鈴木 美穂 さん(30代)択一式午後の部1位合格子育てと両立
4年間、本気で向き合いました。試行錯誤の繰り返し。
受験回数 | 4回 ※おためし受験含まない |
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出身校 | 国立音楽大学 ピアノ科 |
主な受講講座 | 2020年パーフェクトローラー講座 2019年新15ヵ月合格コース<春生> 2018年新全日制本科コース |
保有資格 | 宅建士 |
司法書士を目指した理由・きっかけ
前職は信託銀行の営業でした。業務は遺言作成や相続、不動産に関するものが多く、人の人生の節目に立ち会う仕事にやりがいを感じていました。
2人の男児を出産し復職してからは家庭との両立が難しく、同じような仕事をもっと自分らしく続けられる方法として司法書士になることを決めました。
LECを選んだ理由
全日制のクラスがあったからです。勉強を始めた当時、子供は2歳と3歳でしたので、なにより勉強時間を確保することが課題でした。通学という名目で区立の保育園にあずけられるように新全日制本科コースのあるLECを選びました。
初級講座についての感想や良かった点
新全日制本科講座は朝から夕方までの講義が週3日あり講義についていくだけで精一杯でした。私は通学クラスでしたが、時間捻出のためにWeb動画(1.5倍速)で受講していました。朝3時に起きて子供たちが起きてくるまで視聴し、日中は自習室でその範囲の復習と過去問演習をし、夜は子供と一緒に寝るという生活でした。前職を退職した翌日からこの生活をはじめたので、心身ともに一気に切り替えができてよかったと思います。子育て以外の時間はすべて勉強に充てているという自負と気合いがあったので12ヵ月で受かるんだ!と信じていました。
でも模試の成績が振るわない。当時はE判定ばかりでした。本試験の2ヵ月ほど前から「15ヵ月コースが多い司法書士試験は12ヵ月では無理なのかも」といった弱気な気持ちが芽生えてきました。だからと言って勉強時間が短くなったりすることはありませんでしたが、あの2ヵ月もっと強い気持ちで臨んでいたら違った結果だったのかも、と思ったりします。
ここでの反省は模試の判定に惑わされない!ということです。のちの話ですが、3年目の私は安定してS判定が出るようになりましたが本試験に落ちました。模試はその論点をどんな方向から問われても答えられるための訓練であり、知らない論点をどう扱うかの訓練だと思っています。
B、Cランクの論点をテキストに書き込んで何度も復習する必要はなく、その時間は過去問や問題集に充てるほうが有効だと思います。
中上級講座についての感想や良かった点
4年の勉強期間のなかで民法改正があったので、その年は根本講師の「パーフェクトローラー講座」を受講しました。供託法や不動産登記法など、民法改正の影響を受ける科目が多かったのですが、講義のなかで根本講師が科目横断的に「この民法の改正によって供託法の過去問○年-○問-アの肢の回答が変わります」というように教えてくださったのがよかったです。私は改正のあった箇所は緑のマーカーを使うと決めてチェックしていました。
2年目に受講した佐々木講師の講座は講義の中で単元ごとに全ページについて、今後しっかり読むページ/1度読めば良いページ/読み飛ばして良いページを指定してくださいました。これは過去問にない論点が出てくる傾向が強い近年の試験において、過去問にはない論点の中でもどこに注力して学習すべきかの指針になり良かったです。
根本講師のノートやテキストにまとめられた表を丸暗記して、そのうえでテキストや条文を読み返すことで知識が定着しました。
先輩合格者の体験記を読んでいると、家事や通勤途中で論点を復習するといったことをされている方がいるようですが、私は器用ではないのでそれはできませんでした。変わりに根本講師の表を絵的に思い出して「あの表の左上ってなんだっけ?」といった感じに思い出す作業はしていました。
直前講座で良かったもの
根本講師の「全科目択一過去問コンプリート講座」です。このテキストが本当に素晴らしかった!根本講師の講師オタク生活のすべてが詰まっています。直前期には1日に勉強する教材だけでバックパッカーのような量になりがちなのですが、良く見返す表のあるページは携帯で写真を撮っていつでも確認できるようにしていました。実務についた今も「あのページのあの表!」と確認することが多々あります。
直前期の答練についての感想や良かった点、学習への役立て方
