大川 洋 さん(27)一発合格
水物と言われる試験、裏を返せば水をつかむチャンスがある
受験回数 | 1回 |
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出身大学・学部 | 高卒 |
主な受講講座 | 2017年新15ヵ月合格コース<春生> |
司法書士を目指した理由
私は不動産業界に就職してから、業界内における知識の向上と職業選択の幅を広げるために法律系の資格取得に向けて勉強し始めました。その後、実務を通して理解を深めたいと思い、士業の事務所に転職しました。その時点では司法書士を目指すつもりは微塵もありませんでしたが、就職先の司法書士の先生から「法律系の資格取得を目指しているなら、司法書士をおすすめします」と背中を押され、司法書士試験について調べ始めました。しかし、調べれば調べるほどハードルがいかに高いかを知り、挑戦を躊躇しそうになりました。でも、やってみなければわからないじゃないかと、怖いもの見たさを原動力にするかたちで勉強を始めることにしました。
LECを選んだ理由
予備校や受講すべき講座については全く迷いませんでした。背中を押してくれた司法書士の先生が「予備校利用するならLECの海野先生の講座ね」と選択の余地がないほど強く推薦してくださったからです。私が勉強し始めようと思った時期を考慮すると「新15ヵ月合格コース<春生>」に限定され、講座選択でも全く迷いませんでした。また、希望していた通信クラスでは講師も3名の中から選ぶことができましたが、こちらも迷うことなく海野先生にしました。私は優柔不断なので、推薦がなければ相当迷ったでしょうし、決めた後も、この予備校で本当によかったのかな〜と不安になってしまう可能性が大いにありましたが、目の前の合格者の実体験に基づく経験談と力強い推薦のおかげで余計な不安を抱えることはありませんでした。
新15ヵ月合格コースの感想
正直に一言で表現すると「疾走」でした。講義のペースに必死に食らいついて、終わった講義の重要ポイントを押さえるための復習を必死で行い、習得した知識を実践で使えるようにするために過去問や答練を必死で行っていたら、気が付くと直前期に突入という感じでした。試験範囲や難易度などを考えるとこのスピード感と重量感はむしろ自然だと思いますが、このカリキュラムに従うのは本当に苦労しました。でも考えてみますと初級講座は目標に向かってきちんと走り抜けることができるように設計されていますので、あきらめずに疾走できるかが勝負だったのだと思います。
カリキュラムの良かった点
私の場合、自分の性格と状況を考えると勉強を続けられて3年、そして3回受験した場合一番頑張れるのは、間違いなく1回目だと予想していました。それはとても厳しい道だと思ったので、滑り込みギリギリセーフで合格するイメージを持ち続けました。知識の幅を広げるのにもきりがなく、効果的な勉強方法もたくさん提案されている…その中で右往左往していると貴重な時間やエネルギーが浪費されてしまいます。その点、初級講座は「合格するための基礎をしっかり定着させる」という目標がぶれずにガイドをしてくれたので、とても助けになりました。可能な限りすべての論点を扱うために分厚くなってしまったテキストも本当に重要で必要なところだけ扱い、びっくりするほど切り捨てる部分がたくさんありました。勉強方法も基本となるルーティーンを丁寧かつ簡潔に提案してくれて、勉強方法で頭を悩ませることもありませんでした。インプット・アウトプット・演習・模試…すべてがセットになっているので合格に必要なプロセスを考える必要がなく、大切な学習に打ち込むことができたのがよかったです。
ブレークスルーの良かった点
おすすめできないことですが、私は六法をほとんど開きませんでした。その時間とエネルギーを割けなかったからです。でも最低限、読まなければならない条文は各課の最初に参照されていますので、授業でも個人の学習でもテキストさえあれば、ほぼ問題ありませんでした。学習を進めて行くと厄介になるのが比較と横断整理です。その点、ブレークスルーは横断整理のために、それぞれの単元で惜しげもなくページを割いていますので、「忘れたころに思い出す」を繰り返すことができ、大切な知識が記憶の奥底に沈殿してしまうことを防げたと思います。また、余談としてですが、士業の事務所で働く者として、実務で接する分野でもかなり助けになりました。受験では切り捨てていたマイナーな部分も、このテキストはここまで説明してくれていたんだ、と感動します。
