こんな働き方ができる!弁理士の働き方
出発点は好奇心
- 大学二年生で弁理士を目指したとのことですが、どこで弁理士を知ったのですか
- 法学部の二年生で学んだ著作権が、音楽、演劇など身近なものを題材としていること、形のないものに対する権利について法律が規定されていることに興味を持ちました。
それから知的財産について調べているうちに弁理士を知りました。 - そこでLECを知ったわけですね。
- はい。
二年の秋に受講相談のため、LECに初めて行きました。そこで宮口先生と話をする機会があり、すごく元気のいい先生だなと。
相性の良さを感じ、講師は宮口先生で即決でした。 - 三年生の4月から学習を開始されたわけですが、勉強していて壁を感じたことは?
- 最初がとにかく辛かったです。講義を休んだこともありました。
しかし、宮口先生のクラスの自主勉強会を通じて仲間ができ、そこで踏みとどまることができました。すると次第に理解ができるようになり、勉強が面白くなってきて、その後特に壁を感じることはありませんでした。 - 三年生の時ですから、月曜から金曜まで大学の授業があり、週末は弁理士の勉強をされていたわけですよね。息抜きはどうされていたんですか。
- 受講生同士仲が良かったので、土曜日の講義後はほぼ毎回飲みに行っていました。何点上がったとか、わいわいやりながら、楽しく勉強できました。辛いと思ったことはないですね。
- 勉強法で工夫されたことはありますか。
- 最小限ということを意識していました。あまり勉強したくなかったので(笑)。条文と青本を幹として、必要な知識を付け足していく形です。振り返ってみても、それが短期合格に直結する学習法だと思います。
弁理士が拓いたアメリカへの道
- 大学四年の秋に弁理士試験に合格。その後はどうされたのですか。
- 大学院に進もうと考えました。
- 大学院対策ではどういう勉強をされましたか?
- (院試は)面接と論文だけだったので、特に勉強しませんでした。知財の知識は普通に弁理士試験を通じて入ってきましたし。
- そこから、アメリカに活動の場を移された契機は?
- アルバイトで日本の特許事務所に勤めはじめました。大学院が夜間だったこともあり、日中すべて特許事務所で働いていました。
実際に特許事務所で仕事をしていく中で、この仕事は英語がないと通用しないということと、特に知財の中心はアメリカなので、そこで仕事をしたいと。そのままその(日本の)事務所で仕事を続けることもできたのですが、それではワンランク上にはいけないなと思ったので。 - 勤務地は?
- 東海岸のフィラデルフィアに行きました。
- フィラデルフィアの事務所はどんな雰囲気でしたか。
- 小規模から中規模15人くらいのアットホームな事務所で、頼めばいろんなことをやらせてくれるところでした。
30歳で自分の事務所を持ちたい
- 夢はありますか
- 僕の夢は30歳で事務所を持つことです。今はアメリカで持とうと思っています。
- すごいですね!
- 口に出すだけなら誰にでもできるので。
それに向かって何が一番いいかというのを選択して今行動しています。 - 今24歳、あと5年とちょっとくらいですか。
- そうですね。
- スケールが本当にワールドワイドですね!
- 自然とそうなっていきましたね。
- 業務範囲としてはどのあたりをなさっているのですか?
- 前の事務所では日本から海外への商標出願をやっていました。今の事務所に来て、まずアメリカから日本への直接代理、商標出願から中間処理をやらせてもらい、更にアメリカへの直接代理もやらせてもらっています。
それに最近特許も始めています。PCTの国内移行での翻訳業務をやらせてもらっていて、今後徐々に特許に入っていこうかなと。
- 文系出身として、特許の技術内容って分かります?
- 分からないです(笑)
分からないですけど、慣れだと思います。 - 業務の幅を広げる意味で、意匠などにも挑戦されますか?
- もちろん。
商標を幹として、意匠も含め、いろんなところに広げていけなければ、知財のコアな部分を固めていくことはできないので。これから挑戦していきたいです。 - 佐竹さんのすごいところは、準備が整ってから挑戦するのではなくて、まず挑戦してしまうというところですよね。
- やらないと学ばないと思うので。性格もあるんでしょうけど。
自分のフィールドを自分で狭めないで
- 学生のみなさんに一言お願いします。
- まず、目的意識はちゃんともったほうがいいです。今の数撃ちゃあたる就活には、違和感があります。好きなことを見つけるのは難しいけど、時間がかかっても探してほしいと思います。
- 自分にあったものを見つけるのが苦手な人も多いですよね。
- ネット上の情報は信用できないので、直接話を聞くのが大切です。実際に働いている人の話が一番面白いですから。
面接で「OB訪問しました」と言うためだけの形式的なものじゃなくて、聞いちゃいけないようなところまで踏み込んでほしいです。
仕事をイメージできるようにならないと、好きな仕事に出会うことなんてできないと思います。 - すごくしっかりしていらっしゃいますが、周りの人の影響ですか?
- 僕も最初からしっかり目的があったわけじゃないです。大学一年のときはみんなと同じように遊んでいたし……テニスサークルだったんで(笑)
自分を変えるのは自分です。いろんな人に話を聞くとか、小さなことでいいので、努力をすれば、変われると思います。 - これから弁理士を目指す人にもお願いします。
- 弁理士は理系の職業というイメージがあり、躊躇する人もいると思います。
僕も文系ですけど、理系の勉強はできますから、それであきらめないでほしいですね。
商標という、文系が活躍する場面もありますし。
活躍のフィールドは自分でいくらでも広げられると思うので、自分でフィールドを狭めないでほしいなと思います。
- 佐竹 隆史
- 上智大学法学部在学中の2011年に弁理士試験に一発合格。
現在アメリカ・フィラデルフィアにて活躍中。