基礎の定着を目的とした精撰答練[実力養成編]は何度も繰り返しやりました。精撰答練は知っているはずの論点なのに言葉の言い回しによって別の論点と混乱してしまうことが多く、どんな方向から問われても良いように訓練する場として活用しましたが合格年は繰り返し解くことはしませんでした。
ここでの反省は復習でB,Cランクの肢を深追いしないことと、点数に一喜一憂しないこと。復習はAランクの1肢1肢を着実に吸収するだけ。余った復習時間は過去問や、基礎の問題集に充てれば良いと思います。
模試についての感想や良かった点や学習への役立て方
模試はできるだけ会場で受験していました。周りの受験生が記述を解くときのページをめくるバサバサした音で気持ちが動揺しました。「私はまだ記述問題まで行きつけていないのに」と焦り、いざ記述の問題に取り掛かっても、焦っているので頭のなかで論点が整理できないといったことも多々ありました。でも、その焦りを経験したからこそ、本試験で「焦っても頭がパニックになるだけだから意味なし」と開き直れました。焦ると自分の思考回路がどうなるか、焦った自分とどう付き合うか。合格した年の本試験では不登法をいったん途中で切り上げ、商登法を解いてから最後に余った時間で不登法に戻りました。効率的に考えれば、別の問題に取り掛かるよりそのまま不登法を解き続けていたほうがいいわけですが、焦りはじめていたので「一旦このパニックから抜け出さなくては」と冷静に判断できました。模試のおかげです。
フォロー制度の利用方法についての感想や良かった点
「教えてチューター制度」はよく利用していました。レスポンスも早く助かりました。でも実際のところは漠然とした質問を講師に伝わるように文章にするなかで、条文やテキストを確認していたら自分で解決できたといったことも多々ありました。教えてチューター制度があることだけで助けられた部分が大きいと思います。
通学することのメリット・デメリット
休憩時間の過ごし方や、ほかの人のテキストをチラ見して見出しの付け方やマーカーの引き方を見れたのは良かったです。またライバルとして気持ちが強くなることもありました。やる気が出ない日など、刺激がほしいときにだけ通学、普段は時間を捻出するためオンラインで受講していました。
通信講座の利用方法やメリット・デメリット
時間の捻出ができる点です。動画を1.5倍速で観てわからないところは巻き戻し、難しい論点はテキストに「民法○回目○分あたり」とメモしておいて観返せるようにしていました。
デメリットとしては受験仲間ができないことですが、これを書いている今は筆記合格発表からまだ半月ほどですが、合格祝賀会などを通して200人以上の同期合格者がLINEのグループでつながっています。受験期に横のつながりは不要と思います。
佐々木講師のここが良かった!
2年目に受講した佐々木講師。メンタル面で助けられ、試験当日には会うと泣いてしまうと思ったので会わないように試験会場に向かったほどです。暖かく、それでいてとても冷静な講師です。3年目の不合格がわかったとき、それまでの学習の方法や模試結果、3年目の本試験で間違えた肢とその間違えた理由を時間をかけて確認してくださいました。「ほかの予備校の模試も受けてみなさい、そしてまた連絡してきなさい」と言われました。LECの模試は合格した年も何度も解きなおしました。大事な基礎がとことん詰まっています。でも不合格者にはそれぞれに違った理由があってそれを冷静に分析してくれました。あの言葉に心から感謝しています。1位合格がわかったとき、佐々木講師にやっと恩返しができる。と思ったものです。
保有資格取得後、なぜ司法書士を目指そうと思ったか
宅建は民法・不動産登記法・供託法の学習に役立ちました。よくは覚えていなくても言葉を知っているだけで導入として入りやすかったです。
1級FPの知識は民法や不動産登記法、それから会社法の学習をするうえでも役立ちました。
学業、仕事、家庭などとの両立のコツ
子供がいないときには家事はせずに勉強だけすると決めて、子育てと家事をいかに効率的で楽しくできるかを考えてやっていました。お墓参りに行くと「ママが試験に受かりますように」とお祈りしていて泣いたものです。これからの働き方は子供に「がんばったらこんな事ができるんだ」と目に見える形でやっていくつもりです。
これから司法書士合格を目指す方へのメッセージ
司法書士は事務屋さんのイメージが強く、司法書士になることがこんなに大変だなんて私自身知りませんでした。周りの理解も同じようなもので「まだ勉強やってるの?」の一言で悔しい思いをしたこともありました。でも、いまはあれもやりたい、これもやりたいといった夢がたくさんあります。がんばってください!