フォローアップ制度の良かった点
私の場合、直接講師に質問できる機会はありませんでしたので、もやもやとした部分がある場合は「教えてチューター」で質問しました。過去の履歴を振り返ってみると、自分でも「それは気にしなくてもいい部分じゃないかな」と思えるような質問をしていましたが、そんな質問にも丁寧に回答してくださっていました。恐らく結構調べて頂いたのだと思います…また、かなり焦っていた直前期にはサポート範囲外のこととは知らず、質問してしまったことがありましたが、それとなく回答してくださいました。この場をお借りして人情味のあるご対応に感謝申し上げたいと思います。
その他、思い出に残っている講座の名称と良かった点
私は初級講座のほかに「直前択一過去問絞込み講座」を受講しました。合格のためには過去問を回すことが効果的だとよく言われますが、数十年間分もある過去問のどれを回せばよいのか途方に暮れていた時にこの講座を知りました。論点落ちが無いように膨大な過去問の中から良問をピックアップして、それを冊子にまでしてくれているとのことでしたので、迷わず申し込みました。問題量・質、共にとてもバランスが良かったのだと思います。基本論点をきちんとアウトプットしつつ、欠けている部分を解説等から拾い集めることができました。私は、まとめられた過去問冊子が目当てで、解説講義は聞くつもりがなかったのですが、その講義を聞いてみるとそれがまた秀逸でした。解説といっても、過去問の解説ではなく、背景にある基本原則であったり、横断整理であったり、法改正等による最新情報などを提供してくれていました。初級講座が終了し、基礎知識がある程度定着している時期に受講できたので、それまでの知識をつなぎ合わせ、知識量を一段積み上げることができる良い機会だったと思います。
海野講師のここが良かった
実際に司法書士として実務をこなしている方が講師だと、その経験が授業ににじみ出て、よりわかりやすくなると感じました。その点海野先生はバリバリの実務家で登記に関する説明は非常にいきいきしていました。凡人でも理解できるように、多彩な表現、例え,実例を使って説明してくれますし、講義合間の実務小話がとても面白いので、嫌な授業でも小話を楽しみにして続けられました。講師として、また、実務家としての長年の経験により、深い知識とノウハウが定着しておられ、講義も理解できる最善の順番で進めてくださいます。役に立ちそうな書籍や講座を推薦する際にも営業トークに嫌味がなく、本当に役に立つ教材、講座を勧めてくださったと思います。余談かもしれませんが、合格後も役立ちそうな司法書士会、連合会の情報もたくさん教えて頂きました。
これから司法書士試験合格を目指す方へのアドバイス
法律について新しいことを体系的に学ぶのはとても楽しかった一方で、試験合格という目標を考えると途中で絶望感や焦燥感を感じることが何度もありました。受験生はそれぞれ、合格後の夢であったり、身近な講師や学友の励ましであったり、いろいろものに助けられながら勉強を続けられているのだと思いますが、私の場合は「今わからなくても大丈夫。」「今覚えてなくても大丈夫」という講師の言葉に半分騙されながら続けられました。本当に大丈夫なのか…と思いましたが、あまりに何度も言われるのでとりあえずでも続けていようという気持ちで授業を進めていました。結論を言いますと主要科目を自分で「わかるようになった」と感じたのは試験の1、2か月前でした。マイナー科目に至っては数日前です。ですので勉強を始めてから13ヵ月ほどはモヤモヤの中でひたすら、提案された方法をベースにした勉強方法を続けていた、という感じです。いろんなタイプの方がいると思いますが、私は試験直前に合格レベルの下の端っこぐらいまでのレベルになれたのだと思います。あとは「運」とか「水物」などと漠然と表現される、その年の問題との相性や、手当たり次第に暗記したものが出題されるかといった、予想できない影響力によってチャンスが巡ってきてくれたのだと思います。受験は長距離走みたいなものですので、たくさんつまづいたとしても、止まらなければまだまだ分かりません。そして、予想できない影響力が味方についてくれた時に合格するための努力を続けられるかが分かれ道になっているのだと思います。