理士を目指した理由
元々特許事務所で事務の仕事に携わっていましたが、次第に、事務の仕事ではなく実務をやってみたいと考えるようになりました。弁理士資格を取得することで、キャリアアップに繋がると考え、弁理士試験の受験を決めました。
LECを選んだ理由
元LEC受講生である弁理士の先輩にLECを勧めてもらったことから、LECの入門講座を選びました。当初、毎週講義に通える自信がなく通信での受講を検討していましたが、神戸本校のガイダンスで通学のメリットをお聞きしたことから、通学クラスを選びました。さらに、ガイダンスで渡辺講師とお話ししたこと、講師との距離が近いこと等から、神戸本校の通学クラスを選択しました。
入門講座のカリキュラム・テキスト・講師について
1年合格ベーシックコースには、合格に必要な講座が全てセットになっており、段階的に知識が身につくように工夫されていると感じました。最初に大まかな知識を身につけ、その後、細かい部分を学習していくことができ、無理のない形でレベルアップができました。テキスト類は、全般的に合格に必要な内容を網羅しており、あれこれ手を出さずに済みました。入門講座からお世話になった渡辺講師の説明は非常にわかりやすく、抽象的な条文の理解がしやすいよう、具体例を交えつつ、ホワイトボードを目一杯使用して説明して下さり、記憶も定着しやすかったです。質問には、いつも快く応じて頂き、休み時間等にはたくの質問をさせて頂きました。
短答試験対策で気をつけたこと
短答基礎力完成講座のテキスト、過去問、条文集(四法対照法文集)、一問一答集(入門講座に付属)を主に使用しました。短答基礎力完成講座のテキストは、短答試験に必要な知識が集約されており、毎週の講座の復習時はもちろん、短答実戦答練期や直前期にも、ほとんど丸暗記する気持ちで何度も見直しました。
過去問を解く際には、各肢の○×と合わせて、その根拠条文を挙げることができるかのチェックを行うようにしました(四法と著作権法のみ)。これにより、「何となく」という曖昧な理由で解答することがなくなり、安定して正答できるようになりました。また、知識があやふやな所が分かり、そこを重点的に勉強しました。なお、短答過去問は、最初は入門講座の進度と合わせて、わからなければすぐ答えを見る形で何回か全体を回していました(本試験での問われ方を知るため)。そして、冬頃から、上記の根拠条文を挙げる形で問題を解き、本試験までに3回程度繰り返し解きました。
条文集(四法対照法文集)には、テキストや青本(逐条解説)の情報などを適宜書き込み、情報の一元化を図りました(この四法対照は、受験勉強全期間を通じてずっと使い続け、私のお守り的存在となりました)。そして、やはり重要なのは条文知識であると考え、特に直前期に条文の読込みを数回繰り返し行いました。一問一答集は、知識の穴を見つけるのに役立ち、穴が見つかるとそこを補強していました。
論文試験対策で気をつけたこと
学習開始当初から一発合格を目指していたため、論文試験対策を早めにしっかり行いたいと考えていました。そこで、入門講座に加えて、夏ゼミ・秋ゼミを受講しました。最初はついていくのが大変でしたが、答案を書く経験を積み、バリエーションに富んだ問題に触れ、ゼミで議論することで、論文を書く力が非常に鍛えられたと思います。また、事例問題を通じて、条文が実際どのように適用されるのか、条文の理解も深まったため、短答対策にも繋がりました。なお論文試験対策として、渡辺講師作成の「論証集」が非常に役に立ちました。主要な論点に関するコンパクトで漏れのない論証が身につき、非常に実践的でした。さらに、趣旨問題に対応するため、青本(逐条解説)やLECの「口述アドヴァンステキスト」を使用し、主要な条文の趣旨の暗記を行いました。
直前期の論文実戦答練や論文公開模試は、1年目の学習者にとっては難しい問題も多く、前半は中々点数も伸びなかったため、とても不安でした。しかし、出来なかった所はしっかり復習し、弱いと感じる部分を補強することで、段々と点数や順位も上がり、総合で一桁の順位を取ることができたときは嬉しかったです。
本試験では、試験委員に正しく伝わる答案、読みやすい答案を意識し、必要な記載は落とさないようにしつつ、コンパクトで明確に記載することを心掛けました。勉強が進み、知識量が増えるにつれ、いろいろと書きたいことも増えてしまいがちです。しかし、知っていることを全てただそのまま書くのではなく、全体のバランスも見ながら、その問題で書くべき事項を見極め、取捨選択し、無駄のない記載をする、ということが、最終的に行き着いた所でした。このような取捨選択をするには、何が重要で落としてはいけない事項、キーワード、キーフレーズなのか、自分で瞬時に判断出来なければなりません。つまり、真に理解していることが要求されます。中々そのレベルに到達できず苦労しましたが、直前期の必死の追込みで、本試験では何とかそのような答案が書けたのではないかと思っています。
選択科目である著作権法については、LECで選択科目著作権法対策講座を受講したほか、弁理士試験の過去問に加え、新司法試験の著作権法の過去問を解き、基本書・判例を読んで対策を行いました。私は、論文必須科目の試験終了後の約3週間だけの学習では間に合うかどうか不安だったので、年末年始ごろから少しずつ学習を進めていました。
通学講座のメリット・デメリット
通学講座のメリットとしては、講師に直接質問ができたことや、受験仲間ができ切磋琢磨できたこと、講座内でグループワーク等ができたこと、強制的に勉強する契機となったこと、学習のペースメーカーにできたこと等、たくあります。途中で諦めることなく勉強を続けられたのは、通学講座を受講していたことによる部分が大きいと感じます。
デメリットは、時間的に拘束されることぐらいではないかと思います。毎週長時間講義を受けるのは大変かなと、最初は不安でしたが、不思議と慣れるもので、私は特に不自由は感じませんでした。
今、合格して思うこと
勉強期間中は苦しいことも多かったですが、終わってみるとあっという間でした。合格したら、辛かったことは全て忘れてしまいました。今、合格できた喜びと共に、ここがまたステップアップに向けての新たなスタート地点だとも感じています。お世話になった渡辺講師、そして戦友である受験仲間に感謝の気持ちで一杯です。
これから弁理士を目指す方へのメッセージ
弁理士試験に合格するには、当たり前のことを当たり前にやること、基本的なことを疎かにせずきっちりとやること、常に条文を大切にし、条文中心の学習を行うことが、大切だと感じました。講師の指導に素直に従い、正しい勉強の方向性を見極め、あとはコツコツと努力を積み重ねることだと思います。
また、最終的には、精神力の勝負だと感じました。「絶対に今年合格する!」と強く思った人ほど合格すると思います。つらくなった時、立ち止まった時は、ぜひ弁理士を目指そうと思った最初の気持ちを思い出してみて下さい。そして、合格した時の自分をイメージするのもいいと思います。
難しい試験ではありますが、その分合格したときの喜びも大きいです。皆様の合格を心より祈念しております。