佐藤・宮口両講師の「いいとこ取り」で一発合格
高橋 伸也さん
年齢 | 29歳 |
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受験回数 | 1回 |
職業 | 自営業 |
出身校 | 早稲田大学 政治経済学部 |
受講講座 | 1年合格ベーシックコース+アウトプット完成コース、中上級者向け講座 |
- ※掲載年齢について…掲載している合格者の方々の年齢は、2012年度弁理士試験の最終合格発表日(2012/11/9)時点のものです。
弁理士を目指した理由
私は大学卒業以来、独立自営で働いてきましたが、日々の生活において時間の融通がきく反面、どうしても収入等の安定性に欠ける部分がありました。そこで、安定した収入を確保しつつ、将来的に独立が可能であり、業務上の信用を積み重ねていくのにふさわしい資格として弁理士を検討しました。
LECを選んだ理由
弁理士試験を受けようと決意した後、独学から大小さまざまな予備校まで幅広く検討しましたが、LECの講座が内容的に最も充実しており、なおかつ、実績を残しているように感じたのでLECの説明会へ行きました。
思い返せば、東日本大震災直後であり、説明会参加者も少ない中だったと思いますが、佐藤先生が、弁理士業界についていいところも悪いところも包み隠さず、熱心に説明されていた点に心打たれ、LECの講座を受講する決心をしました。
入門講座のカリキュラム・テキスト・講師等について
LECの場合、入門講座、論文講座、短答講座とさまざまな角度から繰り返し掘り下げていくのが特徴で、その一番手となるのが入門講座です。
私は、佐藤講師と宮口講師、2講師の講義を受講していました。
佐藤先生の講義は法律的な観点からかなり詳しく深く掘り下げるものとなっているので、特に法律に馴染みのない方は敬遠してしまうこともあるかもしれません。
しかし、分かるまで噛み砕いて繰り返し教えてくださるというのが佐藤先生の講義の特徴であり、入門講座において佐藤先生が教えてくれた知識があったからこそ、その後の短答や論文が楽になったと実感した次第です。
一方、宮口先生の講義は笑いどころも多く、多色マーカーを駆使して引っ張ってくれるので楽しく、苦になりません。さらに、テキストを後から見直すときに、どこが大事でどこがそうでないか、受験講師歴の長い宮口先生のフィルターを通して判断がなされた色分けがなされているので、復習が容易かつ効果的になります。その上、あのマーカーで色を塗り分ける作業は、常に文章の意味を考えながら文字を読むという癖がつくので、宮口先生の講座以外においても汎用性があります。
同じ項目について二人の説明を聞くことにより、立体的に理解できますし、同じ講師の話を2回続けて聞くよりも新鮮で頭に残りやすいということもありました。
通学講座のメリット・デメリット
私の場合、池袋本校の通学で佐藤先生のクラスに在籍していましたが、池袋本校まではやや距離のあるところに住んでいたため、普段は家で佐藤先生及び宮口先生のWeb講義を聴いて、合わせて佐藤先生の生講義の配信を聴き、答練段階になってはじめて通学をするという形で利用していました。
講義内容について疑問点などが発生したことも多々あり、そうした場合にWeb講義だとすぐに聞けないのがデメリットでしたが、講義が進めばおのずと解決されることもあり、また、両講師の講義を聴くことにより片方で分からなかったことがもう片方の解説で分かるようになったりもしますので、結果的には問題ありませんでした。
短答試験対策で気をつけたこと
短答試験対策では、短答基礎力完成講座について入門講座と同様に佐藤・宮口両講師の講義を聴き、理解を深めた後に問題演習へと進みました。内容的には入門講座よりも深く、かつ、出題頻度の少ない条文も扱うので学習は容易ではありませんが、入門講座で培った基礎があるので、そんなに苦には感じませんでした。
また、お二人の講義を聴いておけば、短答テキストを用いた復習も容易になります。宮口先生のマーカーに、佐藤先生の深いお話のメモがあれば、情報が集約されかなり便利なテキストへと変身します。
問題演習には、一問一答集と、LECの体系別過去問題集を使用しました。佐藤先生は繰り返し解く方法を薦めていましたが、インプットに時間をかけすぎて時間がなかったので、間違えたもののみ再度解いていき、できない問題がなくなるまで解くという方法で代用しました。とは言え、一問一答集は上記方法で両講師の講義を聴いていた結果8割以上解けましたし、過去問についても佐藤先生が講義の中で触れてくれているので1周目でほとんど潰すことができました。
なお、LECの短答模試は本試験に比べて難しめに作られていると思います。点数だけを見て落ち込んだこともありましたが、私の場合、結果的にはほとんどA判定でした。
以上のような対策の結果、本番でも8割正解することができました。
論文試験対策で気をつけたこと
論文試験対策でも、佐藤・宮口両先生の論文基礎力完成講座を聴きました。論文基礎答練については、佐藤先生の講座のみ聴きましたが、問題文の材料をどう活かしていくか、どう構成するのか、論理的か、など、受験対策を超えて法律論文の基礎を学ぶことができたように思います。
また、論文基礎力完成講座のテキスト及び要点整理集は、論文で必要な知識が詰まっているので、論文を学ぶうえでの基礎材料は提供されていたように思います。ただし、アウトプットについては、一発合格を目指すなら、市販本などで演習量をカバーする必要はあるように思います。
また、近年の論文試験の傾向として、趣旨や法域横断、判例の問題が多々出題されており、テキストだけでは対応しきれないかもしれません。実際に、平成24年度もその傾向が顕著でしたが、佐藤先生のコアから考える講義で幾度も触れられていた内容であったことから、むしろ私にとっては容易な問題に思えました。
なお、選択科目では著作権法を選択しましたが、佐藤先生の短答基礎力完成講座の内容は、著作権法論文対策の基礎としても有用なものであり、その知識をもとに市販の問題集をこなせば十分合格圏に達することができるように思います。
合格して思うこと
当初は独自に非効率な勉強も多々してしまいましたが、合格してみて振り返ると、LECの講座は無駄なく構成されているように感じました。LECの講義のペースについていきインプットを万全にし、市販の本なども合わせてアウトプット量を担保すれば、合格水準に達するものと思います。
これから弁理士を目指す方へのメッセージ
弁理士というと極めて高いハードルのように感じていましたが、LECの教材を使いつつ、佐藤先生と宮口先生の講義を信じて学んでいけば、あと一息というところまで上ることはできると思います(本当にありがとう!佐藤先生、宮口先生!)。
そこからプラスアルファで自助努力をしていける方であれば、来年度の合格者に名を連ねることは夢ではないと思います。この体験記を読んでくださった方と共に弁理士として活躍できる日を楽しみにしています。